【ウエストコーストの旅(カンボジアのだけど...)】
第1話)いざカンボジア!

《カンボジア旅行記|ココン|コンポンソム|シアヌークヴィル|プノンペン》

バンコクからバスで5時間、タイのカンボジア国境の街トラートは意外にも外国人ツーリストがうようよしていた。近年この街の沖合いにあるチャーン島が観光開発され、健全なファミリーツーリストたちがトラートの街を闊歩している。街には安いゲストハウスが立ち並ぶプチ・カオサン化した一角まであり、ホットシャワー付きの部屋が1泊150バーツとバンコクでは考えられない驚きのプイライスで僕のサイフをいたわってくれてありがたい。

何やらお祭りが行われていた-タイ・トラート
タイ・トラート-何やらお祭りが行われていた

今日はここに一泊、明日は国境を越えてカンボジアに乗り込む。内戦が終結してまだ何年も経っていないカンボジアは、治安が大変よろしくないと聞く。また国境付近は素性の良くない輩も多く注意せよと某地●の歩き方は盛んに警告していた。

でも、カンボジアが近いといってもここトラートはお気楽タイランド。夜にほっつき歩いていても何の心配もない。街灯はさんさんと屋台街を照らし、くそガキどもはキャッキャッとはしゃぎ回っている。おぉぉと現金が足りないぞ。まあいいATMで引き出すか。何の苦労もなくキャッシュが手に入る。このあたりの便利さは日本となんら変わりがない。タイって文明国だなぁぁ。

夜の仕込みに追われる屋台街-タイ・トラート
タイ・トラート-夜の仕込みに追われる屋台街

しかし、カンボジアではこうは行かない。僕は明日の国境越えに備えてバーツとドル札を貴重品袋に仕込んだ。むろん緊急用のお札も靴底にしのばせて、、、

翌朝国境行きののミニバスに乗り込んだ。あれだけ多くの外国人ツーリストがいたのに、このミニバスの乗客で外国人は僕ともう一人の西洋人がいるだけ。後はみな地元のタイ人だ。ミニバスは小一時間ほど海沿いを南下する。国境ギリギリの村でタイ人たちは皆降りてしまった。ここから検問所まで行く乗客は僕と西洋人の二人だけだ。一段と細くなった道をミニバスは検問所に向けて突っ走る。15分程すると粗末な門構えが見えてきた。プレハブ物置のような小さな建物が見える。それがタイの出国事務所だった。

道路の海沿いには何軒か食堂があるが、あまり活気は感じられない。ミニバスを降りる。するとどうだ!

 「パイ・ナイ・クラップ? パイ・カメーン?」

 「ホエアー・ユー・ゴー? カンボジア?」

停留所にはどこからともなくカンボジア人の客引きがわらわらと表れ、タイ語と英語で「どこへ行く?」とたった2人しかいない獲物に向かって攻勢をかけてきた。「どこへ行く?」と言われたってここまできたら国境を越えてカンボジアに渡るに決まってるだろう。だが待て、ここはまだタイ領だ。当然出国手続きすらすんでいない。なのになぜカンボジア人の客引きがタイ領にいるのだ。おまえら勝手に国境を越えていいのか?

早くも訳が分からなくなってきた。いかん、さあともかく気を引き締めてカンボジアに突入だぁ。

(続く)


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最終更新:2016年08月27日 18:16