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タクラマカンシナリオ-地域背景ストーリー

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hachu

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タクラマカンシナリオ-地域背景ストーリー


今回は長いですよ。
前半単なる教養譚だと思ってたんですが、だんだん別の方向にながれていきます。
そのうちタクラマカン地下ダンジョンとか天山山脈ダンジョンとかできるのかなー。


広いアジアの中央に位置し、三つの文化文明圏がお互いに集まって調和している派手な幻想の都市和田。その北部に広く荒い砂漠が位置している。
さらにその北にははるかに高い障壁、天山山脈が砂漠北方の地と空を塞ぎ、生命の存在を拒否するような鋭い砂嵐はこの呪われた地をさまよう存在の足跡を消していく。

ここには不毛な西域の砂漠や凍りつくカラコラムの寒さを勝ち抜く旅人ですら入ることを拒絶するタクラマカンと呼ばれる砂漠がある。
今はこのような荒れた砂漠である場所だが、遠い過去にはタクラマカンは本来南方の貿易とし和田が大陸の中心地として興るずっと前から人間が住んでいる、いわば桃源郷のような地であった。
全ての生命に祝福がおろされたように、大地と空気は豊かで肥えており、また美しかった。
この地の生命は生命を営むのに不足が無く欲心が起きず、それゆえにお互いの争いも起きなかった。
この祝福を受けた大地の上に派手な文明と文化の花を咲かせた古代王朝があった。
戦争も犯罪も無く、これに備える軍隊や兵士が必要なく、洪水や日照りなどの災いが何なのかすら分からずに過ごした民達は何ら心配も無かった。
この大地に下ろされた豊穣は全て王国を貫く大河であるアナヒタ川の祝福である。
しかし、このように長く続いた平和は人間による堕落によって崩れてしまう。

権力層である王族や貴族はもちろん、一般市民までもが安逸さや怠惰に落ち、生命と自然に対する尊敬心は享楽と堕落の道具へと変質していく。
王国の水がめであるアナヒタ川や湖のみずは無闇に汚されて大地に振りまかれた。
大地に振りまかれた水は人間が安逸さや怠惰の中で現れたあらゆる汚く醜い本性にて汚染され、またアナヒタ川に流れて大地の全ての水源を汚した。
このような事態の中でもこれを心配して民に警鐘を鳴らす一部族がいた。

彼らはアナヒタ川の母である豊穣の女神アナヒタに仕える信徒でアナヒタの子孫と呼ばれた。
アナヒタの子孫達は負うと民が豊穣を授けた女神の恩恵を忘れ、堕落と享楽で彼女の体を汚しているので、それによって女神が怒っていると説得した。
女神の怒りはすぐにでも想像すらできない巨大な災いとして人間達に罪を問うはずなので、水と自然と生命を大切にし、全ての堕落したものを浄化させることを強調した。
しかし彼らの主張は信徒ではないほかの人々にはうわごとにしか聞こえなかった。
彼らから災いという言葉が消えて久しく、今の快楽だけが永遠のものだと思っていた。
無論自分達のそんな堕落した快楽を邪魔するアナヒタの子孫達こそ世間の怒りを受け、この快楽の地を追い出されて苦痛の地で泣き叫ぶものだと信じていた。
しかし、そのような中でもアナヒタの子孫の努力で自分達の過ちを悟り、彼らの隊列に合流する者が一人二人と増え始める。
このような事実を聞いた王朝の王族と貴族達はこれ以上彼らを無視することができなくなった。
それまで存在しなかった軍隊や兵士を組織し、アナヒタの子孫達を徹底的に弾圧した。
生命の尊さが失われてから久しく、彼らは残忍に殺害され大地にばら撒かれた。

アナヒタの子孫達は兵士達を避けて布教を続けたが、彼らの中で一部強硬派の信徒達は、こんな目にばかり会う説得に対して会議を始める。
死んだ自分達の仲間に対して復讐心を起こし、自分達だけでも生きていなければならないという利己心が起きる。
結局彼らは決断に迫られる。
純粋な肉体と心を持った18歳の娘9人をアナヒタ川に捧げ、彼女の呪いが下されたあとにも自分達だけは未来の保障を受けようとしたのである。
彼らは自分達以外の仲間にはこの事実を隠し、数日間密かに王国を歩き回って生贄となる娘を選定し、新月のある日、彼女達を一度に拉致するに至る。
彼らは拉致した娘らを気絶させたままアナヒタ川の絶壁へと向けた。
女神に対する祈祷を終わらせアナヒタ川に向けて彼女らを投げ込もうとしたとき、一歩遅れてこの事実を知った王国の兵士らにこれを阻止されてしまう。
そして娘達の代わりに虐殺された彼らの血が川に振りまかれてしまうのだった。

