B.あとがき

この小説にはポジとネガが混在しています。

人によっては納得できなかったりすることもあるかもしれません。
しかし、何が正しくて何が正しくないとか、
意図はどこにあるのかだとかそういうのはどうでもいいことです。
そんなことをはっきりさせたくて自分は感情をぶちまけたのではありません。

賛成も反対も必要ありません。
誰が怒って誰が喜んで誰が悲しんでいても、もはや興味ありません。
自分が「どんな感情を元に小説を書いているのか」ってことを
ただただはっきりとした言葉にしたかっただけです。
全ては過去のことです。
水に流すか溜め込んでからぶちまけるか。
その違いがあるだけなんです。


この物語は、「みんなが顔を上げる」をテーマ(ゴール)として始めた物語でした。
どれだけヴィクターが月でサンライトハートを輝かせようと、
みんなが俯いたままでは、その輝きに気づきもできず、
ピリオドは決して迎えられないからです。
重ねて言いますが、このビフォーピリオドの物語の狙いは、
「みんなが顔を上げる」という一点のみにありました。

それは、言ってしまえば、十話もあれば纏まるテーマです。
自分自身、どれだけ話を広げても30話あれば纏まると、
開始当初は考えていたぐらいに、やりたかったことは至ってシンプルでした。
それがどうしたことでしょう、いや本当に。
最終話までの話数はともかくとして、終盤は増文を乱発しましたし、
実質の文量で言えば60話ぐらいは書いたんじゃあないでしょうか。
つまりは、当初の目論見の倍かかってしまいましたわけです。

「やれることはとにかくやる」というサブテーマを掲げたことも大きいとは思います。
でもそれ以上に「やらなきゃ終われない」ことが大量にあったからでもあるわけで。

気がつけば大風呂敷は限界突破して広がっていました。
幾度として、逃げの発想がよぎったかわかりません。
頭ひりすぎて、何度、頭のブレーカーが落ちたかわかりません。
誤字が多いのは、一話書き上げるごとに脳がパンクする状態に陥っていたからです。
直しをする度に、脳がパンクして、いつまでたっても直しが終わらない。
それでも必死に直してアップして、残った誤字に気づく。
直しで生まれた新たな誤字に気づく。そんなんばっかしてました。
そんな状態て、自分でも、頑張り過ぎだろってぐらいに、
できることをやらずにはいられなくなっていました。

言っちゃえば意地だったんでしょう。

世の中、それこそネット上には数多、未完成の小説は転がっています。
何度、逃げようか、みかんのまま放置してやろうかと
そんな考えが頭をよぎったかマジでわかりません。
数えてみれば25万字を超える量のようで。
卑下すれば「なにそんなことに本気になっちゃってんの」その他、
罵詈雑言正論を吐かれても仕方のないぐらいに、
しかもとにかく狭いゾーンをとにかく突いた小説。

それはとても孤独で、イッサイガッサイ「金にならない」作業でした。
ていうかあれだけ引用の名を借りた無茶をやりまくってますし、そもそもが二次創作です。
言ってみるまでもなく確実に『負ける』代物です。

でも、ですよ。
例えばの話、いいえ現実の話として。
著作物が既にあるからって、その言葉を自由に使うことが出来ないのって、
それは絶対におかしいと思うんですね。
歌詞に唄われた言葉は、
それにそぐう場面で歌われてこそ価値がでる言葉なんじゃあ、ないでしょうか。
そしてもうひとつ。
心に残った詩は、それが深く刻まれるほどに、自分の一部になっていきます。
なのに、自分の一部であるはずの言葉を自由に使えないなんて、
俺はそんなん、いやなんですよ。

だから、躊躇いとか振り払って、できることを全てやりました。
和月先生の「面白い!と思ったコトは全てやります」の言葉に勝手に勇気もらって、
躊躇いとか振り払って、できることを全てやりました。

自分でも未熟な部分は多いと自覚しています。
仕上げの段階で、どうしてもプロの仕事と差がついていることも自覚しています。
何度も、校正を人にお願いしようかと思いましたが、
最後まで、とりあえず物語にピリオドを打つまでは
自分で、自分だけで頑張ろうと思ってここまできました。


自分にとって、大切な物語をこうして書き上げることができたことにまず感謝を。
大切にしたい思いをはっきりと、何回も言葉にすることができたことに喜びを。

何年かしたときに、笑ってこの物語を読み返したときに。
今はまだ言葉にできない感情とかを、
はっきりとした言葉にできるようになれていますように。

ありがとうございました。
武装錬金ビフォー.
これにてピリオドです。


ありとあらゆる思い入れを込めて。
最終更新:2010年12月12日 22:18
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