小アジア#2-キャプテンアイビー
小アジアのレベル30ボスのアイビーの独白形式の文です。
オネーチャンの独白文章なんて書けないので訳がめためたですんません(´・ω・`)
次回から中国PCの紹介、そして虎女の話にうつります。
オネーチャンの独白文章なんて書けないので訳がめためたですんません(´・ω・`)
次回から中国PCの紹介、そして虎女の話にうつります。
前回記事と合わせて参考:Wikipedia:カッパドキア
我が記憶は赤一面
私の母は私を産んでから死んだ。私が生まれた時に見た母の血、それが私の始めての赤い色であった。
私には母がいなく父と一緒に育った。父は私のために苦労したという。何も分からず乳をほしがり泣く 私のために町内のおばさん達に世話になったといった。
そのためか私は自分勝手であった。私になんでもさせた父のために私は何をしてもいいと思った。
それで家の品物を持っていく兵士たちに反抗をした。父の体が痛くて仕事へでることができなかったと き、怖い顔つきの兵士たちが家に入ってきて家の品物を持っていこうとした。私は彼らが泥棒だと思っ た。
何の泥棒が昼間に家に来るかと叫び、私は突き飛ばされた。
ベッドで横たわっていた父が部屋の扉を開けてくる彼らを見た。怒った父は兵士に殴りかかったが兵士 たちには当たらず逆に兵士が父を殴った。そして帰った。全身血まみれになりながら。
涙が流れ、血の赤黒い色が薄くなった。しかし私の心の苦痛は濃くなった。
ありがたいことに町内の人々が父の墓を作ってくれた。石数個で作ったみすぼらしい墓であったが一人 では作ることが出来なかったのでありがたいことであった。
そして私は遠い親戚に送られた。
初めて船に乗った。しばらくの間だったが涙が出なかった。私は海が良かった。とくに夕陽の赤い光が 漂う夕焼け空の海が。
船の到着した場所は派手な建物の多い都市であった。特に丘の上に建てられた大きな聖堂の姿は印象的 であった。
母の遠い親戚というその男は飲んだくれであった。結婚したとは言うが一人で住んでいた。仕事もせず に遊んでばかりいながらどこから金が出るのかいつも酒を飲んでいた。私は飢え死にしたくなく仕事を した。10にもならない幼い女の子がすることは当然なかった。町内を歩き回り、雑事や物乞いをして食 べ物にありついた。
しかし、夜が怖かった。家に帰ると酒に酔ったその男は私を殴り、私は全身にいつもあざが出来ていた 。ある時は気を失ったこともあった。そのような日々が数年たった。その日に限ってその男の機嫌がよ さそうに見えなかった。不吉な予感がした私は逃げた。しかしすぐにつかまり殺されそうになるぐらい 殴られた。到底耐えることができなかった。そして抵抗をした。そのまま手に持ったものをでたらめに 振り回した。わたしは生きたかった。父が守ってくれた命をこんなことで終わらせたくはなかった。そ してまた赤黒い色に出会った。
その男は私が振り回した刀に刺されて死んだ。彼が流した血はやはり父と同じ色であった。信じられな かった。どうしてその男に父と同じ色の血が流れているのか。その赤い色を見ながら私は混乱に陥った 。しかし今度は涙が流れなかった。
私は無罪だといってすぐに釈放された。その男がいない世界は天国のようであった。そして天国には天 使がいた。
彼は私の店で働く店員である。しかし私にとって彼は天使であった。私は敢えて天使を愛する罪を犯し た。天使も私を愛してくれた。私のようなつまらない女を愛してくれた。あまりにもうれしかった。
そして私は天使に全てのものを捧げた。私の心、私の金、私の体までも。そして私たちは結婚を約束し た。彼にも家族がいなかったので村初めの小さな聖堂で二人だけの結婚式を挙げることを約束した。生 まれて初めて幸せだと思った。しかし彼は式には現れなかった。