一年後、王国にすさまじい砂嵐が吹き始めた。
この肥えた土地のどこから吹いてくるかも分からないおびただしい砂が大地を残忍に裂いて一日二日、十日たっても止まる気配が無かった。
豊かだった川と湖は砂に埋もれ、人間の居住地も徐々に砂の中へと消えていく。
こうしてひと月の間王国を荒らした砂嵐が過ぎ去ると、あたりは砂以外には何も見えなくなった。
生き残った人間はまた自分達の基盤を復旧し始めた。
しかしその中にはアナヒタの子孫達は見えなかった。
洪水に皆死んだのか、そうでなければあらかじめ避難したのかはわからなかったが、残っている人間は自分達を破滅させたのが彼らだと信じて呪った。
砂嵐が過ぎ去ると日照りが始まった。王国に二度と雨が降ることは無くなった。
地は不毛で砂になり、生命は水を探すことができずにその場所を立ち去った。
そして十余年がたち、タクラマカンは死だけが残った砂漠になってしまう。


アナヒタの子孫は女神の引導を受けて地下の居住地を作り、砂暴風を耐えていた。
タクラマカンの大河アナヒタ川の地下水源を元に地中深く潜り、アナヒタ女神が信託で知らせた地下の空間を見つけた。
そしてそこで深い場所にある天然の地下水路を見つけ、アナヒタの女神に感謝した。
彼らは地中の空洞部を見つけた場所を上層部、地下水路を見つけた場所を下層部と呼び、すぐに上層部に自分達が住めるような居住地を作り始めた。
彼らの居住地は地上での派手な文明とは程遠い生活最小限の開発のみをし、それ以外の部分は、彼らが発見した当時そのままを維持しようと思った。
与えられた環境を楽で贅沢に暮らすために開拓することこそが地上人を堕落させた悪の根源だと思ったからである。
居住地の工事が終わると今度は地下水路に目を向ける。
アナヒタ女神の信託によって彼らは地上が水一滴も来ない死の大地に変わることを知っていた。
そして自分達が生き残るには女神が導いたとおり水路を管理する必要があったのである。
最小限の開発と工事の結果、全ての水源を統制して管理することができるようになった。
また、彼らは徹底的に禁欲的な信仰と生活として、一つの有機体にも似た共同体生活をした。
上層部と下層部は長い階層型通路でつながれ、上層部は地上とつながった三つの通路があった。
地上生活初期、この通路は信徒達がいつか地上に出られる日に対する期待を膨らませて入り口を硬く閉め、地上からは発見されないように偽装をしていた。
こうして彼らは砂嵐と日照りを勝ち抜いて生き残りはできたが、光がほとんど照らない地下の中で僅かなたいまつに寄りかかり、最小量の水と地中の虫、こけ、茸などで生命を維持してきたせいで、肉体的、精神的に弱まっていった。
彼らは地上に残っている人間が自分達を呪っているということを知っていた。
もう精神的にも衰弱しきり、これ以上アナヒタ女神の信託を伝達する信徒と呼ぶこともできなかった。
ただ生き残るために、地上人の復讐を避けるために地上に通る最後の通路さえ自らふさいでしまった地下の弱い人間であった。
しかし彼らの恐怖心の源泉の門まで阻むことはできなかった。
地上で自分を呪っている人間達が今すぐにでも門をくぐって自分達の目の前に現れ、残忍な殺戮劇を起こすかもしれない。
地下人は恐怖心を押さえつけるために自分達の居住地に行く門に迷路を作った。
開拓と開発を罪悪とした彼らの信仰はすでに影も形も無かった。
彼らの居住地と入り口の間の通路は日増しにその数が多くなり、それに比例して複雑になっていった。
時がたつほど彼らの恐怖心は大きくなり、その恐怖心が迷路を終わりが分からないほど複雑にしていった。
こうして数十年がたち、アナヒタ神の約束した999年の一割もたたなかった頃、地上では人々が自分達とこの地に下した呪いが自分の代では解けないと悟り、自分の過ちを悔やんで故郷をたとうとしていた時・・・。


