【やっぱりボラれた-ベトナム旅行記】
第3話)寝台列車のトリック

||ベトナム旅行記|ハノイ|フエ|ホイアン||

2日間ほどハノイで過ごし、夜行列車で古都フエに移動する。ソフトベットと呼ばれるベトナムでは最高級クラスの寝台車だ。キップはもう●●ホテルで57ドルで手配済。電車は21:00ハノイ駅発。●●ホテルの小僧が20:30にホテルに迎えにきて駅に連れてってくれるという。

小僧は駅まで同行し、電車の中まで僕を案内する。「ここが君の寝台だよ」意外にも最後まで面倒見がいいなぁ。●●ホテルにはバス代をボラれたが、それを除けば結構施設もサービスもしっかりしていたのでまあよしとするか。人間ちいさなことにこだわってはいけない、と僕は自分を納得させた。

小僧はキップを僕に渡し「じゃあね、ハッピーニューイヤー」と去っていった。そう、今日は12月31日。あと3時間で2002年なのだ。

ハノイ駅
夜のハノイ駅

さて、同じコンパートメントにはドイツ人らしい女性が2人いた。残念ながら、おばサンだったが、、、小僧よ、どうせならなんでかわいい女の子と同部屋のキップを予約しないのだ。ちょっとだけ気がきかないなぁぁ

21:00、定刻どおり電車は静かに駅を滑り出す。さて、フエはどんなところだろうと思いをはせる。

そして、しばらくして、ふと手渡された切符を見た。

 ん?

 ありゃ!

 え”~~!!

      • また、やられた!!!!!!!!!!!!

キップには英語で、「外国人用ソフトベット、値段551000ドン」と書いてあった。。551000ドンは約37ドルである。僕はこれを●●ホテルで57ドルで買ったのだから、、、20ドルもボラれたぁぁぁ。

「小僧!戻って来い」と言ったところで電車はもう動きだしている。今にして思えば、電車に乗るギリギリまでキップを渡さなかったのもおかしいことに気がついたが後の祭り。完敗である。ともかく37ドルで買えるものを57ドルで買わされたのだ。

しかし、●●ホテルのロンリープラネットには値段は57ドルと印刷されていた。いったいこれはどういうからくりなのだろう。しばし考えを巡らす。やつらが有名な外国語のガイドブックを偽造したとは思えないし、、、

あっ、そういえばベトナム国鉄は最近外国人料金を引き下げたという話を聞いたような気がする。だとするとあのガイドブックは少し前の版だったのではないか!

いずれにしても37ドルで買えるものを57ドルで買わされたのである。2日間もベトナムにいると20ドルがどれだけ大金だか解ってくる。

ともかく、ま~んまと●●ホテルにやられてしまったのだ。泊まっている時はそんなそぶりさえ見せずに。本当にベトナム人には気を抜けない。

 ドイツのおばちゃん:「あなたどうしたの?」
 僕        :「いやぁ、別に…」
 ドイツのおばちゃん:「まあ、これでも食べなさいよ」

おばちゃんは、僕の20ドル分の損失ショックを敏感に感じたのか、バナナを一本僕に分けてくれた。「ボラれたおかげでバナナがもらえたからよしとしよう」と僕はむりやり自分を納得させようと試みたが、、、、、納得できるかいな!!

こうして納得のいかない僕の2001年は、幕を閉じていったのだった。

(続く)


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最終更新:2016年08月19日 00:00