私の心も私の鐘も全て持ち去って彼は消えた。残ったものは彼の子供だけであった。
とても痛かった。記憶がはっきりしないぐらい痛かった。とても痛くて子供が迷子になったことにも気 づかずに気を失った。世間を見ることも出来なかった私の子供は私の体の中の赤い記憶のみを持ったま ま苦しんで死んだ。子供がかわいそうであった。その子供が残した赤い血に触れながら許してくれと祈 った。そして男を憎悪した。
男たちを見たくなかった。彼らと一緒に息をすること自体が嫌だった。私には女だけがいる空間が必要 であった。彼らの匂いだけしても反吐が出た
そして自分が入れる場所をさがした。
はじめは食べ物を盗んだ。あまりにも空腹であった。そして市場に売っている赤いりんごはあまりにも 欲をそそるほど見事であった。私はその赤い光を眺めてばかりいた。ただ私の記憶の中にはりんごの赤 い光だけがあった。われに返ったときには私は監獄にいた。
男がいないそこでの生活は天国であった。そしてすぐにまた罪を犯すことになった。そして私はまた盗 みに手を出した。今度は店に並んでいた美しい赤い光の高い服であった。そしてまた天国に帰った。
ところがいつからか私の天国に悪魔が忍び込んできた。その髪が長くて唇の赤い女は私に会うや否や平 和を破った。結局耐えられずに私も抵抗をした。
そこは赤い煉瓦が積んである焼却炉であった。悪魔が再び私をいじめた。私は抵抗した。そして悪魔を 打ち破った。悪魔が流す赤い血を眺めながら私は勝利の歓呼をした。その後私は永遠に監獄に入れられ ることになった。
戦争が起こったことを聞いた。そして監獄にいる人々も戦争の手助けをしなければならないと聞いた。 そして私の天国は消えた。
私は食べ物を運ぶ仕事をした。男たちがいるそこは大嫌いであったが死ぬことも出来なかったので私は 生きていった。
戦地ではあったが敵と争う場所とは距離が遠くて部隊は平穏だった。
そんなある夜月が赤く輝いていた夜であった。赤く変わった月を見て人々はざわめき、輝かない月のた めか周辺はとても暗かった。人々は赤い月を縁起でもないといったが私はその赤い月が良かった。それ をずっと眺めていた。
ふとどこからか悲しい赤い月を慰めるための慰安の歌が聞こえてきた。その歌は私を引き寄せた。赤い 月よりも私を引き寄せたその歌を誰が歌うのかを知りたく私はそこへと向かった。思い描いた。赤い服 を着た男と巨大な鷹が一緒に唄を歌う姿を。
男はハープを演奏していた。そして鷹は単純に音を出すだけだったが人が唄を歌うようであった。私は その姿をしばらくのあいだわれを忘れて眺めた。唄が進むと男はダンスをはじめ、彼の赤い服はまりで 赤いバラの花びらが飛び散るような感じがした。
唄が終わった時私は我を忘れて拍手を送った。そして彼と目が合った。彼と話をしたかったが、彼が男 という事実が私を止めた。そして軍隊まで走って帰ってきた。
数日間その男と鷹の姿が頭を離れなかった。そして数日後私は彼らを見た場所まで行った。彼らはいな かった。しかしなんだか待てばまた会えるような気がして待った。そのうちに眠ってしまった。
幸せな夢を見た。幼いころ以降そんなに楽に眠ったことは初めてだった。目が覚めたとき私は草地に横 になっており赤い服が私を覆っており鷹が大きな羽で私を暖かく抱いていた。
驚いておきた私を鷹が暖かい目で鎮めてくれ、遠くから鷹を眺めているその男の目つきも温かかった。
その男はしゃべることが出来なかった。しかし文章を書くことは出来たのである程度の話は出来た。男 の名前はピヨル、鷹の名前はドレークだった。私は毎晩こっそりと軍隊を抜け出して彼に会い、本当に 幸福な時をすごした。
