615 :名無しさん@秘密の花園:2010/07/07(水) 06:13:36 ID:T7cw+MDQ
基本に戻って(?)咲のどSS投下。無事一回戦を勝ち抜いてホテルに戻った清澄でしたが―

「…おかしいなぁ……無くなるはずないんだけど……」
「咲ちゃん、まだスカート見つからないのか? 咲ちゃんのことだからお風呂場にでも忘れてきたんじゃないのか?」
「んん…そうかなぁ……そんなこと無いと思うんだけど…」
「みっ宮永さん。多分須賀君が気を利かせて洗濯してくれているんですよっ」
「んー、そうかも……まあ染谷先輩が貸してくれてるから今はいいんだけど…」
「そうだじぇ! そのうち出てくるから早くお風呂に行こうじぇ!」
「うん…そうだね。原村さんも行く?」
「私はちょっと…久しぶりの試合で疲れてしまったので、少し休んでいます…」
「そっかー、今日ものどちゃん大活躍だったもんなっ。ゆっくり休むといいじぇ。行こう、咲ちゃん」
「う…うん…」

2人が部屋を出た後、和は制服を脱ぎ電気を消し布団にもぐり込むと、枕元のエトペンを抱きしめた。
エトペンの背中のチャックを開け、中に詰まっているスカートを取り出す。

――ごめんなさい、宮永さん――でも…こうでもしないと……―
いつの頃からか和は、試合で火照った身体を自分を慰めることでしか鎮めることができなくなっていた。
今日の試合は特に、抱いているエトペンの中に詰まっている物が咲のスカートだということが、試合中の和の高揚をいつも以上に高めていた。
かろうじて冷静さを保っていたものの、今、咲と一緒に風呂にでも入ろうものなら何をしでかすか自分でもわかったものではなかった。

スカートを顔に当て、その匂いを胸の奥にまで吸い込む。
――ああ――宮永さんの匂い――
咲の汗がしみ込んだスカートを握り締めながら、小刻みに敏感な部分に指を這わせる。
その布が包んでいた咲の可愛らしい尻の形と柔らかさを思い浮かべながら。

「…あンっ……宮永さ…ぁん…っ……はぁぅっ……」
和の指の動きは自分の意思とは無関係に激しさを増し、押し殺そうとしても切ない喘ぎ声が漏れる。
声が外に聞えないよう布団を頭から被り、さらに絶頂を求めて行為に集中する。

――しかしそれが間違いだった――
いつの間にか静かに部屋に入り、布団の近くにまで来ていた人の気配に気付かなかったのだ。

「ど、どうしたの、原村さん!? どこか具合でも悪いの!?」
「みっ…宮永さん!!?」
布団の外から呼びかける声に心臓が止まりそうになった。
頭の中が真っ白になる。とにかく、なんとか誤魔化さなければ――

「ど、どうしてここに!? お風呂に行ってたんじゃなかったんですか!?」
「原村さんが心配だから、私だけ早めに上がって来たの。なんだか様子がおかしかったから…ね、どこか痛いの?」
「わ、私は大丈夫です!! 気にしないでくださいっ!!」
「嘘! あんなに苦しそうな声出して、身をよじって…ね、とにかく見せてみて―」

――ダメっ――!
和の祈りも空しく掛け布団が剥ぎ取られる。
薄暗い部屋で横たわる和の姿を見て咲は言葉を失った。
下着をまくり、顔を紅潮させて半裸で横たわる和。
和の秘所から溢れた愛液で濡れたシーツ。
そして――震える和の手に握り締められているスカート――

「……は……原村さん…?……それ……私のスカート……だよね……?」
咲とて子どもではない。和が布団の中で何をしていたのかは一目で理解することができた。
しかしその行為と自分のスカートを和が握り締めていることの理由を結びつけることができない。
二人ともどうしていいかわからず、困惑しながら重い沈黙を続けるだけだった。

―その時部屋に近付いてくる足音が聞えた。
「きゃ…っ!?」
和は反射的に咲を布団の中へと引き摺り込むと、素早く掛け布団を被りながら咲を組み伏せた。
「宮永さん…お願い…静かに……」
咲は混乱しながらも、暗闇で光る和の真剣な眼差しに圧倒され、ただ小さくうなずいて身を固まらせていた。

616 :名無しさん@秘密の花園:2010/07/07(水) 06:15:10 ID:T7cw+MDQ
「あれ? 真っ暗ね…誰か寝ているのかしら?」
部屋の扉を開けて部長とまこが中を覗き込む。
「そういえばさっき優希と咲が風呂に行くところじゃったけど、和が休んでるってゆうとったわ」
「あら、そうなの? それじゃ起こすのも悪いわね…少し時間潰してきましょうか」
「そうじゃのう…風越はどこにいったんじゃ?」
「今日は久保コーチの部屋で卓を囲んで福路さんの調整をしているって言ってたわ。私達も混ぜてもらわない?」
「ええのう、一度風越のキャプテンとは手合わせしたかったけぇ。胸を貸りるとするかのう」
「そうね。まこは少し福路さんの胸をわけてもらった方がいいわね」
「どういう意味じゃーっ!!」

