【お正月はハ○イにキマリ?-海南島の旅】
第6話)炒めた氷?
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東洋のハワイと呼ばれる海南島。しかし曲がりなりにもハ○イといえるのは、島の南側の三亜を中心にした辺りである。市街に近い大東海のビーチでは、金持ち人民たちがジェットスキーやパラセイリングを楽しみ、シーサイドには小洒落たレストランが立ち並ぶ。絵的には十分ハワイと言えそうだ。
しかし、ビーチに流れる音楽がテレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」であることが、ここが「ハワイ」でなく「ハ○イ」であることを実感させてくれる。-嗚呼アジアの歌姫は偉大なり。
海岸通りにはフルーツ屋台が溢れてる。マンゴ・ライチー・パパイヤ・等々。天秤に果物を抱えて小売にいそしむおばちゃんたちはベトナムでよく見かける三角帽子を被っている。いや待て、おばちゃんたちはベトナム系なのかも知れない。海南島の位置する場所は、ほとんどベトナム沖と言ってよい。ベトナム民族が移住していたとしてもおかしくはない。
そんなエスニックな薫り漂うフルーツ屋台の一角で、僕は妙な文字を発見した。
「炒氷」
屋台にはそう書いてあった。え"、これって「氷」を「炒める」ってことかい? 溶けちゃうじゃん。何を考えているのだ人民よ。
よく見るとその屋台には「炒氷8元(約\115)」と値段が表示されていた。大した金額でもないので頼んでみる。すると店員が
「マンゴ? バナナ? パイナップル?」
と果物の種類を選ぶよう聞いてくる。
「バナナ&マンゴ プリーズ」
と答えると、店員はおもむろに生の果肉とミルクをミキサーにかけシェイクする。おいおい、オイラが頼んだのは「炒氷」であって「フルーツシェイク」ではないぞ。いったい何をするつもりなのだろう?
やがて店員はそのシェイクを鉄板の上に注いだ。そして鉄板に電源を入れ、金属のヘラを取り出し、シェイクの液を炒めだした。アララ、そんなものを炒めてどうする。煮詰まっちゃうじゃないか。
しかし、ここでシェイクの液は常識では考えられない科学反応をするのであった。みるみるドロドロの液が固まっていくのである。
「ナンじゃこりゃ」唖然とする僕の表情を察したのか、店員は鉄板に触ってみろと指さす。
「冷たッ!」
もうお分かりであろう。電源は鉄板を急速に冷やすためのものだった。冷たい鉄板の上で「炒」められたフルーツシェイクは、見事に100%天然素材の高級アイスクリームと化したのだが、その調理の様はまさに何かを「炒」めているかのごとくである。
フルーツシェイクは「炒」められて、見事アイスとなる。
こんなものが本物のハワイにあるかどうかは知らないが、ハ○イの「炒氷」に僕は5つ星を進呈したい。パチパチ。
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最終更新:2016年08月27日 08:49