ある日のこと、私がいる部隊は後方補給部隊といった。そして敵軍の進入がないといわれていた。しか し敵が侵入してきた。敵の数は多くなかったが私たち部隊は兵士よりも奴隷や囚人のほうが多かったの でまともに戦うことの出来る人がほとんどいなかった。人々が死んだ。赤い色が四方に飛び散った。
私は恐ろしかった。初めて死ぬことが怖いと思った。これ以上ピヨルとドレークに会えないかもしれな いということが恐ろしかった。そして走った。後ろも見ないで走った。彼らがいる場所へ。そして彼ら に会った。
しかし私が逃げ出すのを見た敵一人が私を追い、私の姿を見つけた。ドレークが否妻のような速さで攻 撃して敵を倒したが、もうその敵は仲間に合図を送った後であり、やや経って私たちは敵に取り囲まれ た。
ピヨルとドレークは良く争った。ピヨルの腕に隠されていた二つの小さな石弓は大きな威力を発揮し、 ドレークも鷹とは思えないほどの強さで敵を打ち破った。
私のせいであった。ピヨルが死んだことは。私が初めから役に立つつもりさえしなければ彼は死ななか ったはずだ。その時私は死ななければなかった。
私は彼らの役に立ちたかった。そして周辺に倒れた敵の石弓を取ろうと動いた。そして私は守っていた 彼らの範囲を出てしまった。敵は機を逃さずに私に矢を飛ばし、その矢で私は死ななければなかった。 しかしピヨルが変わりに矢に当たった。私の血の変わりに彼の血が地面をぬらした。ピヨルの血はやは り父のように赤黒い色であった。
結局ドレークと私だけを残して全て死んだ。部隊の人まで全て。
敵の侵入の連絡を受けて遅くに到着した周辺部隊の人々は大きな鷹と一緒に泣きながら墓を造っている 私の姿に仰天したという。
その後自分が敵を全て打ち破ったと判断した部隊では私を囚人から傭兵部隊の兵士に任命してくれ、私 は軍人になった。
軍人の生活は囚人よりましであった。男を嫌がる心も消え、鷹も私のそばにいたので大きな問題は起こ らなかった。
そして兵士としての生活を4年過ごしたとき、私にその事件が起こった。
いつも異民族の相手をしていた私たちの部隊に、船に乗って小アジアに渡り反乱軍を打ち破れという命 令が下った。反乱軍の噂は方々で聞くことはあったが実際に存在することは知らなかった。
正規軍一部隊と傭兵部隊一部隊が小アジアに渡り、反乱軍と戦い始めた。
しかし反乱軍は戦闘の出来ない人々のようだった。武器を持ってはいたがそれをまともに振り回すこと も出来ずに死んだり捕虜になったりした。戦いはすぐに終わり反乱軍はあっという間に崩れた。一週間 もせずに小アジアでの戦闘は終わった。
捕虜は正規軍とともにコンスタンティノープルへ送られ、私たちの傭兵部隊だけが残りカッパドキア地 域に隠れていた残党を相当する命令が与えられた。
カッパドキアには洞窟が数え切れないほど多かった。そして私たちは散らばって残党を探した。二人一 組であったが私はドレークと一緒に行動したので一人で動いた。仲間たちもドレークの強さを知ってい た。そして反乱軍の親分を探した。
反乱軍の親分は思ったよりも弱かった。顔はやつれていて青白く、身はからからに乾いていて触れるだ けでも倒せそうであった。それでも力強く抵抗した。しかし私とドレークの同時攻撃を受け止めること が出来るものは帝国の騎士の中でも少なかった。
親分を殺すつもりはなかった。彼は武器すら全て奪われた状況で私に飛び掛っている途中、ドレークの 足の爪に命を失った。こうして反乱軍の親分は死に、反乱軍の討伐は終了した。
死んだ親分の死骸を処理する前にいつものように私は戦利品を集めるために彼の懐を探している途中ネ ックレスを一つ手に入れた。変な文様が描かれていた。高く見えなかったがなんだか気に入った。そし て懐に入れた。
