418 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2009/06/19(金) 23:26:39 ID:DaH5haSQ

「宮永さん…」

隣で眠る彼女。
つい最近、恋人になれたんだ。
それが嬉しくて、少し恥ずかしくて。

「部長なら大丈夫、…ですよね」

などと勝手に言ってしまう私。本当は応援した方が良いに決まってる。

だけど…

「…すー…すー…」

隣で仮眠をとるあなたを見ていると、そんな気がおこらなくて。

ああ、なんて可愛らしいんだろう…。
天使の寝顔。
私だけの、天使…。

「…宮永さん…」

ついつい名前を呼んでしまう。
だって愛しいから。

「……宮永さん……好きですよ…」

寝てるのを良いことに恥ずかしい台詞を言ってみた。

今だけならいいよね…?

「……だぁいすき…♪」

自然と笑みがこぼれた。

…キス、したいな。

いや、駄目だけど、でも…寝てる人の唇を奪うなんて、そんな……宮永さんを傷つけちゃうかも……でもでも、私たち恋人同士なんだし……

1人無駄に広く2人しかいない仮眠室で悶々する私。

…1回だけなら、いいよね…?

ごめんね、宮永さん…私、悪い子です…。

私は寝ている宮永さんの唇に、自分のそれを触れさせようとした。

そうしたら…

「…原村さん?」

目が、開いた。

宮永さんは起きてしまった!
なんというタイミング…。

「……原村さん?」

「あ、いえ、違うんです!私、決してキスしようとなんて…」

「…キス、しようとしてたんだ…」

「…!」

しまった…深い墓穴を掘ってしまった。

「……怒りました…?」

「………」

宮永さんは答えてくれない。
…嫌われちゃった…?
そ、そんな…私、…イヤです…!

「宮永さん…ごめんなさい!!…だから、おねがい…嫌いに、なら…ない…で……」

最後の方は涙が溢れてしまった。
宮永さんに嫌われたら、私は生きていけない。

「な、泣かないでよ、原村さん…私、怒ってなんてないよ?」

「…本当…ですか…?」

「うん!……その、…今なら…してもいいよ?……キス」

胸が、キュンとした。

だんだんと近づく互いの唇。
徐々に徐々に、距離はゼロへ近づく。

そして……繋がった。

宮永さんの唇は温かく柔らかい。

少しして、離す。とても名残惜しくて。

宮永さんの全てが、欲しくなってしまった。
以前体をあわせたことがあって、それ以来、私は…少しだけいやらしい娘になってしまいました。
エッチになってしまったのは、少しだけだと信じたい。

「…ここで…しませんか…?」

「え!?ここ、仮眠室だよ!?」

「……だめですか…?」

「だって、誰か来ちゃうかもしれないし…他人に見られるのはちょっと…」

…そうですね。
好きな人の肌を他人になんて見せたくない。

独占欲というものが、私には最近ある。
だって恋人なんだ。
意地が悪いかもしれない。でも、自然とそれは生まれてしまう。

「…ごめんね。あ、後でなら……その…いいよ…」

ああ、もう……可愛すぎます。
なんでこんなに可愛いのかな。
本当、私は彼女のことが好きなんだと思う。

「…宮永さんは、…するのは…好きですか?」

「えぇ!?そ…そんなこと、聞かないで…」

顔を真っ赤にする彼女。
そんな彼女が愛おしい。
ますます私は恋に落ちる。

「…最近の原村さん…エッチだよ?」

…一番言われたくないことを言われてしまった。
自分でも薄々感づいていたんだ。
…だけど認めたくありませんでした。
そう言われて不安なことがある。
それは…

「…宮永さんは、やらしい女は…嫌いですか…?」

顔をますます真っ赤にする彼女。
凄く恥ずかしそうで。

「………」

どうしよう。宮永さん、嫌いかな。
だったら私は…駄目かな…?

「………ゃ…ぃ…」

「え?」

「……きらい…じゃない…」

……よかった…。
ここで喜んでしまう私はやっぱり、やらしい女なんだろうか。

「……ぐすっ…ひっく…」

「!?」

なぜか突然泣き出す宮永さん。なぜ!?
好きな人の涙なんて見たくない。
悲しむ宮永さんなんて、見てられない。

「な、なんで泣いてるんですか!?」

「……は、恥ずかしくて……」

それは私が原因でした。
自分の不安を消すためだけに、宮永さんをいじめてしまった。
言いたくないことを言わせてしまった。
…最低だ。

「ごめんなさい…!」

精一杯謝る私。
キスをしようとしたり、辱めたり、私は宮永さんを傷つけてしまった。
自分の欲を抑えないから。
相手の気持ちを、考えなくちゃ…。

当たり前のことなのに、だけどそれは難しく。

「あ、謝らないで……私こそ、勝手に泣いてごめんね。私は…原村さんが大好きだよ…」

何よりもそれは救いの、魔法の、愛の言葉。

大好き。
2人を繋いでくれる、魔法の言葉。

「……私こそ、大好き…です」

「……もう1回、…キス…して…」

「…いいですよ……」

再び、私たちはくちづけを交わした。

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最終更新:2009年07月11日 15:31