薬の10か条
薬は一歩間違えると毒にもなりますから、十分気をつけましょう

 1.他の医療機関や診療科でもらった薬を医師・薬剤師にみせましょう

 2.服用時間・回数・個数を確認しよう

 3.医師の処方を守ろう

 4.頓服薬と飲み続ける薬を区別しよう

 5.薬はできるだけ水か湯冷ましでのもう

 6.のみ忘れたときの対処法も聞いておこう

 7.副作用の確認と対策も聞いておこう

 8.副作用が出たら、医師・薬剤師にすぐ伝えよう

 9.薬の保存方法や期間を確認しよう

10.食べ物と薬の飲み合わせにも注意しましょう

フォイパン フオイパン (蛋白分解酵素阻害薬)

蛋白分解酵素阻害薬です。膵液に含まれるトリプシンなどの消化酵素(蛋白分解酵)の働きを阻害する作用があります。膵液から膵臓を守るとともに、腹痛や吐き気などの自覚症状を軽減します。


膵臓に関する漢方薬

漢方薬は「証(しょう)」という漢方独特の見立てで処方されるので、人によって用量が違うそうです。
本人が訴える症状(自覚症状)や検査や診察によって分かる状態(他覚的所見)、体格、その人の個人的な特徴(性格など)を医師がPCに入力すると総合的に判断して分量が出力されます。

同じ症状でも処方される薬が違うのは証が違うかららしいです。
このあたりは、西洋・漢方などを問わず、どの薬でも同じようです。

大きな分け方の一つは「実・虚」証です。

実証の特徴

  • 体力がある ・筋肉質でガッチリしている
  • 血色がよく、肌につやがある ・大きくて太い声
  • 胃腸が強く、便秘傾向がある ・腹部は固くてしっかりしている
  • 暑がり

虚証の特徴

  • 体力がなく弱々しい ・細くてキャシャな体型
  • 顔色が悪く、肌が荒れやすい ・細くて小さな声
  • 胃腸が弱く、下痢をしやすい ・腹部はやわらかい
  • 寒がり

この他に「陰陽・寒熱・気血津液・五臓」という情報によって「証」が決定されるようですが、診察のときに覗いているとほぼソフトで完成されているようです。

私の在庫にある薬は以下の通りです。

半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)・・・急・慢性胃腸カタル、はっ酵性下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症。

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)・・・夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症。

六君子湯(リックンシトウ)・・・胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐。

茯苓飲合半夏厚朴湯(ブクリョウインゴウハンゲコウボクトウ)・・・不安神経症、神経性胃炎、つわり、溜飲、胃炎。

柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)・・・更年期障害、血の道症、神経症、不眠症。

柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)・・・ 感冒・流感・肺炎・肺結核などの熱性疾患、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胆のう炎・胆石・肝機能障害・膵臓炎などの心下部緊張疼痛。

四逆散(シギャクサン)・・・胆嚢炎、胆石症、胃炎、胃酸過多、胃潰瘍、鼻カタル、気管支炎、神経質、ヒステリー。

小柴胡湯(ショウサイコトウ)・・・諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、感冒、胸膜炎・肺結核などの結核性諸疾患の補助療法、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全。

コレシストキニン(CCK)受容体拮抗薬

ロキシジン(三菱ウェルファーマ)

 膵液中の蛋白分解酵素の分解を調節するコレシストキン(CCK)に拮抗することにより蛋白分解酵素の分泌を阻害、膵炎の安静庇護を図るものです。
前記事にある消化ホルモン、コレシストキン(CCK)による膵液の分泌亢進をおさえるものです。

サンドスタチン(酢酸オクトレオチド:ノバルティス ファーマ)

 ソマトスタチン誘導する薬も,膵臓を「休める」ために使用されているようです

プロトンポンプ阻害薬

この系統には

オメプラゾール・・・(商品名:オメプラール)・・200.1円

ジェネリック・・・オブランゼ、オメプトロール、オメラップ、オメプロトン等

ランソプラゾール・・(商品名:タケプロン)・・・208.9円

ジェネリック・・・スタンゾーム、ランソプラゾール、タイプロトン、タピゾール等

ラベプラゾール・・・(商品名:パリエット)・・・357.3円

効能は、

 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger‐Ellison症候群

 逆流性食道炎

 胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助


プロトンポンプ阻害薬は胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する薬です。PPI(Proton pump inhibitor)と略され、通常PPIと呼ばれています。ランソプラゾ-ル(タケプロン)をはじめとするプロトンポン阻害薬(PPI)は、H2ブロッカーとともに、現在、消化性潰瘍治療における中心的な薬剤となっています。
PPIは、逆流性食道炎、消化性潰瘍の95%、咽喉頭感異常症の60%、鎮咳薬無効の慢性の咳、鎮咳薬無効の背部痛の50%、気管支喘息の20%に有効とされています。