小アジアでの全ての仕事が終わりコンスタンティノープルへ帰るために私たち部隊は船を待って船場近 くで一晩過ごすことにした。そしてその晩私は彼に出会った。悪魔のように姿が映ったピヨルを。
宿所の外で私を呼び出した彼の姿はどうもぎこちなかったが、私は彼の存在を感じることだけでも良か った。
彼は私に強い力を与えることが出来るといった。そして私の赤い記憶も終わらせることが出来るといっ た。変わりに私の魂を自分にくれといった。
私には強い力も赤い記憶も必要がなかったが明らかかなことは彼と一緒にいたいということだけであっ た。
そして彼の言葉についていった。彼が言うとおりにネックレスを動かして力を手に入れ、私の魂を彼に 捧げた。そして強靭な力を手に入れた。
彼の与えた力は私の言葉に絶対服従の部下たちを呼び出すことであった。
彼らを利用してピヨルが言うとおりに傭兵部隊を全て殺した。長年の仲間であったがそれでもピヨルよ りももっと大事であった。
ところで、ドレークがピヨルを見ることは出来なかった。むしろ彼の存在を感じるたびに目を恐ろしく 輝かせて攻撃しようとした。
多分あまりにも久しぶりすぎて彼のことを忘れているだけだと思った。
ネックレスから現れた部下たちは戦闘は上手だったが水が嫌いであった。そして海岸へは近づこうとも しなかった。
それで周辺化遺族たちをドレークと一緒に屈服された。ピヨルの与えた力は私をより一層強くしてくれ たので彼らを屈服させることは難しくはなかった。海賊たちを屈服させることはやはりピヨルの考えで あった。屈服させた海賊たちを連れてトロイ海岸ですら占領した。そして私の要塞を作った。
私の部隊には適当な名前が必要であった。そして私は私と私の部下たちをイビルオーダーと呼び、要塞をイビルオーダーと呼んだ。気に入る名前であった。
海賊たちの服がとても気に入った。そして服も彼らのようなものをきることにした。
今私はキャプテンアイビーと呼ばれ、小アジアを支配している。
ピヨルと一緒にいられる今が幸せである。ドレークが前のように彼になつけばもっとすばらしいのだが。
我が記憶は赤一面
私の母は私を産んでから死んだ。私が生まれた時に見た母の血、それが私の始めての赤い色であった。
私には母がいなく父と一緒に育った。父は私のために苦労したという。何も分からず乳をほしがり泣く 私のために町内のおばさん達に世話になったといった。
そのためか私は自分勝手であった。私になんでもさせた父のために私は何をしてもいいと思った。
それで家の品物を持っていく兵士たちに反抗をした。父の体が痛くて仕事へでることができなかったと き、怖い顔つきの兵士たちが家に入ってきて家の品物を持っていこうとした。私は彼らが泥棒だと思っ た。
何の泥棒が昼間に家に来るかと叫び、私は突き飛ばされた。
ベッドで横たわっていた父が部屋の扉を開けてくる彼らを見た。怒った父は兵士に殴りかかったが兵士 たちには当たらず逆に兵士が父を殴った。そして帰った。全身血まみれになりながら。
涙が流れ、血の赤黒い色が薄くなった。しかし私の心の苦痛は濃くなった。
ありがたいことに町内の人々が父の墓を作ってくれた。石数個で作ったみすぼらしい墓であったが一人 では作ることが出来なかったのでありがたいことであった。
そして私は遠い親戚に送られた。
初めて船に乗った。しばらくの間だったが涙が出なかった。私は海が良かった。とくに夕陽の赤い光が 漂う夕焼け空の海が。
船の到着した場所は派手な建物の多い都市であった。特に丘の上に建てられた大きな聖堂の姿は印象的 であった。
