初心者の初心者による初心者のためのD&Dの会in東京

DMレポート@ジノ卓第一回

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A卓「魔術師エリクシの迷宮」DMレポート

キミ達はダンジョンの前にいるから始まる洞窟探検物です。
とはいえ、本当に原始的なハック&スラッシュでは引いてしまう初心者がいないとも限らないし、ある程度「どんな冒険になるのか?」が分かっていたほうがキャラメイクで迷わないので、キャラ作成前に以下の導入を行い、プレイヤーに情報提供をしました。
  • (植埜)やっぱりD&Dはダンジョンですよね

導入

トーチポートから100kmほど離れた町、カルカス。
酒場でパーティ一行が次の冒険ネタを探していると、貴族と思われる身なりの良い初老の男が、慌てた様子で駆け込んでくる。
右手には、なぜか金の鳥かご、そして鳥かごに入っているのは小さな(10cmぐらいの)ご婦人?
  • (植埜)ここでスターウォーズのレイア姫登場のシーンを思い出しました

「誰か!このかごから奥様を出せるものはいないか!」

パーティの一人が呪文学に成功すると(「後で〈呪文学〉か
リードマジック取ってよね!」)鳥かごからご夫人を解放するコマンドワードが分かります。

「ありがとう!城にいた3人の冒険者はこの鳥かごの秘密をとけなかった!あなたがたは本当の冒険者に違いありません」
「お願いです。娘達4人が、オークに鳥かごに閉じ込められ、町外れの洞窟に連れ去られてしまったのです。謝礼は十分に払います。娘達を取り返してきてください」

ご夫人は、領主の奥方だったのですね。
初老の男は大臣。ダンジョンについて以下の情報を提供します。

「あのダンジョンは、先々先代の弟である魔術師エリクシの住居跡です。いまではモンスターの巣になってしまいましたが、今でも物騒な仕掛けが残っており、住民は近づきません」
「そういえば、7日後はエリクシの生誕200年ですね…なにやら嫌な予感がします」

DMはここでぶっちゃけます。
「つまり、このシナリオの制限時間は7日!ダンジョンは町の中!怪我したら宿に帰って寝る!」

あと、選択が結構難しい、言語と技能についてもシナリオ推奨を提示。
言語:竜語、火界語、地界語、水界語、オーク語、巨人語、奈落語

おとなしく言語を選択する初心者と、言語からモンスターを想像してげんなりする経験者。
  • (植埜)奈落語、ってのがびびりましたけど、あとであのシーンで、なるほど、と(笑)

キャラクター誕生

わいのわいのいいながら、1時間半ぐらいで以下のキャラクターたちが誕生。

ハンドル キャラ名 種族 クラス 性別 年齢
216 ニイロ ハーフリング ウィザード 25
ダルトン ハーフリング ドルイド 23
hjPL グラール ハーフオーク バーバリアン
ビギナー マルコ 人間 クレリック
植埜 グリム 人間 バード
オオクボ オライオス 人間 ローグ 24

  • ハーフリングの術者が二人!
  • 前衛が1人しかいないよ!

とまあ、色々不安を抱えつつ、ダンジョン突入
  • (植埜)バードは初めてやってみましたが、大変好きになりました!

最初の遭遇

ダンジョンに入って早速マスターからオライオスに〈視認〉要求。
達成値24とか出したオライオスは、通路の曲がり角からコッソリ〈隠れ身〉でこちらをのぞいているオークを発見します。
さあ、どうする?

「みんな!オークがいるぞ!」叫ぶオライオス。まあそうか。戦闘開始。

オークは撤退しつつ、第二グループとの挟み撃ちを狙いますが、プレイヤーは慎重にじりじりと前進します。微妙に膠着状態になったタイミングで、バードのグリムから、
「増援がきたと思わせたいです『おーいみんな、こっちだー!』とかはったりで」

DM承認して対抗ロール。グリムの出目も良く、ひっかかるオーク、さてどうしよう?
「こっちだって伏兵がいる!おい、出てきてくれ!」
  • (植埜)けっこうわらわら出てきたんで、いったんオークどもを引っ込めようとしたんですが、逆になってしまいましたね^^;

オーク8体がパーティに襲い掛かりますが、ここでグラールのグレイブ+《迎え撃ち》が猛威をふるいます。
グラールの敏捷は14、すなわち3体までの敵に機会攻撃が可能なのです。
通路中央で頑張って、突撃してくるオークを毎ラウンド3体づつ真っ二つにしていきます。
  • (植埜)間合いのある武器+迎え撃ちは威力絶大ですね。グラールの戦術は大正解でした。これがなければ、序盤で全滅していたかも

