セガガガの音楽について、まず特徴的なのは、いわゆる「ライトモチーフ」を全面に押し出した曲構成であろうと思われる。
これは映画では「七人の侍」、ゲームでは「レイディアント・シルバーガン」などで有名なもので、いくつかの特徴的な主題を基本として、これを様々に展開して行くことで、音楽をより強く観客に印象付ける手法である。
一過性で緩急の激しい映画などと違い、時に数時間にもわたって、同じ曲を何度も繰り返し聞くこととなる家庭用ゲームおいては、様々なメロディーが漫然と流れるより、このライトモチーフを主体とした音楽設計こそが極めて効果的である。
・・・と、ここまでナケナシの頭脳で考えた私が、当初金子さんに強くお願いした部分なのだが、核となる主題が限られているということは、うっかりすると展開させるネタが尽きて、ただのワンパターンに陥りかねないわけで、よほどの音楽的蓄積が必要となる。
しかし、本来がゲーム音楽専門でなく、歌謡曲畑で鍛えられた金子さんは、「セガガガ・マーチ」「ヒロインのテーマ」「ドグマ社のテーマ」など、ごく限られた主題を元に、本当にこれでもかこれでもかとばかりに、無限のバリエーションを披露して見せ、この難題に見事応えてくれた。
エンディング曲「いつか会えたら」の伴奏に巧妙に織り込まれたヒロインのテーマなど、まさにこのサウンドトラック一番の聴き所と言えよう。
さらに、ディレクターとして実際の細かなサウンド仕様を担当してくれた鈴キ(鈴木)さんが、バンド出身ということもあって、私のいいかげんな要望をはるかに超えた、マニアックかつ細かい仕様を出しまくり、それに金子さんが逐一応えまくるという応酬を行った結果、世にも珍しい「ドラムリフのレベルアップ音」、ゲーム中数回しか登場しないのに、異様なリキの入った「ラマンのテーマ」「デプロのテーマ」など、本来のライトモチーフ的構成から言えば逸脱した要素が次々加わったことも見逃せない部分である。
というのも、それが結果的に、この「セガガガ」というゲームの、「世間から何か逸脱した部分」を、図らずも体現する効果を産んでいるからであって、ゲームと音楽のバランスにおいて、これぞまさに絶妙のスパイス、林檎と蜂蜜トローリとろけてヒデキ感激!となっているのである。
えー、慣れないのに小難しいことを書き連ねていたら、だんだんおかしくなってきたので、能書きはこれくらいにして、後は各曲に対して、私からの簡単なコメントを加えさせていただくこととしよう。開発大首領 ゾルゲール哲
ゾルゲール哲 [セガガガ 開発大首領] 言わずとしれたセガガガの生みの親、ゲーム開発大首領にして、漫画家でもある謎の覆面の人。現在ヒットメーカーHPにて「ゾル漫」を好評?連載中! |