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9月19日開催「『8bit年代記』発売記念 ゾルゲ市蔵先生トークショー&サイン会」取材レポート
ゲーム専門誌「ゲームサイド」で連載中、ゾルゲ市蔵の描く、ゲーム黎明期を振り返るコミック「8bit年代記」の単行本が9月19日に発売された。これを受け、同日、秋葉原・書泉ブックタワーにて氏のトークショー&サイン会が開催された。
 ほぼ満席となった会場には、同著もしくは同氏の熱心なファンがつめかけ、なごやかかつ温かいムードのもと、1時間のトークと、かなりの長時間に及ぶファン一人ひとりへのサイン会が行われた。

 当日のイベントは、気温も高すぎず低すぎず、ほどよい気候に恵まれて行われた。約3年前、「ゲームサイド」誌のリニューアル創刊に合わせて行われた同会場でのゾルゲ市蔵氏のサイン会は、あいにくの悪天候(雷雨!)となってしまっていたのだが、今回はそんなこともなく、定刻の10分前には、お客さんが順調に会場入り。14時ちょうど、トークショーはスタートした。

 まずは司会から、会場への挨拶。おそらくは全国から集まってくれたお客さんに感謝の言葉を述べた後、イベントに関する注意事項が読み上げられる。


ゾルゲ市蔵氏はサングラス姿で登場。入場と同時に大きな拍手が起こった。本当に客が来るのか本人も不安だったようで、ほぼ満員の客席に、安堵した表情を見せる。

 そしてトークショー開始。まずは山本編集長から、「ここにいらっしゃる皆様やファンの方々も気になってるんじゃないかというところから話してゆきたいと思います。まず僕の個人的な疑問ですが……」として、「ペンネームの由来は?」との質問からスタート。

ゾ ご存知の方もいらっしゃると思うんですけれども、25、26の時かな、突然コミケに行ってエロ本買いたくなったんですよ。そこに未知のエロがあるということで、ちょっとこれはエロ本買いに行かなければならないと。


 横着なので並ぶのが嫌、並ばずに買うとなれば、自分で作らないと(出展者にならないと)いけない――というのが、最初にペンネームというものを使用する動機だったとか。


ゾ その時に作ったのがバーチャルボーイの本で、その後いろいろあって今につながるんですけれど、「ゾルゲ」という名前の由来は、知り合いに付けてたあだ名です。勝手にもらってきました。すいません。

市蔵っていうのは、ゾルゲだけだとあれなんで、宮沢賢治の「よだかの星」のよだかが「名前変えろ」って言われて市蔵にしたというのからです。でも「よだか」から「市蔵」はないだろうというそのギャップがね、面白かったんでもらいました。

 「ゾルゲ」と「市蔵」それぞれに実はそれなりに由来があった。

 続いての質問。

編 今まで、発狂系といいますか、なかなかほかの方では描けないような作品を発表されてきた中で、今回の「8bit年代記」は相当真剣に取り組んでらっしゃる印象がありますが、執筆に取り組まれようと思ったきっかけなどをお聞かせください。


ゾ 端的に言うと、連載切られるんじゃないかなと(笑)。こんな妙な漫画ばっかり描いていたら、連載切られるんじゃないかなと思ったのが、大きな理由のような気がします。編集長が替わるたびに「あの漫画何とかしろ」って言われて、そのたびに多少心を入れ替えて真面目に描いてみるんだけど3号もたなくて、というのが多かったんですけど、今回は徹底して真面目に描いてみたら割と手ごたえがあったので続けてみた、というのがあります。

ちょっと真面目な話をすると、これを描き始めた頃がゲームがちょっと元気なくなってきていた時期だったんですよ。そういった時代になると、ゲーム全体を俯瞰して語っておく作品がないといけないかな、と思ったのもあります。

先に言っとくけれども、俺は別にそういうタマじゃないよな。器でもないし。でも描き始めた時は、それを描く人が特にいなかったみたいなんで、これ幸いとかじゃなくて、一応歳だけは食ってるから、描くとそれなりに出るものもあるかなと思ってはじめたというのもあります。

でも実際始めてみたらすぐに「ピコピコ少年」っていうすげえ面白いマンガが始まってね。読んでみたら「俺のはいらねえ」とか思うようになっちゃって(笑)。まあ(作中の時代背景が)10年ぐらい先行してるから、こっちもあっていいかなと。

 「俺の本の半額ぐらいの定価だから買ってもいいかもしれない」と、他作家のPRも始めたゾルゲ氏。「ピコピコ少年」は確かに名著。オススメです。


編 そういった経緯で始まった「8bit年代記」ですが、今までと作風が違いますので苦労したり、苦悩された部分というのはあるんじゃないでしょうか。



ゾ 一番大きかったのは、ギャグを入れずに10ページ以上描いたことがないという素朴なのがありましてね。ひたすら絵を発狂させたくてしょうがないんだけども、ここで狂ったらみんな怒るだろうなというのをずっと続けて描いてました。


編 でも途中でコピー&ペーストが炸裂してますよね。(第六回「ゼビウスの衝撃」)


ゾ そうですね。あの時はみんなが「つまんねえ。もっと狂え」っていうから「分かったよ、やってやろう」と思ってやったら、みんなもっと怒ったという。

 「発狂した原稿をメーカー校正に出す編集部の心境もなかなか……」と、やや愚痴が入る編集長。


編 大体メーカーさんに「こんなふうに写真使いました」って言ったら絶句されるという。


ゾ あれが一番の醍醐味っていうかね。よくあれ通るよなといつも思うんですけれどもね。『ゼビウス』を紹介しますって言って、あんな気が狂ったもの描かないよな。


編 まず水木しげる風の絵にはなりませんよね。


ゾ 一応きれいに落とすとさ、今どきネットがいくらでもやってるから、みんな知ってるでしょ、ググれば出てくるし。だから何とかググっても出てこないような、出てくるわけないんだけど、あんなのは(笑)。あれ本当によく遠藤雅伸さん帯書いてくれたよな、と思います。

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最終更新:2012年01月07日 19:16
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