部長とまこが話しながら部屋から立ち去る間、ずっと二人は布団の中で息を押し殺していた。
暗い密閉された空間の中で、二人の吐息と激しく波打つ心臓の鼓動だけが煩いぐらいに鳴り響く。

「い……行ったみたいだよ?……原村さん……苦しい……」
和の豊満な胸に押し潰され、咲は窒息しそうになっていた。

――優希は長風呂だ――部長たちも打ち始めたら遅くまで戻って来ないだろう――
――少なくとも、1時間は宮永さんと二人きり――

「重いよぉ……原村さん……ねぇ……」
風呂上がりの宮永さんのしっとりと汗ばんだ肌。浴衣越しに伝わる華奢だけど柔らかい身体。
甘い石鹸の香り。泣き出しそうな表情。苦しげな吐息。

「ねぇってば…は、原村さん………」
もう自分を抑えていられる自信が無い。かすれる声で咲に問いかける。
「宮永さん……私のこと…好き、ですか……?」
「……え……?」
「…どうなんですか?……嫌いなんですか?」
戸惑っている咲を畳みかけるように問い詰める。
――私はずるい――こんな状況でこんな質問をして、宮永さんがNOと言うわけが無いのに。

「す…好き…だよ…? 原村さん…」
――宮永さんの言う「好き」は多分私の「好き」とは違うのだろう――
それでも、合意の了解が欲しかった。もう限界だ。
「私も好き……宮永さんが、大好きっ……!」
咲の身体を抱き締め、ゆっくりと顔をその唇に近付ける。

617 :名無しさん@秘密の花園:2010/07/07(水) 06:17:20 ID:T7cw+MDQ
―その時、急に部屋の明かりが点いた。
「おーい、咲ちゃん。のどちゃんの具合はどうだ?」
咲と和は掛け布団を跳ねのけ、急いで着崩れた衣服を正した。

「あれ? のどちゃん起きていたのか?」
「ゆゆゆ優希!? お、おっお風呂上がるの早かったんですねっ!?」
「今日はこれから風呂場の清掃があるらしくってなー、早めに出されたんだじぇ。
 ……それにしても二人とも…汗だくで何してたんだ?…もしかして…」
「ゆっ、優希ちゃん!!ちっ違うの、これはねっ!?」
「……プロレスごっこか!?」
「!! そっ! そうなんですっ!! 少し汗をかかないといけないと思いまして! ねえ宮永さん!?」
「うっ! うん!! は、原村さん意外と力強かったからびっくりしちゃったよっ!!」

「ほほう、二人きりで楽しい時間を過ごしたようだな。…あ、咲ちゃん、スカート見つかったんだな?」
「ううう、うんっ!! えっとこれはそのっ!!」
「わ、私の荷物に紛れ込んでいたんですっ!! まっ間違えて入れてしまっていたみたいでっ!!」
「そうかー、見つかって良かったな! それはそうとさっきノッポに会ったんだが、これから近くの雀荘に行くんだと。
 メンツが足りないらしいから、良かったら一緒に行くじぇ!」
「そ!そうだね!! はっ、原村さんさえ良ければ!!」
「え、ええ!! だいぶ具合が良くなったので、着替えて行きますねっ!!」


――その後も、次の日も、宮永さんは何事も無かったかのように接してくれた。
――あの事を、宮永さんはどういう風に思っているんだろう―?

「はーい、みんな忘れ物無い? いよいよ2回戦に出陣するわよ!」
「あ…原村さん、エトペン忘れてるよ?……はい」
「あ、ありがとうございます。…あれ…?…これって…それに宮永さんのスカート……」

「なんだか会場は冷房が効き過ぎだから、また染谷先輩のスカート借りたの。
 あと…エトペンの綿が少し抜けていたみたいだから、私のスカート詰め込んで……
 …お守り代わり……め…迷惑だったかな……///」
「い…いえ…そんなこと、ないです……///」

「それじゃ行くわよ。わかっていると思うけど、これからの試合は今までの相手とは格が違うわ。みんな気合い入れてね!」
「ふふん、京太郎の特製タコスが山ほどあるから、先輩たちの出番は無いかもだじぇ?」
「ゆうのう。少しはわしにも見せ場を残さんかい」

―宮永さんの気持ちはわからない。私の事をただの友達としか思っていないのか―それとも―少しは期待してもいいのだろうか―
「――頑張ろうね、原村さん!」
「―――はいっ!!」

―全国優勝して、宮永さんとずっと一緒にいられることが決まったら、もう一度あの時の答えを聞いてみよう―
―焦ることは無い――私たちの夏は、まだ始まったばかりなのだから――

(おわり)

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最終更新:2011年11月28日 18:15