【初めてのアフリカ-セネガルの旅】
第6話)大統領に謁見する?
《セネガル旅行記|ダカール|チエス|エールアフリック》
ダカールで2泊したのち、ちょっと郊外のTHIES(チエス)という田舎街に行ってみた。セネガルには日本のような長距離バスは存在しない。タクシーブルースと呼ばれる乗合タクシーがメインの交通機関である。
ダカールの長距離タクシー乗場に行くといつのまにか客引きにつかまり、 とあるタクシーの中に拉致されてしまった。
THIESに着くとぼくは悲しいアフリカの現実を見てしまった。タクシーを降りるなり、片手に空缶を抱えた物乞いの子供たちに囲まれる。本当にみんな薄汚い格好をしているゾ。でも残念だけど、僕にはどうすることもできない。
広場の真ん中では、屋台が並んでいる。朝からなにも食べていない僕は、ここでコーヒーとサンドイッチの朝食をとる。もちろん、物乞いの子供は入れ替わり立ち代わりやっては来るが。。。
でも、少し救いも見たような気もした。現地の人はサンドイッチを全部食べず、少し残して、子供たちに与えていた。ささやかなアフリカ式社会福祉なのだろうか。サンドイッチを全部食べきってしまったことを、僕は少し後悔した。
THIESの街は並木通りの美しい静かな街である。ただ今でも馬が主力交通機関なので、ちょっと馬糞の香りが漂ってはいるのだが。。。
こんなプリミティブな街だけどインターネットカフェが2軒もあったのは超驚きである。
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夕方、駅の方で、太鼓の音がするので行ってみた。楽団がトーキングドラムで激しいリズムを打ち鳴らし、着飾った人々がどんどんやってくる。お祭りだろうか?
僕 :「何があるの?」
村人A:「大統領がおらが街にやってくるのさ」
僕 :「大統領はどこからやってくるの?」
村人B:「列車でお出ましになるのさ」
見ると、ホームの一角が飾られていて、街のお偉方が鎮座している。街中の人がますます集まってる。太鼓の音が気分を盛り立て、何かロックコンサートのようだ。楽団の演奏に合せて見事なダンスが始まった。すごい熱気だ。
楽団とダンスは延々と続く。でもセネガルのWADE大統領を乗せた列車は表れない。
2時間はたっただろうか、ますます人々は熱狂してきた。ホームは押すな押すなの大混雑。ここまできたらぜひ大統領を見てみたい。しか~し、炎天下で待っているのはもう限界だ。
根性のない僕は、6時半ごろ宿に帰ってシャワーを浴びた。蛇口をひねったその瞬間であった。駅の方から大歓声が聞こえた。大統領が来たのだろう。僕は少し我慢が足りなかったようだ。
夜、宿のおじさんが話しかけてきた。
宿のおじさん:「今度お前の国の首相がセネガルにくるってよ。」
僕 :「えっ本当?」(僕は全く知らなかったが本当だったようだ)
宿のおじさん:「お前の国の首相の名前はなんて言うんだっけ?」
僕 :「えっ、えーっと。」
どーしても思い出せない僕。答えられないのは悔しいので答えておいた。
僕 :「えーと、誰だっけ」
僕 :「うーん」
僕 :「あっ、マキコ・タナカでいいや!」
最終更新:2016年08月27日 16:15