【お正月はハ○イにキマリ?-海南島の旅】
第7話)人食い魚のいる温泉
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海南島の三亜はビーチリゾートであると同時に、温泉資源も豊富なエリアだという。僕は何かでこの辺りに魚が人間を治療する施設があると聞いていたので、藍天旅舎の受付に訪ねて見た?
「ドクターフィッシュが居るところに行きたいのだけど?」
「ドクターフィッシュ? ああフィッシュセラピーね。 だったら南田温泉よ」
「南田温泉?」
「そうよ、いろいろな温泉があるわ。明日ツアーがあるからあなたも参加したら。一人238元よ」
238元(約3,430円)は今回の旅最大の出費で、かなり躊躇したが、お金は経験を買うために使うものだと自分を納得させ、ツアーに申し込んだ。
翌朝11時、ツアーは出発した。イギリス人のジョンとフィンランド人のカーラが同行者である。
「何時ごろまで温泉にいる?」とジョンが尋ねるので、「そのときの気分しだいでいいんじゃない」と僕は答えた。「そーだね」と一同納得。東洋のハ○イでは旅行者もお気楽者ばかりだ。
40分ほど車に揺られて、一行は「南田温泉接待中心」に到着した。
ここは日本の「温泉」のイメージとはちょっと違う。屋外に大小たくさんの温泉プールがあるサマーランドみたいなところだ。無論水着着用であるぞ。
椰子の木の茂る敷地には、花びらを浮かべた「鮮花泉(Fresh Flower Spring)」、ほんのり薫る「珈琲泉(Coffee Spring)」、ほろよい気分の「香酒泉(Fragrant Wine Spring)」 などなど、趣向を凝らした様々な温泉が20以上あり、とてもじゃないが一日で全ては体験できない。
しかし、ここの主役はなんといっても「魚療泉(Fish Therapy Spring)」である。一行は恐る恐るこの未知なる世界に体を沈めた。
魚療泉(Fish Therapy Spring)に浸かる観光客たち
この温泉の中には確かに小ブナのような小魚がうじゃうじゃ泳いでいる。そして温泉につかってじっと体を静止していると、妙に体がくすぐったくなってくる。そう、小魚ちゃんたちがオイラの体の余分なモノをついばんでいるのだ。
このくすぐったさをなんと表現したらよいのだろうか?今まで経験したことのない軽やかなくすぐったさなのだ。それも未体験の同時多発攻撃である。うっひゃー、気持ち悪いようで気持ちE!
ジョンなどは「Oh! Man-eating fish!!(人食い魚だぁ!)」と大はしゃぎである。
しかしこの小魚ちゃん、大変デリケートな神経の持ち主のようで、こっちがちょっとでも動いて、水流を起すとたちまち散ってしまう。従って気持ちよくマッサージを受けるには、ひたすら動かずじっとしている必要がある。
そしてしばらく動かないでいると体中を小魚が覆って、僕の余分なところを食べている。ああ僕の体って余分だらけだったのね、と少し情けなくなる。
それにしてもこのビジネス、客がお金を払ってお魚ちゃんのエサにもなってくれるなんて、経営者にしてみたら随分オイシイ話じゃないだろうか、などと思っていたら、おやどうした、一匹の無謀な小魚が異常な行動に出た。何と、オイラの海水パンツの上から大事なところを攻撃し始めた。
オイこら!小魚。そこは余分なところではないゾ! やめて~。
小魚温泉-そこは東洋のハ○イならではのパラダイスであった。
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最終更新:2016年08月27日 08:46