PPIについては、現在の第1選択薬について、「タケプロン」が48.0%で1位、「パリエット」が23.3%で2位。以下、「オメプラール」が19.9%、「オメプラゾン」が6.1%というような使用状況です。

タケプロンは1991年に武田薬品工業株式会社が販売を開始しました。
パリエットは1997年エーザイ株式会社の販売薬です。

PPIについては処方できる最長期間が8週間となっており、通常8週間以後はH2ブロッカーをはさんだりして一旦中止しますが、この時のリバウンドが少なくなることなどを研究されて6年後、後発されたのがパリエットです。

ランソプラゾ-ル(タケプロン)の添付書類には
(5)胃ポリープ……[オメプラゾール,ラベプラゾールナトリウム]本剤の長期服用中に,良性の胃ポリープを認めたとの報告があります。と、記載されています。

問い合わせてみたところ、ランソプラゾ-ル(タケプロン)が原因と思われる良性の胃ポリープを認めた経験はないということでした。あまり気にされなくてもいいのではないでしょうか。

プロトンポンプ阻害薬(PPI)を長期間使い続けると、骨折リスクが高まることが、大規模な観察研究の結果、明らかになっています。Journal of American Medical Association(JAMA)がPPIを1年以上使用していると、大腿骨頸部骨折リスクが44%増すことを確かめたものです。
PPI治療は、適切な患者に対して最低用量で行うべき。特に、高齢者に長期的かつ高用量の投与が必要となった場合には、食事からのカルシウム摂取を増やすなどの生活指導を行う必要があるとされています。

吐き気止め
膵炎はときに吐き気や悪心をともないますので、常備する頓服薬を用意しておきたいものです。

吐き気止め・悪心対策の1番手はベンザミド系の中から

消化器機能異常改善剤プリンペランです。

主成分はメトクロプラミド、弱った胃腸の運動を活発にして、食べ物を胃から腸へ送り出すのを助けます。そうすることで、吐き気や嘔吐、食欲不振や膨満感、胸やけなどの症状を改善します。

病院では吐き気があるために経口投与が難しいときに静注として使います。

ジェネリック薬も豊富に発売されています。エリーテン、プラミール、フォリクロン、エリーテン、プラペリン、プリンパール、アノレキシノン、フォリクロン、テルペランなどの商品名で販売されています。

消化管運動改善剤ナウゼリンも同じ系統です。

ナウゼリンと言えば座薬が有名ですが、経口薬も

ナウゼリン錠5~10、ナウゼリン細粒1%、ナウゼリンドライシロップ1%と発売されています。

こちらもジェネリックはミオナゼリン、ハドドリン、ナウザート、ノーゼア、ナシロビン、ペリゼリン、モンロビア、ドンペリン、ジャックマール、セロベース、フォリメジン、コバペリドン、ダリックと豊富に発売されています。

この他にも、ガスモチン、ガナトンなどが同じ働きをします。

鎮痙薬(抗コリン薬)のロートエキス、ブスコパン、コリオパン、胃粘膜局所麻酔薬のストロカインは、反射性嘔吐に有効です。鎮痙薬(抗コリン薬)については以前の記事を参照してください、詳しく書いています。

ジェネリックには、スコポラ、ブスフォリロン、ブチスコ、ブチブロン、ブスコム、ブトロパンなどがあります。

胃粘膜局所麻酔薬ストロカインは、オキセサゼインを主成分とします。

胃の粘膜に麻酔をかけて、胃の痛みをとります。そのほか、胃液の分泌をおさえたり、胃腸の運動をしずめる作用があります。過敏性大腸症の下痢症状や、しゃっくりを止めるのにも用いられています。

