【初めてのアフリカ-セネガルの旅】
第2話)ああ、ダカールは遠い
《セネガル旅行記|ダカール|チエス|エールアフリック》
翌日12月31日、予定の10:00にバおばちゃんと待ち合わせてエールアフリックのカウンターに行く。チケットが配られた。配られたそのチケットには「FRENCH RIVIERA」とある。えっ! また遅れるのか!
僕 :「ダカール便、今度も遅れるんですね」
バおばちゃん:「ダカール便にゃ乗れないってよ」
僕 :「えっ!!」
バおばちゃん:「アビシャン便だとさ、そこからダカール便に乗りかえだと。
ダカール到着は夜中だね。」
アビシャンはコートジボワールの首都である。なんでダカールに行くのにコートジボワールに寄らなければならないのだ。まったくアフリカの航空会社ときたら。。。
11:00出発予定のアビシャン便は14:00になってやっと出発した。途中ブルキナファソとか言う国のワガドクなんてところに泊まり、アビシャンに着いたのは夜の10時を過ぎていた。本当はダカールに着いている時間なのに、ここから今度はダカール行きに乗り換えだ。
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ところが、いつまでたってもそのダカール行きRK875便の搭乗手続きは始まらない。
(間抜けなチャイム音): キンコン、カンコ~ン♪
場内アナウンス :「アタンション、シルブプレ。ダカール行きのお客様」
おっ、いよいよ搭乗のアナウンスだな、僕は期待に胸を膨らませる僕。
場内アナウンス :「ダカール行きのお客様。素敵な食事をお楽しみください。」
僕 :「えっ、今 "食事" って言いましたよね」
バおばちゃん :「ダカール便、また遅れるねー」
場内は諦めからか、妙な拍手が巻き起こる。やれやれ、一体いつダカールに着くというのだ。
というわけで、ダカール行きのご一向様は空港の一階の倉庫みたいなところに案内される。そこは急ごしらえの食堂になっていた。多分いつもは現地従業員の食堂かなにかなのだろう。むろん冷房などない。出された食事は機内食であった。
食堂に向かう途中バおばちゃんが悲鳴を上げた!
バおばちゃん:「ムッシュ-、助けておくれ、荷物が重い!」
おばちゃんは手荷物も相当重かった。パリの空港ならどこでもあるエスカレーターもアフリカの空港には少ししかない。むろん従業員食堂へなぞあるはずもない。結局このあと僕はバおばちゃんの荷物係となってしまったのだった。やれやれ。
やがて、12月31日も終わる。新年3分前にもなると、アフリカ人たちが免税で買い込んだシャンパンを開け始めた。
「BONNE ANNEE ボンナネ (新年おめでとう!)」
「BONNE ANNEE ボンナネ (新年おめでとう!)」
あちらこちらで21世紀を迎える祝いの言葉が飛び交った。僕にも少しシャンパンが振る舞われる。アフリカ人たちは底抜けに陽気だ。いつしか、ダカール行きの一向には不思議な一体感ができていた。
こうしてアフリカの空港の待合室で、僕の21世紀は始まった。
だが、ダカール便はまだ飛ぶ気配がない。ダカールへの道は遠い。
最終更新:2016年08月27日 16:16