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(観覧不可、Internet Archiveで観覧可能)

4回にわたりお送りしてきた『俺とセガガガ』も
「セガガガ」が無事?発売された今週が最終回。
とりは、もちろんこの人ゾルゲール哲氏
というか、やはりいろんな意味で(笑)この人じゃなきゃ
「セガガガ」は創れなかったな~とか思う。

[VIP 004]  セガガガ開発大首領 ゾルゲール哲
セガガガ開発大首領 ゾルゲール哲
92年セガに入社。旧第3AM研究開発部に所属。ディレクターとして、集英社と制作したアーケードゲーム「ドラゴンボールV.R.V.S」を制作。赤外線センサーを採用し、体動かしてかめはめ波とかを出すという何か凄いゲーム。)でも、会社に莫大な損害を与える(涙)。その後も色々アーケード作ったり~(略)~2年前より「セガガガ」の開発に着手。笑いだけとってお金がもらえなかったプレゼンに始まり~(やっぱ略)~そんな苦労を重ねてとうとう完成させた!そして今!「セガガガ」にて大リベンジを狙う!!ちなみに覆面開発者は漫画もうまい。まあいいや。それではゾルゲさんどーぞ。

えー、とうとう何を間違ったのか、製作者であるこのゾルゲール自身が最後にしゃしゃり出る羽目になったわけであるが、こんにちは。
製作者としての「俺とセガガガ」を語れというわけだ。
まあ、これはこれで、なかなかない機会と思われるので、その機会を与えてくれた笹原君と山田君に感謝しつつ(ありがとう)、これまであまり語ってこなかった部分をちょっと書いてみようと思う。

なお、言いようが不遜なのは、あくまで演出上、「仮面の製作者ゾルゲール」としての体面を保ちつつ書く必要があるためなのでヨロシク。

このセガガガというゲーム、一応の目的は、皆様ご想像のとおり、「ゲームの中で、落ち目のセガを業界ナンバー1にしよう!」というものである。
しかし、これもだいたい皆様ご想像のとおり、作っていてこれほど胸が痛い内容のゲームもない。
なにしろ現在のセガの有様ときたら、あえて書くまでもない。
「そんな夢を見てるヒマがあったら、マジメに現実のゲームを作って、現実のシェアを何とかしろ!」と、物を投げられそうな状態である。
舞台となるゲーム業界の様子にしても、現場を知る一人としては、どうしても「避けて描かないわけにはいかない」みたいな部分があるわけで、するとこれが必然的に、自虐的な内容に傾かざるを得ないのである。
「こうじゃないだろ!業界ってのは、もっとこう・・・」とか言って、上がってきた脚本をより痛々しく修正しながら、「・・・じゃ、なんでオレって、こんな所で仕事してるんだろう?」と、さらに痛い自問をすることしきりである。
「セガガガ」はそもそもメタフィクション的な内容であるが、製作者の側にとっても、現実と虚構は次第に渾然一体となって、気軽に楽しくゲームを作っているはずが、いつしか「ゲーム製作者としての自分自身のありようとは・・・」みたいな、えらくシリアスで深遠な問題に向かい合わざるを得なくなってしまうのである。

実際われわれは、なぜゲームなんぞを作っているのだろう?

人それぞれには違いないが、あるいは趣味と実益、あるいは生活の糧、あるいは野心や打算、あるいは理想と情熱、あるいは成り行き、そしてあるいは、それら全てが、歪んで奇妙に混ざり合った、創作への衝動のためにか?

こうやって書いているといかにもカッコいいが、なにしろゲーム内容は、ひたすらバカ一直線なパロディ路線なだけに頭が痛いのである。

結局、ゲームが完成してしまった今となっても、この問題に答えが出せたとは思えない。(出てたら今ごろこんな文章書かずに、インドあたりで悟りを開いてるしな。)

ただ、ゲーム中に何度か聞くことになると思う「ゲーム屋の心意気」というキーワードと、その周辺の物語に、少しでもその煩悶の跡を、そして20世紀の最後の10数年を、ゲームというものに捧げた、様々な人間達の「想い」のようなものを、これからプレイされる皆さんが感じてくれれば、ゾルゲール、これ以上の喜びはない。

なお、こうやって書いていると、まるで最後にニッコリ笑って自殺でもしそうな文章になってきたが(しないよ)、2年近く苦楽をともにした製作スタッフのみなさん、ディレクター・プランナーの鈴木さん、プログラマーの新井さん、岡橋君、宮脇君、壬生君、嶋崎君、デザイナーの小林君、成沢さん、神林君、平井君、斎藤君、サウンドの金子さん、シナリオのウブさん、岡安君そして、米田さん、香川さん、内藤さん。

この場を借りて改めてお礼を言わせて欲しい。
本当にありがとう。

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最終更新:2010年09月04日 14:45
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