【タイのくびれを行く/中南部の旅】
第4話)王様のパンツ
《タイ旅行記|スラーターニー|ラノーン|チュンポン》
ラノーン2日目の朝、今日も朝から雨がシトシトだ。もうここはあきらめて東側に抜けよう。さすがにノン・エアコンバスはつらいので、ミニバンの乗りあいバスでタイ湾側のチュンポンに向かった。さすがわ日本製ミニバン、クーラーも効いてて乗り心地は快適である。山道の峠をすいすい越えて3時間ほどでチュンポンに到着。
が! しかし、、、
ここも雨がシトシトだった。
雨のせいでフツーに観光できないばかりか、大きな問題も抱えてしまった。洗濯物が乾かないのだ。無論タイでこんな経験は初めてである。いつもは一晩干しときゃ乾いてくれるのに、いつまでたってもしっとりなのだ。一説によると旅のパンツは3枚までが賢いとされてるらしいが、もうパンツ切れである。さてさて、どうしたものか。
ところで話は全然変わるが、今年タイはプミポン国王即位60周年の大変記念すべき節目の年である。日本では全く話題になってないが、60周年を記念した黄色いTシャツやポロシャツがいたるところで売られており、大人から子供まで、タイ人のざっと3人に1人はこの黄色いシャツを着ている。
WE LOVE KINGと英語のロゴが入ったものからタイ文字バージョン、アロハ風の柄シャツから伝統的な絵柄のものまで、この王様シャツのバリエーションは豊富だ。
うむ、待てよ。王様のシャツが売っているんだったら、王様のパンツだって在ってもいいじゃないか。どうせパンツが足りないなら、由緒正しいロイヤルパンツを買うのが粋ってものじゃありませんか。
チュンポンはラノーンに比べたら大きな街である。当然デパートだって存在している。僕は早速2階の紳士用品売り場で王様パンツを探す。タイのデパートのパンツ売り場は意外に充実している。日本でおなじみのブランドから「おとこ」ってひらがなでロゴの入った珍ブランドまである。しかし、あるにはあるが、残念ながら、黄色いロイヤルパンツは見当たらない。
僕は階段で1階に下りようとした。おや下のバーゲンコーナーに積まれてるのは、何か黄色いパンツっぽいぞ。僕は急いでそのコーナーに駆け寄って商品をつかもうとした。
あっ、しまった。
周りの視線が冷たい。
そこは女性用下着の特売コーナーだった。あわてて「あっ、僕、売り場に迷っちゃった。えへへ」って顔を作ってスゴスゴと店を出た。
店を出るとなにやら暖かい空気を感じた。あらら、洗濯屋さんじゃないか。僕は宿に戻って乾かない洗濯物を持ち出してきた。これら全部を洗って乾燥させてもらってもたったの50バーツ。安い。これならパンツ買う必要ないじゃん。
先にこの洗濯屋さんを見つけていれば、下着売り場であらぬ疑惑は避けられたのにぃ。
順番が逆だっつうの!
最終更新:2016年08月26日 21:16