マルコとダルトンが、守りの要がグラールであることを察知し、交互に背後からキュアで支援。

だんだんと、パーティ連携の形が見えてきます。

最後のオークが鳥かごをもっていました。
中には、内気で縦ロールのヒラヒラドレスの末のお姫様が。
でも誰もくどかねえ。オークと同列に尋問される姫。
  • (植埜)そういえば誰も騎士っぽい人がいませんでしたからね。もしかしたら、私が軟派なバードをやればよかったのかも

分かったこと。

  • オークの族長は、片目のゾバルグ
  • アイウーズ帝国の海軍だったが、負けて流れ着いた
  • 部隊は20名
  • HFOが3人入ってきたが、T字路で二手に分かれていた
  • 一人は天井に隠れていた大サルにつかまれて死んだ

さて、ドルイドもいるし、大サルを味方にできるか?
戦闘になれば、攻撃距離10’、機会攻撃の練習です。

第二の戦闘

オークの装備を売り払い、末娘救出分の1000gpの報酬を受け取ったパーティは、キュアライトウーンズのワンドと、マジックミサイルのワンドを購入します。

対エイプの結論は「後顧の憂いを絶つ!」というもので、チャームアニマルを掛けて、効かなかったら討伐しちゃおうというもの。
  • (植埜)恍惚の呪歌を使う手もあったかなぁ

〈知識:自然〉が3人もいる贅沢な状況のなかで、鋭敏嗅覚も含む能力は丸裸に、チャームは失敗。オライオスの雷石でパニック状態にさせられたエイプは、グラールに組み付き攻撃を仕掛け成功。

グラールは振りほどきを試みますが、体格の差もあり逃げられません「やべー」

エイプの番になり、組み付き判定により爪・爪・噛み付き。
出目が振るわず、2発だけ命中。でもグラール瀕死。

ニイロのマジックミサイルが着実にhpを削っていたり、オライオスの急所攻撃とかで3ラウンド目を待つことなくエイプ撃沈。

部屋を覗くと、ブラウンモールドに囲まれてHFOの死体が。シールドにアンディとネーミングが。
マルコが弔いの祈りを捧げると、幽霊出現。
「ありがとう!姫を頼む!俺の鎧と盾を使え!」
  • (植埜)このブラウンモールド、箱に回収して後で使ったんですが、ドラゴン戦用にももう一つとっておけばよかったですね

魔法のタワーシールドという微妙アイテムを託されます。
あとフルプレート+1ファイターいねえし。
結局両アイテムはクレリックのマルコが装備。

第三の戦闘

さて、エイプを倒しブラウンモールドの罠を解除して、現在の経験値は900点。
最初に「シナリオ途中で2レベルにはなります、効率よく回ると、最終的に3レベルになるかも」と予告してあります。

2レベルまであと100点!
なんとなくPLの眼が違ってきます。

オークの尋問によれば、族長は左の通路を進んだはずですが、右の通路奥にスタージの群れを発見。…これを全滅させればレベルアップです。

「殺るか?」
「殺ろう」

即断即決、スタージ8匹の巣に進みます。
戦闘開始!

スタージは40’飛行ですが、降下して80’、16マスです。
「DM!二倍移動して攻撃しているよ!」
「や、降下で移動力2倍だし」
「うわー!計算外だー」

たちまち、ダルトンとニイロの頭部に、スタージががっちりと爪を食い込ませます。

#あ、喰らい付直後の吸血忘れてた

「首筋の動脈を探るように、こう、ストローのような嘴が襟元から…」
「ぎゃー!」

グリムの射撃も、混戦で当たりません。
が、慌てず騒がす、ニイロのマジックミサイル。
さらにオライオスの矢がクリティカル!

何とか窮地を脱し、スタージを退治します。

さて、スタージがいた部屋を見てみると、天井からシャンデリアがぶら下がっています。
下から見ると、シャンデリアの上にスタージの巣が。
しかも、何かキラキラ光るものがありますよ?

オライオスがふらふらと部屋に入って行きます。
「はい!そこで落とし穴発動」
  • (植埜)上のシャンデリアにも、たくさんの短剣?が隠されていて、落ちてくると大ダメージだったみたいです
  • (植埜)この部屋で学んだことは「飛行生物がいる部屋は、落とし穴に気をつけろ」です

上を見ていたら、床に穴が開きました。
〈跳躍〉でダメージを受けずに着地。
落とし穴の中には、スタージに血を吸われカラカラになった上に落下して死んだHFOのボブの死体が。またまた幽霊出現。

「良くぞ落とし穴から生き残った!もはや思い残すことはない。お前に姫と、この『まっぷたつの剣』を託す。さらば…」
もらったのは、ファルシオン+1、キーンでした。

落とし穴のそこが、未踏破エリアの別の落とし穴の底に繋がっています。

格子戸

さて、意気揚々と町に引き上げ、2レベルになって帰ってきた一行。
奥のエリアに進もうとすると、通路を鉄格子が塞いでいます。
この鉄格子、脱出術の難易度20で通過可能。

