編集:足立(07/02/08)


1992年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた地球サミットでは、「持続可能な開発」を実現するための行動計画として「アジェンダ21」が採択された。この第40章「意思決定のための情報」には、持続可能な開発の実現には意思決定の拠り所となる正確情報を計画的・継続的に収集・整備する必要があるとし、環境要素が適切に評価された指標体系の開発を求めている。これまでに開発された主な指標は以下のように分類できる(表○-○)。

表○-○ 持続可能な開発の指標

持続可能性

指標

語義:内容

経済的

GNNP (Green Net National Product)

グリーン国民純生産:国民純生産から自然資本の減耗分の価値額を引いた生産額の増加

ISEW (Index of Sustainable Economic Welfare)

持続可能経済福祉指数:所得分配、環境、家事労働や余暇などを考慮した1人当たり消費の持続的な増加

環境的

CEI (Core Environmental

Indicators) of OECD

OECD のコア環境指標:環境政策を分析するために、約50以上の環境関連指標を設定

ES (Environmental Space)

環境空間容量:ある資源の使用量、汚染の排出量に対する、一人当たりの許容限度

EF (Ecological Footprint)

エコロジカル・フットプリント(足跡):持続可能な生活に必要な一人当たりの土地面積

2005 ESI (Environmental

Sustainability Index)

環境持続可能性指数:21 の環境指標から2005 年現在の世界各国の環境状態を点数化し、ランク付けしたもの

社会的要素

を含む

HDI (Human Development

Index)

人間開発指数:平均寿命、教育達成度、1当たり実質国内生産から求められる指数

JFS (Indicators of Japan for Sustainability)

JFS 指標:環境・経済・社会・個人の4 つを軸にし、2050 年を目標値として、現在の状態を表す指数

SIS (Socio-ecological

Indicators for Sustainability)

持続可能性のための社会環境指標:資源抽出量、社会的に生産された物質の量は生態系の物理的な条件を満たしながら、人間のニーズに必要なものだけが効率的に生産されることが、持続可能な発展であるとし、そのための指標を15 提案

ISD (Indicators of

Sustainability Development)

持続可能な開発のための指標:経済・環境・社会・制度の4つの部門で134の指標を提案

資料:羅星仁(2006)を改変。
最終更新:2007年02月08日 17:01