【お正月はハ○イにキマリ?-海南島の旅】
第3話)五公祠(ウーコンチ)で初詣
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海口は海南省の省都で、かなりの大都会である。しかし、街中の見所は限られていて、せいぜい昔の偉い人を祀った海瑞墓と五公祠ぐらいのようだ。
海瑞墓を訪れた後、五公祠に向かった。移動は市内バスである。ありがたいことに中国の市内バスはバンコクなどと違ってバス停に名前が付いている。またバスの中にも路線図が掲出されているので、昼間であれば停留所の名前を追っていけば、乗りこなすのはそれほど難しくない。
入場料20元(約290円)を払って五公祠の中に入る。境内はいかにも中華風のつくりでるが、植えられた椰子の木が南国であることを思い出させてくれる。
紅色の壁の本道の奥には5人の偉人が祭られ、地元の信者たちが熱心に線香を上げている。僕も10元(約140円)の賽銭を入れて、無病息災・天下泰平・商売繁盛・人類みな兄弟、を祈った。しかし、わずか10元で祈願することが多すぎたせいであろうか、英語の出来る係員に呼び止められた。
「カムヒアー。」
と言われるまま本堂の傍らに向かうと、そこには占い師らしきオジさんがニコニコと待ち構えていた。そして係員はなにやら記帳を広げて言った。
「ここに名前を書いてくれ」
とりあえず僕は自分の名前と住所を漢字で書く。
「おお、日本からか。サンキュー フォー ユア ドネーション」
「ドネーション(寄付)!!」
そう言い返した直後に記帳を見る。すると住所・氏名欄の後に続いて何かを記入する欄がある。僕はすぐさま他の人がその欄に何を記入したのかチャックした。そこには100とか200とか、中には500とか言った数字が並んでいた。
しまった賽銭額の記入欄だ。
もはやメンツ的にここに「10」などと記入できる雰囲気ではない。しかたなく「100」と記載する。その数字を確認すると占い師は何やらブツブツ呪文を唱え、再び線香を上げるよう僕を促した。
本当はさっき10元を賽銭で入れてるから、90元だけ入れればツジツマは会うのだが、流石にここでそれはセコすぎる。
ともかく予定外の100元(約1,440円)が賽銭となった。コレは僕史上もっとも高額な賽銭かも知れない。どうやら五公祠の係員の絶妙なタイミングに完敗してしまったようだ。
一通りお参りを済ませ、五公祠敷地内の茶店で一服する。周りは大勢の人民たちが中国将棋やらトランプで遊んでいた。随分普段着な感じでくつろいでいるなと思ったら、この茶店、外部からそのまま店の中に入れる事がわかった。つまり入場料を払わなくても、茶店に入るふりして素通りすれば、五公祠の中にタダで入れたのだ!!
これで今日の損失感覚は、賽銭代100元に加えて入場料20元が加算され、総額120元(約1,730円)に跳ね上がったしまった。
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最終更新:2016年08月27日 08:45