【寒いぞ!冬のモロッコ旅】
第8話)乗り継ぎ失敗、帰国できず!?

《モロッコ旅行記|マラケッシュ|ワルザザード|ラバト》

ラバト旧市街
ラバト旧市街

楽しかったモロッコの旅もあっと言う間に過ぎてしまった。帰りは●ールフ○ンス便で一度パリまで飛んで、3時間後のANA東京便に乗り換え帰国。翌日からは出社だ。

ラバトの空港は小さく駅のようだ。パリ行きの●ールフ○ンス便は11時発。小さな待合室は帰国するフランス人観光客でゴッタがえしていた。なにやら分けの分からぬアラビア語のアナウンスが流れいよいよ搭乗か、と思ったその瞬間、職員が変なクーポンを配りだした。おかしいもう出発の時間なのに。。。

 職 員:「出発が遅れます。お飲み物券です。ムッシュー」
 僕  :「飲み物券!」

嫌な予感は的中した。飲み物券が配られるとはかなり遅れるということだ。ん、待てよ。「出発が遅れる=パリ到着が遅れる」すなわち⇒「東京便に乗り遅れる」⇒「出社できない。」

  が~ん!!!

これはマズイ!思えば数年前同じような乗り継ぎで●ールフ○ンス便がストライキを起こし、そのときは本当に出社が1日遅れた。僕はすでに欠勤前科1犯なのだ。2度目となったらマジでサラリーマン生活が危うい。僕は●ールフ○ンスの職員に詰め寄った。

 職 員:「ムッシュー。心配要りません。乗り継ぎに遅れたらパリのホテルを
      ご用意いたします。」

そういう問題ではない!会社を欠勤することになるんだって!

結局2時間遅れで●ールフ○ンス便はラバトを飛び立った。ドゴール空港の乗継時間は「3時間-2時間=1時間」。げっ、たったの1時間!。これはまずい。むろんまだANA東京便のチェックインは済ませていない、というか済ませようがない。僕は機内誌でドゴール空港のチェックイン時間を確認する。ありゃ、出発60分前で東京便チェックインカウンターは閉まることになっている。僕はスッチーに「僕を待っているようANAに連絡を入れてくれ!」と頼んだ。パリまでのフライトが本当に長く感じた。早く到着しろ~。

ドゴール空港のターミナル2に着いた時は、東京便出発のわずか45分前だった。「地上職員が案内するからそれに従って連絡バスに乗るのよ。急いで。」とスッチーは一番先に僕を下ろしてくれた。きっと僕の名前のプラカードを持った職員が特別に案内してくれるのだろう。僕はその職員めがけて通路を猛然とダッシュした。僕を待ってる職員はどこだ~!

  が、いない。

そんな職員などどこにもいない。えぇぇぇ、話が通っていないじゃん。僕は乗り継ぎ失敗を覚悟した。東京便はターミナル1。ターミナル2とは恐ろしく離れている。ともかく「テルミノー アン(ターミナル1)!」と叫んでいると、こっちだと空港内の連絡バス乗り場を誰かが教えてくれた。

僕はターミナル1行きのバスを待つ。ところが来るのはターミナル2を巡回する連絡バスばかり。ターミナル1行きのバスは全然来ない。もう出発30分前だ。チェックインカウンターはとっくに閉まってる。僕は新年早々の欠勤を覚悟した。上司の顔がチラチラ浮かんでくる。嗚呼!

やっとのことで、ターミナル1行きのバスが来た。「DEPECHE VOUS!(ディペッシェ ヴー)(急いで!)」僕は運転手に向かって叫んでいた。

 運転手:「ムッシュー心配しなさんな。何時の飛行機?」
 僕  :「20分後に出発だよ。」

 運転手:「大丈夫、5分で着くよ。」
 僕  :「でもまだチェックインしてないんだ。」

 運転手:「まあ、落ち着いてムッシュー。そういう時はね。歌うのさ。」
 僕  :「はあ?」

 運転手:「♪~ Allons enfants de la patrie le jour de gloire est arrive ♪~ 」

なっ、なんと呑気な運転手は大声でラ・マルセイエーズ(フランス国歌)を歌いだした。そんな大声出したら他の客に迷惑じゃないか。あれ、このバス乗客は僕だけじゃん。ターミナル1と2を乗り継ぐ客はほとんどいないということか。どうりでバスの本数が少ないわけだ。ともかく連絡バスは制限速度の30キロでゆっくりと飛行場内のバスレーンを走っていった。

 運転手:「ほら、東京便が見えてきた。まだ飛んでないよ。じゃ気をつけてな。」

たしかに飛行機は飛んでいない。だが僕は未だチェックインしていないのだ。オーバーブッキングでもう空席がなかったらどうしよう。またもやダッシュして東京便の搭乗ゲートに向かった。

搭乗口の前は最終のX線検査で長蛇の列。ところでどこでチェックインすればいいのだ。職員に聞くとX線検査後のブース内だという。ここは大変失礼ながら横入りさせてもらいX線検査を突破。登場口カウンターにたどり着いた。

 僕  :「チェックインしるぶぷれ~」

職員は怪訝そうな顔で僕の航空券を見つめた。当たり前である。普通ここにはチェックインを終えてボーディングパスを持った乗客しかいないところ。チェックイン前の航空券を持った客がいるのは異例のことだ。

幸いなことに席は確保された。やっとのことでボーディングパスが手渡され、ともかくこれで欠勤前科2犯はまぬがれた。僕がようやくホっとできたのは出発のわずか5分前だった。

しかし●ールフ○ンスよ、どうして僕が乗るときはいつも遅延・欠航するのだ。今回だけは社名が特定できないよう伏せ字にしてやったが、次にやったら実名で書いちゃうからな、覚えておけ~!

社名はボカシを入れてやったぞ!●ールフ○ンス
社名はボカシを入れてやったぞ!●ールフ○ンス

=FIN=


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最終更新:2016年08月24日 10:44