母の遠い親戚というその男は飲んだくれであった。結婚したとは言うが一人で住んでいた。仕事もせず に遊んでばかりいながらどこから金が出るのかいつも酒を飲んでいた。私は飢え死にしたくなく仕事を した。10にもならない幼い女の子がすることは当然なかった。町内を歩き回り、雑事や物乞いをして食 べ物にありついた。
しかし、夜が怖かった。家に帰ると酒に酔ったその男は私を殴り、私は全身にいつもあざが出来ていた 。ある時は気を失ったこともあった。そのような日々が数年たった。その日に限ってその男の機嫌がよ さそうに見えなかった。不吉な予感がした私は逃げた。しかしすぐにつかまり殺されそうになるぐらい 殴られた。到底耐えることができなかった。そして抵抗をした。そのまま手に持ったものをでたらめに 振り回した。わたしは生きたかった。父が守ってくれた命をこんなことで終わらせたくはなかった。そ してまた赤黒い色に出会った。
その男は私が振り回した刀に刺されて死んだ。彼が流した血はやはり父と同じ色であった。信じられな かった。どうしてその男に父と同じ色の血が流れているのか。その赤い色を見ながら私は混乱に陥った 。しかし今度は涙が流れなかった。
私は無罪だといってすぐに釈放された。その男がいない世界は天国のようであった。そして天国には天 使がいた。
彼は私の店で働く店員である。しかし私にとって彼は天使であった。私は敢えて天使を愛する罪を犯し た。天使も私を愛してくれた。私のようなつまらない女を愛してくれた。あまりにもうれしかった。
そして私は天使に全てのものを捧げた。私の心、私の金、私の体までも。そして私たちは結婚を約束し た。彼にも家族がいなかったので村初めの小さな聖堂で二人だけの結婚式を挙げることを約束した。生 まれて初めて幸せだと思った。しかし彼は式には現れなかった。
私の心も私の鐘も全て持ち去って彼は消えた。残ったものは彼の子供だけであった。
とても痛かった。記憶がはっきりしないぐらい痛かった。とても痛くて子供が迷子になったことにも気 づかずに気を失った。世間を見ることも出来なかった私の子供は私の体の中の赤い記憶のみを持ったま ま苦しんで死んだ。子供がかわいそうであった。その子供が残した赤い血に触れながら許してくれと祈 った。そして男を憎悪した。
男たちを見たくなかった。彼らと一緒に息をすること自体が嫌だった。私には女だけがいる空間が必要 であった。彼らの匂いだけしても反吐が出た
そして自分が入れる場所をさがした。
はじめは食べ物を盗んだ。あまりにも空腹であった。そして市場に売っている赤いりんごはあまりにも 欲をそそるほど見事であった。私はその赤い光を眺めてばかりいた。ただ私の記憶の中にはりんごの赤 い光だけがあった。われに返ったときには私は監獄にいた。
男がいないそこでの生活は天国であった。そしてすぐにまた罪を犯すことになった。そして私はまた盗 みに手を出した。今度は店に並んでいた美しい赤い光の高い服であった。そしてまた天国に帰った。
ところがいつからか私の天国に悪魔が忍び込んできた。その髪が長くて唇の赤い女は私に会うや否や平 和を破った。結局耐えられずに私も抵抗をした。
そこは赤い煉瓦が積んである焼却炉であった。悪魔が再び私をいじめた。私は抵抗した。そして悪魔を 打ち破った。悪魔が流す赤い血を眺めながら私は勝利の歓呼をした。その後私は永遠に監獄に入れられ ることになった。
戦争が起こったことを聞いた。そして監獄にいる人々も戦争の手助けをしなければならないと聞いた。 そして私の天国は消えた。
私は食べ物を運ぶ仕事をした。男たちがいるそこは大嫌いであったが死ぬことも出来なかったので私は 生きていった。
戦地ではあったが敵と争う場所とは距離が遠くて部隊は平穏だった。
そんなある夜月が赤く輝いていた夜であった。赤く変わった月を見て人々はざわめき、輝かない月のた めか周辺はとても暗かった。人々は赤い月を縁起でもないといったが私はその赤い月が良かった。それ をずっと眺めていた。