「出目20の説明だよ」とかいいつつ、通過した直後の床が落とし穴という卑劣なしかけでしたが、さっきのスタージの部屋でばれてるんだよなあ。

「汚ねー」
「えげつねー」

とりあえず、無傷で通過。

第四の戦闘

通路を進むオライオス。〈聞き耳〉の結果、なにか巨大な生物が、巨人語で寝言を言いつつ、大いびきをかいているのを聞きつけます。しかもオーク語で、

「耳が聞こえないオーガってのも厄介ですねえ、族長」
「まあ、うまく利用してやるさ」

ゾバルグ発見!

そーっと〈隠れ身〉で気づかれずに除くオライオス。
番犬の狼にも気づかれないって、すごいよね。

敵は、オーガ+狼+ゾバルグ+相棒のバジャー+オーク4体。

充実した陣容にビビルプレイヤー。

「おい、やべえよ」
「奇襲してスリープ打ち込もう」
「いや、セーヴされたら逆にピンチだ」

色々議論の末、グリムがディスガイズセルフ+はったりで、族長をおびき出すことに。
ノコノコついていく族長。
  • (植埜)「(さっき通ってきた)鉄格子が壊れちまったんですよー、人手を貸してくださいよー」と言ってザコを先に始末しようとしたら、族長様がついて来られたのでビビリました^^;

「キサマの時代は終わりだ!お前を倒して俺が族長になる!」
「おのれ裏切ったな、よし返り討ちにしてやる!」

戦闘開始。
先手を取ったオライオス、マルコ、グラール、ダルトンが族長を包囲しつつ、ニイロが冷静にグリース。たちまち転倒するボス。
起き上がろうとしたところを機会攻撃の嵐。
「ば、ばかなー!」

ろくに何もしないうちに、片目のゾバルグ撃沈。

「デカブツ!起きろ!戦いの時間だ」とオーガを蹴っ飛ばすオーク。
「あー?聞こえんなー?」はったり失敗。

「お前をだましたゾバルグは死んだ!お前は自由だ!」と巨人語でオライオス。
でも「あー?聞こえんなー?」とオーガ。耳が聞こえないのでしょうがない。
  • (植埜)このやりとりは笑えました(笑)

その後、出てきたオークx2とオーガもグリースで転倒。
転倒したままのジャイアントクラブの一撃で、グラールを追い詰めるものの、あえなく全滅。
  • (植埜)相手を伏せ状態にするとホント有利ですよね。こっちの攻撃はバカスカ当たって、相手のはほとんど外れてました

さて、最後の一人のオークはどうしよう。
仲間(グリムの変装)が、ゾバルグに挑戦して、勝ったんだよなあ。
人間と仲間になっているよなあ。

「ま、まて!俺の負けだ。新しい族長のお前に従う」

エリクシの館

降伏したオークから、エリクシの玄関の仕掛けを聞き出す。
うまく対応しないと、超巨大サイズのアニメイトオブジェクトに蹂躙されるところだったのだが、無事切り抜けます。

しかし、根性がひね曲がっているという噂のエリクシの館、廊下を曲がったら、火の川が流れています。
どうやら、ボイラーが破れて、館の中を溶岩の川が流れている模様。
火の川のほとりに立って、15’のこの川をどうやって渡ろうかと相談していると、

人生酒場

火の川の向こう、曲がり角の向こうから、オークの酔っ払った声が、
「なあ、姉さん。あの歌を歌ってくれよ」
「あんたも、好きだねえ」とハスキーな女の声が。

古賀まさお調の哀愁漂うギターのメロディ共に、女の歌声が、それに奈落語の歌がハモります。
「私の~~焼き鳥は~~~とても~~おいしいのさ~~~」
DMの適当歌にニヤニヤ笑っているプレイヤーですが、次の宣言を聞いて笑顔が凍ります。

「彼女はハーピーです。意思セーヴに失敗すると、危険を顧みず彼女の元に歩いて行きますよ」

目の前の溶岩の危険により+4ボーナス。
意思セーヴ・難易度9を全員に要求します。

2~3人焼けて死ぬかなー、と思っていたのですが、セーヴを落としたのはウィザードのニイロのみ。
DMは全員にイニシアチブを要求。ニイロに対して機会攻撃で組み付きに成功すれば、止められるよと告げます。

まあ、ウィザードだし、簡単に捕まえられるだろう、と思ったDMが甘かった。

何しろ、敏捷16のハーフリング。
一人、二人と、接触命中を回避して行きます。
三人目を回避、四人目を回避。
うわ、ここで最後のオライオスが、しかも不安定な足場で掴まないと、ニイロ焼死!

