【おんぶにだっこ・マダガスカルの旅】
第4話)ダンス・ダンス・ダンス

《マダガスカル旅行記|モロンダヴァ|アンタナナリヴ|ペリネ自然公園》

バオバブ街道を訪れた翌日は、ピローグ(手漕ぎの丸太ボート)ツアーが既に手配されていた。

ピローグツアー=マダガスカル
ピローグツアー

小さなモロンダヴァ港を2艘のボートに分乗して海辺から河をさかのぼる。いくらマダガスカルとはいえ漕ぎ手を雇ってボートをチャーターなんて個人ではちょっと贅沢な話だが、6人で割れば大した金額ではない。

「え、じゃ幾らだったの?」とは言わないで!全部リヴァさんに任せちゃったので覚えていませ~ん。

ピローグは、マングローブの生える岸辺をゆっくりと進んでいく。河口にある漁師の住む小さな島の村を訪れたりして、昼間はゆったりと過ごした。

その日の夜、我々はリヴァさんの親戚の家でのパーティに招かれた。正確に言うと招かれたのは元々リヴァさんとマダガスカル旅行に来た女性陣4人であって、おいらは飛び入り参加なのだが、ともかく一般マダガスカル人の家を訪れるなんてめったに経験できることではないので、厚かましくも付いて行くことにした。パーティということなので、女性陣はワンピースなど着てちょっとお召し。いいのかなぁ、おいらだけ薄汚い短パンで、、、

夕闇が迫るモロンダヴァの街中を抜け、住宅街にある親戚の家に歩いて向かった。リヴァさんは高校までこの街に住んでいたので、あちらこちらで知り合いに遭遇する。やがて2階建ての、正直言うとやや粗末なつくりの家の前にたどり着いた。土間を抜けて小さな応接室に通されると、あやや、いるわいるわ、親戚やら兄弟やらなにやら20人ほどが。

リヴァさんは「彼は僕のおじさんで、その隣がその妹。それからこちらが、、、」と紹介してくれるが、いやもう、いったい誰が誰だか判りゃしない。外見は質素な家だが、さすがエリート海外留学組リヴァさんの親戚である。部屋の中にはテレビ、冷蔵庫はもちろん豪華なDVDプレヤーまで揃っている。そしてテーブルの上にはご馳走がどんどん運ばれてくる。僕らを歓迎して昼から準備を進めてくれていたそうだ。有難いことである。

ビールが行き渡ったところで乾杯となった。とりあえずゲスト側が自己紹介をする。初海外旅行のMチルさんは懸命に覚えた仏語を唱えて、自己紹介を試みる。

 「ジュ、ジュ、ジュペル? あれなんだっけ?」

緊張してなかなか言葉がでてこない。あらりゃりゃ。だんだん空気が重くなって来たぞ。

これはマズイと思ったのか、リヴァさんはDVDをセットした。軽快なリズムのアフリカンポップスが流れ出す。するとどうだ、一番年下の親戚の子供がいてもたってもいられな~いと、腰をフリフリ踊りだした。そのダンスのノリといったら半端ではない。一気に場が和んでしまった。

「こんどはこのビデオを見てよ」と次のディスクをリヴァさんは取り出した。これまた陽気な音楽に乗って映し出される映像には、見たことあるおばさんが歌っていた。あれ、このおばさん!

「そうだよ、目の前にいる彼女だよ。このビデオは僕たちが作ったの。最近モロンダヴァにスタジオが出来たから作っちゃった。」

おお!なんと言う豪快な趣味であろう。カラオケでは飽きたらずDVDを自主制作してしまうのか、マダガスカル人は。

と、気がつくともう誰も座っちゃいない。子供から爺さん婆さんまで、豪快に腰をフリフリ、ダンス・ダンス・ダンス。日本軍だって、最年長のK藤さんまでおおハシャギで踊っている。

ダンスダンスダンス1-マダガスカル人の自宅に招かれて
ダンス・ダンス・ダンス
ダンスダンスダンス2-マダガスカル人の自宅に招かれて

すると、一人のマダガスカル姉ちゃんがウルトラCを披露してくれた。アフリカ女性は、頭に重たい荷物を載せ上手にバランスをとって歩く姿をよくテレビなどで見かけるが、そのバランスの妙技に我々は驚いた。なんと栓のあいたビール瓶を頭の上に載せ、そのまま激しく踊りだしたのである。両手を広げてバランスをとりつつも、腰から下は激しくビートを刻んでくねらせている、、、なのに頭の上のビール瓶からは一滴もこぼれてこない。これは、人間ワザなのか!

ダンスダンスダンス-見事なバランス
見事なバランス

しばらくすると、男女がペアになって踊り始めた。おや、向こうにすごくスタイルのいい女性がいるではないか。「彼女はエアロビのインストラクターだよ」とリヴァさん。道理で美人なわけだ。どうせ踊るならやっぱああいうカッコイイ系がいいよなぁ、なんて思っていたら急に腕をつかまれた。

 「あんた、アタシと踊らんかいな。」

僕の腕を掴んでいたのは、、、、ドスコイ系のおばちゃんだった。トホホ~

ダンスダンスダンス4-マダガスカル人の自宅に招かれて
ドスコイ系おばちゃんと

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ともかく愉快に踊りまくって11時過ぎに僕らはお暇させていただいたのだが、翌朝リヴァさんに聞いたら、「僕らは朝まで踊ってたよ。」だと。なんというパワーだ、マダガスカル人!

(続く)


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最終更新:2016年08月27日 16:05