ふとどこからか悲しい赤い月を慰めるための慰安の歌が聞こえてきた。その歌は私を引き寄せた。赤い 月よりも私を引き寄せたその歌を誰が歌うのかを知りたく私はそこへと向かった。思い描いた。赤い服 を着た男と巨大な鷹が一緒に唄を歌う姿を。
男はハープを演奏していた。そして鷹は単純に音を出すだけだったが人が唄を歌うようであった。私は その姿をしばらくのあいだわれを忘れて眺めた。唄が進むと男はダンスをはじめ、彼の赤い服はまりで 赤いバラの花びらが飛び散るような感じがした。
唄が終わった時私は我を忘れて拍手を送った。そして彼と目が合った。彼と話をしたかったが、彼が男 という事実が私を止めた。そして軍隊まで走って帰ってきた。
数日間その男と鷹の姿が頭を離れなかった。そして数日後私は彼らを見た場所まで行った。彼らはいな かった。しかしなんだか待てばまた会えるような気がして待った。そのうちに眠ってしまった。
幸せな夢を見た。幼いころ以降そんなに楽に眠ったことは初めてだった。目が覚めたとき私は草地に横 になっており赤い服が私を覆っており鷹が大きな羽で私を暖かく抱いていた。
驚いておきた私を鷹が暖かい目で鎮めてくれ、遠くから鷹を眺めているその男の目つきも温かかった。
その男はしゃべることが出来なかった。しかし文章を書くことは出来たのである程度の話は出来た。男 の名前はピヨル、鷹の名前はドレークだった。私は毎晩こっそりと軍隊を抜け出して彼に会い、本当に 幸福な時をすごした。
ある日のこと、私がいる部隊は後方補給部隊といった。そして敵軍の進入がないといわれていた。しか し敵が侵入してきた。敵の数は多くなかったが私たち部隊は兵士よりも奴隷や囚人のほうが多かったの でまともに戦うことの出来る人がほとんどいなかった。人々が死んだ。赤い色が四方に飛び散った。
私は恐ろしかった。初めて死ぬことが怖いと思った。これ以上ピヨルとドレークに会えないかもしれな いということが恐ろしかった。そして走った。後ろも見ないで走った。彼らがいる場所へ。そして彼ら に会った。
しかし私が逃げ出すのを見た敵一人が私を追い、私の姿を見つけた。ドレークが否妻のような速さで攻 撃して敵を倒したが、もうその敵は仲間に合図を送った後であり、やや経って私たちは敵に取り囲まれ た。
ピヨルとドレークは良く争った。ピヨルの腕に隠されていた二つの小さな石弓は大きな威力を発揮し、 ドレークも鷹とは思えないほどの強さで敵を打ち破った。
私のせいであった。ピヨルが死んだことは。私が初めから役に立つつもりさえしなければ彼は死ななか ったはずだ。その時私は死ななければなかった。
私は彼らの役に立ちたかった。そして周辺に倒れた敵の石弓を取ろうと動いた。そして私は守っていた 彼らの範囲を出てしまった。敵は機を逃さずに私に矢を飛ばし、その矢で私は死ななければなかった。 しかしピヨルが変わりに矢に当たった。私の血の変わりに彼の血が地面をぬらした。ピヨルの血はやは り父のように赤黒い色であった。
結局ドレークと私だけを残して全て死んだ。部隊の人まで全て。
敵の侵入の連絡を受けて遅くに到着した周辺部隊の人々は大きな鷹と一緒に泣きながら墓を造っている 私の姿に仰天したという。
その後自分が敵を全て打ち破ったと判断した部隊では私を囚人から傭兵部隊の兵士に任命してくれ、私 は軍人になった。
軍人の生活は囚人よりましであった。男を嫌がる心も消え、鷹も私のそばにいたので大きな問題は起こ らなかった。
そして兵士としての生活を4年過ごしたとき、私にその事件が起こった。
