【ウエストコーストの旅(カンボジアのだけど...)】
第2話)カンボジア国境は罠がいっぱい?

《カンボジア旅行記|ココン|コンポンソム|シアヌークヴィル|プノンペン》

タイ領にたむろしていた客引きはやはりカンボジア人だった。やつらはまるでガイドのように、 「あそこで出国手続きをしろ。そしたら歩いてカンボジアのイミグレで入国手続きだ。」と僕を促す。

雑貨屋ではない!出入国管理事務所だ-タイ・カンボジア国境
雑貨屋ではない!出入国管理事務所だ-タイ・カンボジア国境

僕はタイの出国スタンプを押してもらうと緩衝地帯を歩いていった。すると、な、なんだここは!こんな500m程のグレイゾーンに立派なホテルが何軒もある!どういうことだ。

 「ああ、これはカジノだよ。タイ人いっぱい遊びにくる。」

うむむ、賭け事大好きのタイ人のためにこんな施設があるなんて!でも緩衝地帯にこんなもの作っていいのかタイ政府!いやカンボジア政府!いやいや、どっちなんだここは??タイは出国してるけど、まだカンボジアに入国してないぞ。どっ、どこなんだここは。

緩衝地帯にそびえるカジノの入口-タイ・カンボジア国境
タイ・カンボジア国境の緩衝地帯にそびえるカジノの入口

ともかく不思議な緩衝地帯を抜けてカンボジアの入国手続きを済ませる。すると怪しげなカンボジアの係員が僕を別室に呼び込み、健康問診表みたいな黄色い用紙に記入させられる。

 「はい手数料50バーツ!」

ちょっと待て、なんでこんなものの記入で(しかも記入したのは僕で、お前じゃないだろう!)金を請求されるのだ。「ノー!」と一喝して出て行ったら案の上追いかけては来なかった。まったく油断もスキもありゃしない。 

ビザは予め手配してあったのでその後はスムーズに入国できた。カンボジア側に入国すると、赤茶けた大地に道がポツンと一本続くだけ。後は何もない。はて、国境から一番近いカンボジアの町ココンにはどうやって行けばいいのだ。バスなんてある雰囲気すらない。

 「ハロー!ゴー、ココン?」

おおと、さっきの客引きがバイクにまたがって寄ってきた。こいつやはりバイクタクシーの運ちゃんじゃないか!しかしお前結局国境で出入国の手続き一回もしてないじゃん。

 「ゴー、ゲストハウス? アイ ノー グッド ゲストハウス」

と、男が見せたカードのゲストハウスはココンの街外れのようだ。連れてくとコミッションが貰えるのだろう。僕は市場の近くのNゲストハウスに行くように命じた。思ったとおり相場の倍近い運賃を言ってきたので半額にまけさせ、僕はバイクの後ろにまたがった。

未舗装の赤土の道-カンボジア
なーんもない赤土の田舎道-カンボジア

バイクは見事になーんもない田舎道を突き進むと、日本からの援助で作られた立派な橋を渡る。そこだけピカピカの橋はあたりにいかにも不似合いだが、それを渡るともうココンの街である。

バイクはNゲストハウスの前に泊まった。宿の親父は1泊100バーツだと言う。部屋を確認してお金を払おうとすると、例のバイタクの運ちゃんがゲストハウスの領収書を書いていた。えっ、それってお前の仕事?

 「ここは200バーツだよ」

と金額2倍の領収書を僕にさしだした。僕は思わず吹き出してしまった。残念だったね、僕はすでに宿の料金は確認済みなのだよ。倍額請求して差額でコミッション貰おうなんてふざけた手は通じないさ。

しかしボーとしていたら引っかかっていたかもしれない。ウワサどおりカンボジア、気を抜くと何が起こるかわからないぞ。

(続く)


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最終更新:2016年08月27日 18:13