その他 膵・胆道疾患治療剤

スパカール 膵・胆道疾患治療剤

主成分はトレピブトンで効能は

胆石症、胆のう炎、胆管炎、胆道ジスキネジー、胆のう切除後症候群。
慢性膵炎に伴う疼痛並びに胃腸症状の改善。

となっています。

胆嚢を患った方には処方されることが良くあるようです。

フロプロピオンとヒメクロモンの中間的な位置づけにあって、オッヂ括約筋に作用して胆汁や膵液の十二指腸への排出口をゆるめて流れを良くすると言うものです。

乳頭肥大などの症状を持つ方には、これと前述のビソルボンが良く効くようです。

スルピリド

スルピリドはもともと、胃・十二指腸潰瘍の治療薬として開発された薬で昔は不定愁訴に対して第一選択として使われたこともあったようです。
スルピリドは胃の粘膜血流増加や胃排泄機能亢進作用があり、食欲増進、体重増加も期待できるそうです。
後に「抗うつ作用」(ドーパミンを制御し、幻覚・幻聴などの鎮静、躁状態や、うつの焦燥感の鎮静、うつ症状の緩和など)があることがわかり、今では精神科でも処方されるようになっているそうです。

胃腸症状を訴える一般内科、胃腸科、外科の患者さん100人中50%がうつでそのうち65%に過敏性腸症候群などの消化管機能障害を認めたというデータもあり、過敏性腸症候群(IBS)に代表される下部消化器機能異常障害と、NUD(非潰瘍性消化不良)と呼ばれる上部消化管機能異常、その他消化性胃潰瘍や慢性膵炎もうつとの合併率は高いことが報告されています。

ビソルボン(去痰剤)

これは本来呼吸器の薬で痰を出やすくする薬なのですが、副効能として、膵液の流れをサラサラにする効果があるようなのです。膵液自体の粘度が高い場合や、乳頭に腫れがあって流れにくいとか、腫瘍が流れの邪魔をしているときに効果的なようです。

非常に副作用の出にくく安価な薬なので、私の主治医は良く処方するそうですが、これまた効くか効かないかは微妙なようです。



鎮痛剤

NSAIDs

第一選択として、NSAIDsが選ばれると思います。

ボルタレン・ロキソニン・バファリン・アスピリン・ロピオンなどが有名です。

歯の痛みや頭痛などにもよく使われるもので、痛みを止めるだけでなく、炎症やはれなどを和らげたり、熱を下げる作用もあるお薬です。よく知られているお薬としてアスピリンがあり、病院で使われるだけでなく、街の薬局でも売られているものもあります。

この薬には胃腸障害という副作用がありますが、食後に飲んだり別のお薬を一緒に使うことで最小限に抑えられます。ただし、第1段階のお薬には使える量に限度があり、限度を超えて使うと、痛みを止める効果はそのままで、副作用ばかりが強くなってしまいます。

NSAIDs(エヌセズ:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs) は、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤の総称です。

サリチル酸系
アスピリンやバファリンが含まれる。不可逆的な血小板抑制作用がある。アスピリン特有の合併症にはアスピリン喘息とライ症侯群がある。喘息患者の10%にアスピリン過敏性があり、アスピリン過敏性がある患者は他のNSAIDにも過敏である。

プロピオン酸系
静注可能なロピオンや強力な鎮痛作用を持つロキソニンがこれに含まれる。強力な鎮痛作用に加えて白血球抑制作用も知られ、その影響から消化管への副作用もアスピリンよりは少ない。ニューキノロン薬と併用する痙攣が起こるという副作用の報告がある。

酢酸系
座薬があるため即効性の高いボルタレン(フェニル酢酸、アリール酢酸系)や湿布でお馴染みのインドメタシン(インドール酢酸、アリール酢酸系)が含まれる。妊婦には用いることができない場合が多い。また消化管潰瘍以外に肝炎や黄疸が生じることもある。インドメタシンは胎児において動脈管閉鎖を促進させるという効果もある。この作用があるから妊婦には危険と言われている(経皮製剤は妊婦にも使える)。

オキシカム系
フェルデン、フルカム、ロルカム、モービックといった薬が知られている。フェルデン、フルカムは血中半減期が他のNSAIDに比べて非常に長いため一日一回投与で十分となる(大抵は一日三回投与)。フェルデンは胃腸症状が強いため坐薬で用いることが多く、そのプロドラックであるフルカムは内服で用いる。モービックはCOX-2を選択的に阻害する、物質名はメロキシカムである。

