【寒いぞ!冬のモロッコ旅】
第7話)ゲットしろ、2010年W杯モロッコ大会グッズ
《モロッコ旅行記|マラケッシュ|ワルザザード|ラバト》
マラケッシュの新市街にある観光局に向かって歩いていたとき、急に自然が僕を呼びだした。これはまずい。できればきれいなトイレを使いたい。おマクドがあるぞ。僕はコーヒーだけ注文し急いで用を足した。偶然立ち寄ったマクドだが、僕はここで今回の旅行で絶対ゲットしなければならないお土産を発見した。ここのマクドの店員は2010年W杯モロッコ大会のマーク入りTシャツを着ていたのだ。これだ!
2010年のW杯はアフリカでの開催が決まっている。モロッコをはじめ数カ国が立候補しているが、最有力は06年大会を一票差でドイツに譲った南アフリカ。つまりモロッコ大会は幻となる可能性が極めて高い。つまり2010年W杯モロッコ大会グッズはレアアイテムとなること必須である。これをゲットしなくて何のためにモロッコまで来たのか分からない。そんなレベルまで一気に僕の物欲は高まった。
さっそく観光局で「2010年W杯モロッコ大会のTシャツはどこで売っているか」と聞いてみた。
職員:「スークに行けばあるよ。」
そう言われてマラケッシュ滞在中、スークでW杯Tシャツを探しまくったが、ベッカムやジダンの偽物シャツは幾らでもあるのに、モロッコ大会Tシャツはどこにもない。
僕 :「どうしてないの?」
店員:「ああ、あれはオフィシャルスポンサー用だよ。」
偽物シャツ屋の親父にオフィシャルスポンサー用だよと言われても納得がいかない。だったら偽物でいいから造れ!根性ないぞ、親父!
ともかくマラケッシュでは見つからなかった。
首都ラバトへと移動した僕は、またも観光局を訪ね「モロッコ大会Tシャツはどこで売られているか」聞いてみることにした。世界的観光地のマラケッシュは観光局もツーリストでいっぱいだったが、ここラバトのそれは立地が大使館街にあることもあってかツーリストの影はまったくない。いやツーリストどころか職員さえ見当たらない。本当にここは観光局なのだろうか。
守衛が「ここだ」という部屋に入って暫く待っているととても偉そうなおじさんがやってきた。まずは無難な世間話から入る。
偉いおじさん:「おお日本からか、ようこそモロッコへ。」
僕 :「W杯モロッコ大会のTシャツを探しているのですが、、」
偉いおじさん:「おおそうか。でも日本人は偉い。まじめでよく働く。」
僕 :「はあ、でW杯モロッコ大会のTシャツは、、」
偉いおじさん:「まったくモロッコ人は働かないからなぁ、、、」
僕 :「そんなことより、W杯モロッコ、、、、」
偉いおじさん:「であんたは東京に住んでるのかい?」
僕 :「そうですが、それより、、、、」
ラバトの観光局はよほど暇なのだろう。めったに来ることのない訪問客が東洋からの珍客とあって、なかなか世間話から僕を開放させてくれない。やっとのことで本題に入ったと思ったら、、、
偉いおじさん:「あ、Tシャツ。スークで売ってるよ。」
あちゃー既にラバトのスークも探索済だよおじさん。結局ここでは有力情報はつかめなかった。
こうなったら方法はただ一つ。オフィシャルスポンサーのマクドに乗り込むしかない。僕はマックのラバト店に入りコーヒーだけ頼んでタイミングを見計らう。必死に頭の中で「僕は日本から来たツーリストです。土産にどーしてもモロッコ大会Tシャツが欲しいので売って下さ~い。」と仏作文した。そしてカーストの高そうな店員が出てきたところで交渉開始!
しかし、相手はマニュアルがちがちのマクドである。ルールにないことは「できません」と拒否される可能性が非常に高い。が、実行あるのみ!
僕は苦心の仏作文を祈る気持ちで唱えてみた。すると、高位カーストの店員はちょっと困った顔をした。しまった。交渉失敗か?ふと店内を見渡すと、モロッコ大会の小旗が飾られているのに気がついた。そうだTシャツは無理でも旗なら分けてもらいやすいハズ。
僕 :「あの旗でもいいです。」
位の高い店員:「ちょっとお待ちください。」
店員はマネージャーの所に相談に行った。これは光が見えてきたぞ。しばらくすると
位の高い店員:「旗なら差し上げます。」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお~!!!!
なんとタダでW杯モロッコ大会グッズをゲットである。うーんモロッコ・マクド万歳!見習えN本マクドナルド(株)!
僕は子供のように喜んだ。小旗一つでこんなに嬉しいのは●十年ぶりである。店員に礼を言ってしばらくすると、モロッコ人の家族連れが入ってきた。子供の客にはドナルドの小旗がプレゼントされ、子供は大喜び。
ありゃりゃ、なんだか自分を見ているようで気恥ずかしいなぁ。
最終更新:2016年08月24日 10:43