地上の生活を偲んでいたヤルカンという一地下人は、虚弱になっていないのは自分だけだと仲間達を軽蔑していた。
今にでも地上に上ってもっといい生活をすることを望んだ。しかし地下人はヤルカンの意見を無視した。
彼らにはもうきえてしまった信仰であるが、女神が約束した豊穣のその日が来るまでは絶対に地上に上ってはいけないという警告だけは忘れていなかった。
もしこれを破った場合、女神の最後の慈悲すら消えて生き残ることができず、この地に二度と過去の栄光が来ないことを信じていたからである。しかしヤルカンの決心はもうその警告を飛び越えていた、
自分のような考えを持って息を殺していた人々を説得して軍隊を組織し、その力を使って地下人を皆殺しにして入り口を通って地上に出た。
地上に出たヤルカンと地下人は久しぶりの、しかしあまりにもひしと照りつける陽光に驚くが、地下での余勢を駆ってタクラマカン地上に残った人間達でさえ征服した。
そして征服した人間の労働力を奪い、派手な砦を建設し、地下の水源から水を引き上げる大規模工事を無事に終える。
こうして彼らが過去には反対だと説得した快楽と堕落の生活に落ちた。
地上の人間は水を得るために敢えて彼らに抵抗せず、ヤルカンの奴隷へと転落する。


一方皆殺しにされたと思っていた地下人の数十人は生き延びていた。
どうしても昔の仲間を斬ることができず、目だけをくりぬいたまま生かした兵士がいたのであった。
数十年を僅かな明かりのみを頼りに暮らしていた彼らには目の生涯は大きな問題ではなかったが、仲間の裏切りと、もうアナヒタ女神からの救援がもらえないという事実に絶望したのだ。
彼らは地下水の一番深い水源に身を投げて自殺を試みた。
しかし水路に流され、ある場所に到着することになる。そこはタクラマカン北部、巨大な山々の天山山脈の地下であった。
山脈下の巨大な空間の中で彼らが出会ったのは、人間ではない他の知性体が興した文明の後であった。
今ではあらゆるものが切られてあばらになっており、以前の姿を見ることは大変だったが、人間ではない他の存在が都市を作って文明を成した後、奇妙な文様と図形で成り立った正六面体のブロックが神秘的でうつくしく配置された跡を植物が覆いかぶさり、はるか高くにある洞窟の天頂儀の穴からは暖かい光がしみこんであらゆる幻想と伝説の動植物が栄えていた。
彼らは知ることができなかったが、数億年の前にこの地を支配した恐竜という存在もまたこの空間で住んでいた。
たとえここに到着した地下人にこれらを眺める目がなかったが、彼らはここで感じ取る生命の活気に満ちていることがわかり、湧き上がる無限の力の渦に感激した。
自分達が仕えた女神アナヒタの地に到着したと信じ、彼女が施した祝福を褒め称えた。
彼らは自ら女神と信じたその構造物の前で人間以上の力を得た。
目を失ってまでも信徒としての責任を果たした者達に下された、光よりも大事な力と信じた戦闘とのろいの黒い力であった。
力を得た地下人はまず彼らが住んでいた昔の基盤を道でつなぎ、自分達を裏切って地上に上がってあらゆる光栄を享受する人々を呪い、彼らが地上に連結した水源に自分達が新たに得た力を使ってのろいの力を流し込んだ。
この水を飲んだ地上人はすぐに呪いにかかった。
体の中の全ての水分が地獄の苦痛と共に蒸発してしまい、これ以上人間としても生きていけず、自ら命を絶つこともできなくなり、生きているほかの人間の血を求めるようになった。
こうしてタクラマカンは生き物が全て消え、死んだが死ぬことができない呪われた存在によって覆われ、他の場所の呪われた存在もそこを追い出されてから、ここへ訪ねるようになった。

復讐を遂げた目のつぶれた地下人は、自らアナヒタだと信じた存在に仕えてその場所に定住した。
地上が呪われたもので覆われた頃に生まれ始めた目のつぶれた地下人の子孫達は両親と同じく目と光のかわりに戦闘と呪いの黒い力を持って生まれ、そこに同化していった。
彼らの得た力は決して美しい力ではなかったが、彼らが復讐を成した後ではその力を使う相手が存在しなかった。

彼らが仕えた存在は豊穣の善良な母女神アナヒタでは決してなかった。
人間ではないほかの存在から来た、本来の力を失って眠っていた恐怖を支配する存在であった。
目のつぶれた地下人がこの存在から受けた力を利用して呪いをかけ、地上であらゆる恐怖がおきると、その恐怖を得て力を取り戻して目を覚ました。
目がつぶれた地下人は反抗や対抗をするまもなくその存在に蝕まれた。
蝕まれた彼らの人性は世間の全ての邪悪なもので汚染され、彼らの肉体はほかの軟弱で善良な存在に恐怖心を起こさせる様な無残でいやらしい外貌と破壊的な力を持つように変化した。
恐怖を支配した存在はより多くの恐怖を起こすために地上へ大規模信仰を計画した。
そうするためには自分のために血を振りまく存在が必要であった。
天山山脈にはもう、異形の邪悪なものと過去には人間だったものでいっぱいになった。
やがて人間から吸い取る恐怖心という食事を期待して噴出す邪悪な貪欲が天山山脈にうねるが、人間には自分達に近づく災いが分からなかった。
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