塩基性
ソランタールなどが含まれる。鎮痛効果が低いがアスピリン喘息の患者にも投与可能とも言われている。しかし喘息を誘発したという報告もあり用いない方が良いとされている。


この薬たちで効き目が出ない場合、第2段階の痛み止めを移ります。

代表的なお薬にリン酸コデインがあります。このお薬は、街の薬局で売っている咳止めにも含まれています。咳止めに使うときよりも多い量を使うと痛み止めになります。第2段階のお薬を飲むと便秘がちになることもありますが、下剤を一緒に使えば便秘を防ぐことができます。また、第1段階のお薬と同じように、使える量に限度がありますので、第2段階のお薬で痛みが残ってしまうような場合には、次の第3段階のお薬を使って痛みを取るようにします。


拮抗薬

1)モルヒネの粉薬・水薬、塩酸モルヒネ錠

モルヒネの粉薬と塩酸モルヒネ錠は痛みの治療に古くから使われてきたお薬です。
効果の持続時間が約4時間と比較的短いため、粉薬や水薬、塩酸モルヒネ錠だけで痛みのコントロールをしている方が痛みのない状態を保つには、1日にお薬を5~6回飲む必要があります。

2)MSコンチン錠

MSコンチン錠は普通の錠剤のように見えますが、スポンジのような編み目の中にモルヒネが詰まった仕組みになっており、水分を吸収するとモルヒネがゆっくり溶け出すように、特別な工夫を凝らした錠剤です。

そのため、飲んでから吸収されて効いてくるまでに1~1.5時間ほど時間がかかります。また、効果の持続時間は約8~12時間といわれているため、1日2回12時間ごと、もしくは1日3回8時間ごとというように時間を決めて飲むことで痛みのない状態を保つようにします。

3)カディアンカプセル、カディアンスティック

カディアンにはカプセルとスティックの2つのタイプがあります。どちらも中には直径が1.0~1.7mm程度の小さな粒がたくさん入っていて、それぞれの粒からモルヒネが非常にゆっくり溶け出すような仕組みになっています。

4)モルペス細粒

モルペス細粒は普通の粉薬のように見えますが、1粒1粒がMSコンチン錠と同じスポンジのような編み目の中にモルヒネが詰まった仕組みになっており、水分を吸収するとモルヒネがゆっくり溶け出すように、特別な工夫を凝らした粉薬です。
モルペス細粒は、MSコンチン錠と同じように、効果の持続時間は約8~12時間といわれていますので、1日2回12時間ごと、もしくは1日3回8時間ごとというように時間を決めて飲むことで痛みのない状態を保つようにします。

5)MSツワイスロンカプセル

MSツワイスロンカプセルは、効果が8~12時間持続するといわれていますので、1日2回12時間毎もしくは1日3回8時間毎に時間を決めてのむことで痛みのない状態を保つようにします。

6)ピーガード錠

ピーガード錠は水に溶けない殻でモルヒネをコーティングしたお薬ですが、殻には水に溶ける成分でできた通路がたくさんあります。お薬をのむと、水に溶けてできた通路から少しずつモルヒネが溶け出すことにより効き目が長く続く仕組みになっています。

7)アンペック坐剤


アンペック坐剤は、1回に何個かをおしりに入れることができます。さらに、下の図のように、清潔なカッターナイフなどで坐剤を斜めに半分に切って使用することもできるため、患者さんの痛みの程度に合わせて細かい量の調節が可能です。