いつも異民族の相手をしていた私たちの部隊に、船に乗って小アジアに渡り反乱軍を打ち破れという命 令が下った。反乱軍の噂は方々で聞くことはあったが実際に存在することは知らなかった。
正規軍一部隊と傭兵部隊一部隊が小アジアに渡り、反乱軍と戦い始めた。
しかし反乱軍は戦闘の出来ない人々のようだった。武器を持ってはいたがそれをまともに振り回すこと も出来ずに死んだり捕虜になったりした。戦いはすぐに終わり反乱軍はあっという間に崩れた。一週間 もせずに小アジアでの戦闘は終わった。
捕虜は正規軍とともにコンスタンティノープルへ送られ、私たちの傭兵部隊だけが残りカッパドキア地 域に隠れていた残党を相当する命令が与えられた。
カッパドキアには洞窟が数え切れないほど多かった。そして私たちは散らばって残党を探した。二人一 組であったが私はドレークと一緒に行動したので一人で動いた。仲間たちもドレークの強さを知ってい た。そして反乱軍の親分を探した。
反乱軍の親分は思ったよりも弱かった。顔はやつれていて青白く、身はからからに乾いていて触れるだ けでも倒せそうであった。それでも力強く抵抗した。しかし私とドレークの同時攻撃を受け止めること が出来るものは帝国の騎士の中でも少なかった。
親分を殺すつもりはなかった。彼は武器すら全て奪われた状況で私に飛び掛っている途中、ドレークの 足の爪に命を失った。こうして反乱軍の親分は死に、反乱軍の討伐は終了した。
死んだ親分の死骸を処理する前にいつものように私は戦利品を集めるために彼の懐を探している途中ネ ックレスを一つ手に入れた。変な文様が描かれていた。高く見えなかったがなんだか気に入った。そし て懐に入れた。
小アジアでの全ての仕事が終わりコンスタンティノープルへ帰るために私たち部隊は船を待って船場近 くで一晩過ごすことにした。そしてその晩私は彼に出会った。悪魔のように姿が映ったピヨルを。
宿所の外で私を呼び出した彼の姿はどうもぎこちなかったが、私は彼の存在を感じることだけでも良か った。
彼は私に強い力を与えることが出来るといった。そして私の赤い記憶も終わらせることが出来るといっ た。変わりに私の魂を自分にくれといった。
私には強い力も赤い記憶も必要がなかったが明らかかなことは彼と一緒にいたいということだけであっ た。
そして彼の言葉についていった。彼が言うとおりにネックレスを動かして力を手に入れ、私の魂を彼に 捧げた。そして強靭な力を手に入れた。
彼の与えた力は私の言葉に絶対服従の部下たちを呼び出すことであった。
彼らを利用してピヨルが言うとおりに傭兵部隊を全て殺した。長年の仲間であったがそれでもピヨルよ りももっと大事であった。
ところで、ドレークがピヨルを見ることは出来なかった。むしろ彼の存在を感じるたびに目を恐ろしく 輝かせて攻撃しようとした。
多分あまりにも久しぶりすぎて彼のことを忘れているだけだと思った。
ネックレスから現れた部下たちは戦闘は上手だったが水が嫌いであった。そして海岸へは近づこうとも しなかった。
それで周辺化遺族たちをドレークと一緒に屈服された。ピヨルの与えた力は私をより一層強くしてくれ たので彼らを屈服させることは難しくはなかった。海賊たちを屈服させることはやはりピヨルの考えで あった。屈服させた海賊たちを連れてトロイ海岸ですら占領した。そして私の要塞を作った。
私の部隊には適当な名前が必要であった。そして私は私と私の部下たちをイビルオーダーと呼び、要塞をイビルオーダーと呼んだ。気に入る名前であった。
海賊たちの服がとても気に入った。そして服も彼らのようなものをきることにした。
今私はキャプテンアイビーと呼ばれ、小アジアを支配している。
ピヨルと一緒にいられる今が幸せである。ドレークが前のように彼になつけばもっとすばらしいのだが。