【おんぶにだっこ・マダガスカルの旅】
第2話)勝手にツアー合流

《マダガスカル旅行記|モロンダヴァ|アンタナナリヴ|ペリネ自然公園》

マダガスカル行きのフライトは深夜のバンコク・ドンムアン空港を飛び立った。8時間後、夜が明けたばかりの首都アンタナナリヴの上空にさしかかると、客室乗務員は出来の悪い小さな観光パンフレットを配りはじめた。なんかセコいクーポン券が付いてるなぁと思って折込ページを広げたら、なんとそれが入国カードだった。危ないなあぁ、つい捨てちまいそうになったではないか。

マダガスカルの入国カード
マダガスカルの入国カード

南半球にあるマダガスカルは8月の今が冬の季節。おまけにアンタナナリヴは高地にあるので、早朝の空港はけっこう肌寒い。出国するとすぐ国内線のカウンターに向かった。今日は一気にバオバブの並木道で有名なモロンダヴァという街まで飛んでしまう予定だ。出発までに両替をし、カフェで時間をやり過ごす。

空港のカフェは一杯1200アリアリ(1000アリアリで約60円だから70円くらい)。僕は2000アリアリを渡した。すると返ってきたお釣りも2000。え?おかしい!でもラッキー!!と思ったら、、、実はこの国の通貨、アリアリとフラン(マダガスカルフラン)の2本建てなのである。両者の関係は0が幾つ付くとか付かないとかそういう単純な話ではない。5対1の比率なのだ。つまりお釣りは500アリアリと1500フラン(300アリアリ相当)で返ってきたのだ。だから見た目の数字だけ合計すると2000。なんだかとてもややこしい。

ともかくマダガスカルで商売するなら、掛け算九九の5の段だけはスーパーコンピュータ並みに素速く、フラン札とアリアリ札を瞬時に見分ける力はヒヨコのオスメス鑑定士並みでないと勤まらないのだ。

そうこうしているうちに国内線が出発する。観光シーズンのせいか小さな機内は外国人観光客で大いに賑わっている。マダガスカル人ガイドを伴った日本人のツアーグループもいるようだ。小一時間ほどのフライトでモロンダヴァに到着した。空港の建物は日本の田舎の郵便局みたいにこじんまりしている。アンタナナリヴと違い海辺にあるので、太陽の光がまぶしく、空は抜けるように青々としている。

国内線で海辺の街モロンダヴァへ-マダガスカル
国内線で海辺の街モロンダヴァへ

手荷物がターンテーブルに運ばれてきた。さて、ここから街までどうやって行こうか。そうだ、あそこにいる日本人ツアーのマダガスカル人ガイドに聞いてしまおう!おっと、こっちはお金払ってないから、彼がガイドとは知らないふりをした方がいい。そうそう、あくまで現地の人に尋ねたって自然な態度をとらなきゃ。僕はとりあえず頭のなかで「街までどうやって行けばいいのですか?」と仏作文を終え、「エクセキュゼモワ、ムッシュー」と尋ねてみた?

 「ああ、あなた日本人ですか。」

あわわ!!!! 黒人のオッサンから予想以上に流暢な日本語が返ってきたので僕はたまげた。

 「私はリヴァと言います。徳島の大学院で勉強しています。」

どうりで日本語が堪能なわけだ。リヴァさんは大学院で研究生活をおくる傍ら、地元のフランス語サークルで仏語を教えているとのこと。そして今日はサークルの教え子やその友人たちと里帰りを兼ねてマダガスカル旅行に来たというわけだ。

 「私たちも街に行きます。あなたも一緒にどうですか? えっ、ホテル決まってない。
 じゃ僕らのところにしたら? あと今日バオバブ街道のツアー行くけど一緒に行く?」

これはラッキーこの上ない。マダガスカルは見所が街から離れているので個人で行くと割高になる。でも人数がまとまれば負担は軽い。ともかく連れの皆さんにもご挨拶して、勝手にツアー参加させてもらっちゃおう。

 「あのー、よろしいですか?」
 「あ~ら、全然かまいませんわよ」

リヴォさんの連れは全部で4人。年輩の芸術家タイプ、K藤さん。初海外旅行のMチルさん、シンガポール在住OL、A美さん、とりまとめ役のC恵さんと、年齢も個性もバラバラの女性4人衆だ。

こうなったら成り行きだ。面倒なことは考えずに、全部お任せコースにしてしまおう。おんぶにだっこ。いいじゃない、楽だもの。

(続く)


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最終更新:2016年08月27日 16:04