8)塩酸モルヒネ注射液

効き目が切れて痛くならないように、お薬を24時間の間ゆっくり少しずつ入れて、体の中のモルヒネの量を一定に保つ方法が一般的です。

痛みの治療でモルヒネを使用した場合に、比較的あらわれやすく問題になる副作用は吐き気、眠気、便秘の3つです。

1.吐き気

吐き気は、すべての人が経験するわけではなく、3割くらいの人にあらわれるようです。

2.眠気

眠気も、すべての人が経験するわけではなく、3割くらいの人にあらわれるようです。

3.便秘

便秘だけはモルヒネを使うほとんどの人にあらわれ、モルヒネを使う限り続いてしまいます

この他の痛み止めとしては、ソセゴン・レペタン・フェンタニルなどがあります。

1)ソセゴン

ピオイド特有の症状のうち、吐き気や便秘は頻度が少なく(吐き気7.9%、便秘1%未満)、吐き気や便秘のためにオピオイドが使用しにくい場合に使用されます。
使用は基本的にはNSAIDsで不十分な時に併用で。またはNSAIDsが使用出来ない場合に。有効限界があり、痛みが高度の時はモルヒネに移行します。除痛ラダーの第2段階、コデインとより少し強力な位置付けです。
余談ですが以下のレペタン同様麻薬の処方箋が不要なので、医師にとっては処方しやすい薬と言えます。

2)レペタン

モルヒネ、フェンタニルなどの麻薬と同様、ペンタゾシン(商品名ソセゴン、ペンタジン)、ブプレノルフィン(商品名レペタン)はオピエイト受容体に結合する鎮痛薬であるが、麻薬とは呼ばれずにしばしば「拮抗性鎮痛薬」と呼ばれる。「非麻薬性鎮痛薬」に分類されています。
効き目も大きいのですが、副作用の吐き気・悪心などのため膵炎患者には評判が悪いようです。

3)フェンタニル

モルヒネとの相性があまりよくない方の痛み止めとして、使われる事が多いようです。鎮痛効果はモルヒネに比べて劣りますが、そのぶん副作用も緩くなっています。
代表的な使われ方は、デュロテップパッチです。デュロテップパッチは、フェンタニルを含んでおり、強い痛み止めとしては初めての貼り薬です。モルヒネとの相性がよくないために、モルヒネの副作用(吐き気・便秘など)がいつまでも強くあらわれてしまい、モルヒネを十分量使用することができないような場合にデュロテップパッチを使います。

オキシコンチン錠

オキシコンチン錠は、オキシコドンを含んでおり、効き目が長く続くように工夫をこらした錠剤です。
オキシコンチン錠は麻薬に指定されている効果の強い痛み止めですが、起こる可能性の高い副作用としては、モルヒネと同じく吐き気・嘔吐、眠気、便秘が挙げられます。
効果としては、モルヒネを使うほどの激しい痛みではない強い痛みの場合に、フェンタニルの代用として使われる事が多いようです。

急性時の治療薬と言えば、FOY、フサン、ミラクリッドの三つが定番で日本での治療では必ずと言っていいほど使われています。(他方、日本以外では使われることはありません。発売すらされていません)

前にも一度触れたのですが、

膵臓からは、トリプシンなどの酵素(酵素の中でも、「タンパク質を切断する酵素」をプロテアーゼと呼びます)が分泌されます。もともとのトリプシンの働きは、胃を通り抜けたタンパク質を切断して、消化管から吸収されやすくすることです。膵管から正常な状態で流れ出している間は、問題なく働いているのですが、膵管が石で詰まったり、膵管が細くなっていてスムーズに流れなくなっていたりしてあふれ出すと、トリプシンは膵臓自身や消化管を構成するタンパク質を消化してしまうことがあります。

この状態を膵炎といいます。急性膵炎は、非常に危険な病態で、臓器の消化が進み、適切な処置がされないと死亡に至ることもあります。なので、迅速にこのトリプシン酵素を押さえ込まなければなりません。

この時に使われるのが、プロテアーゼの働きを抑制する薬=蛋白分解酵素阻害薬です。

フサン   (鳥居薬品、主成分メシル酸ナファモスタット、3,867円)
ジェネリック
       ロナスタット、ナオタミン、ナファモスタット、バスロン、
       コアヒビター、ナファン、モスタート、オプサン、ブセロン、
       サメット、べラブ、ブイベル、ナファタット、ナファストン、
       ストリーム、ファモセット、(712~1,227円)

FOY    (小野薬品、主成分メシル酸ガベキサート、985円)
ジェネリック
       レミナロン、パナベート、ソクシドン、エホバミン、メガサード、
        ブロビトール、アガリット、アロデート、メクロセート、
        バナベート(117円~357円)


ミラクリッド (持田製薬、主成分ウリナスタチン、3,177円 )
ジェネリック
      ブラドール ユーティニン エストチン ラインクルト
最終更新:2008年04月17日 11:07