全員が息を止めて見つめる中、無事組み付いて引っ張りあげました。
  • (植埜)一時はどうなることかと思いました^^;

そのあと、ブラウンモールドを投げ込んで、溶岩を凍らせて「人生酒場」へ。

中にいたのは、サキュバスのママと、ハーピーのチーママ、常連のオークさん2名。
壁に大きな壁画。で、これが罠。シンボル・オヴ・ピース。
難易度22の意思セーヴ失敗で、属性が秩序にして善に。

「あたしもさあ、昔は悪かったのよ」とはサキュバスママ。
妙に善人の彼女達から、ダンジョンの主の情報を得ます。
  • (植埜)うらぶれた酒場に元悪女とくれば、ここはバードの出番ですよ! ♪タナーリに生まれた 女やさかい アビスのこと よう捨てん♪
  • (植埜)…でも時間があまりなかったこともあって、ロールプレイできませんでしたorz 

魔術師エリクシ

「ここにはさあ、エリクシっていう魔法使いが住んでいたんだけど、死んじゃったのね。
 死に切れなくて幽霊になって。レッドドラゴンの子供に憑依したわけ。
 段々強くなってきたんだけど、ドラゴンの肉体が強すぎたのかなあ、魂の力が段々弱くなってきてさ。
 このままじゃ消えちゃうから、子孫をさらって、完全な転生の儀式を狙ってるんだよ。」

「あそこの水路をくぐると、目の前40’にエレベーターがあるのよ。
 ボタンを押すと、4ラウンドでエリクシ=ドラゴンが降りてくるよ。
 ドアが開いたらすぐブレス、が好きな戦法だね。」

さっきの罠で、3レベルになった一行。
最後の姫の籠はエリクシの部屋にあると聞いて、ダンジョン内での大型レッドドラゴンとの対決の決意を固めます。

最終決戦

エレベーターが下りてくる3ラウンドを利用して、ありったけの強化呪文を準備。
オライオスがエレベーター前に陣取り、ドラゴンの接近を防ぐ。
ブレスは《見かわし》でとにかくかわす!
ニイロはエレベーター前にグリースを事前展開。
他の皆は、水路に頭まで使って、完全遮蔽。

大型ドラゴン登場!
4d10のブレスを吐き出しますが、オライオスがひらりとかわします。

「うぉぉぉぉーっ!」
雄たけびを上げながら、次々水から上がり、ドラゴンに突撃する冒険者。

ファルシオンがクリティカルで命中し、ドラゴンスレイヤーが大ダメージを与える。
ニイロのブラインドネスは辛くも回避される。

そしてドラゴンの全力攻撃。
噛み付き、爪、爪、翼、翼、尻尾、恐るべき6回攻撃、しかもほぼ全てが命中し、
ダメージもでかい!
でも倒れないオライオス。

DM「えーと、ドラゴンが観察して、あと何%ぐらいで立ってる?」
オラ「5%ぐらいです」

よし!次ラウンド《なぎ払い》の種にしてやるぜ!
というところでグリムのグリース発動。ドラゴンのセーヴの出目は…1!

地響きを立てて転倒するドラゴン。
  • (植埜)これは気持ちよかったなぁ(笑)

「いまだー!」
寄ってたかってたこ殴り、だが、あと4hpで生き残った!

「ふん、伏せたままでも貴様ら如きに当てるのは造作もない!道連れに死ね!」

残り5%のオライオスに、爪…5外れ!、もう一発!6!外れ!
えー、そんな馬鹿な!腐ったか俺のダイス!

噛み付き!はずれ!翼!はずれ!もう一個の翼!ぎゃー!はずれ!
ラスト!尻尾!ぶーん!はずれ!

ブレイクダンスのように地面を転げ回りオライオスを殺そうとする赤竜。
だが、オライオスはマルコの防御呪文の力もあり、全てよけきった!
  • (植埜)DMはオープンダイスでしたので、演出ではないと思います(笑)

「マジックミサイルを投射します」冷静なニイロの宣言により、ドラゴン撃沈。

終局

ドラゴンの死体から抜け出たエリクシの幽霊は最後の足掻きをしますが、
依頼時に預かったダガー+1、ゴーストタッチでとどめを刺されます。

悪は滅びたのです!(笑)
  • (植埜)グリースが効いていなかったら、オライオスがダガーを持っていなかったら、ドラゴンのダメージがあと1点多かったら・・・結果はまったく違っていたかもしれませんね。3LVになっていたとはいえ、かなり奇跡的な勝利でした

アフターセッション

「誰も殺せなかったー!」
「いやー、生き残ったねー」
「グリース強ええよ!」

と、プレイの熱気を抱えつつ、飲み会へ。

皆様、お疲れ様でした。
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