①不法投棄対策の強化

特定家庭用機器の不法投棄は、重大な違法行為であり、実際に大きな社会的コストを発生させているのではないか。近年の特定家庭用機器の不法投棄台数は、約17万台(平成16年度、特定家庭用機器廃棄物の総排出量の約1%)となっており、家電リサイクル法の施行前後で比較すると、環境省の推計によれば、約12万台(平成12年度)から40%以上増加している。このような状況を踏まえ、家電リサイクル制度全般の見直しの中で、こうした不法投棄対策を強化するために、どのような方策を講じていくべきか。

②環境配慮設計の促進

環境配慮設計の促進は、拡大生産者責任の考え方に基づき、現行制度下で製造業者等が物理的な処理責任を負うことの大きな理由となっていることから、これまでの製造業者等の取組状況を評価するとともに、今後、企業間の競争を通じて、環境配慮設計を一層促進する観点から、制度の在り方を検討すべきではないか。

③3Rの推進

現行制度を3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進の視点からどのような成果があったか評価し、今後、この取組を一層充実させていく方策を検討すべきではないか。

④リサイクル料金の在り方

家電リサイクル法の施行以来、同一料金のまま変更されていない主要な製造業者のリサイクル料金について、実際にこれを負担している消費者理解促進の観点から、コスト状況を明らかにするなど、料金の決定根拠等の透明性を確保しつつ、市場原理の下で、料金が低減していくような制度を検討すべきではないか。また、リサイクル料金の負担方式について、排出段階で負担を行う方式(廃棄時負担方式)と販売段階で負担を行う方式(販売時負担方式)について、考え得る様々な方式のメリット・デメリットを比較検討すべきではないか。

⑤対象品目の在り方

現行法制定当時にはあまり普及していなかった液晶テレビの今後の普及状況等を踏まえた対応など、個別品目について、対象品目として追加すべきかどうか検討すべきではないか。その際、現行の特定家庭用機器の4つの要件(市町村による処理困難性、資源の有効利用性、環境配慮設計促進の可能性、配送品該当性)についての考え方を整理すべきではないか。

⑥再商品化率の在り方

現行の再商品化率の算定の考え方について、量的のみならず質的な観点から見直すべき点があるか。テレビのガラスカレットの海外における需給状況やブラウン管テレビの生産状況等の影響を十分勘案した上で検討すべきではないか。また、同じ処理内容でも再商品化率に算入されなくなるケースについてどう考えるか。

⑦効率的な収集運搬システムの整備

指定引取場所がA・B2グループに分かれている現在の引取体制、インターネット販売の増加等の販売形態の多様化の影響や義務外品への対応等について、関係者の役割、サービスの在り方等も含め、システムの効率化の観点から、検討することが必要ではないか。

⑧離島における収集運搬に係る負担軽減

離島地域においては、合理的な運搬等により収集・運搬料金の軽減に努めているものの、海上輸送を伴うため、その分、収集運搬料金が本土と比べて高くなっており、その負担軽減のための措置が必要ではないか。

⑨消費者等に対する普及啓発

消費者、小売業者、製造業者等の関係者に対し、家電リサイクル制度の趣旨、仕組み、成果や、消費者による適正な排出等の各主体の責務等について、効果的に普及啓発を行うにはどのような手法があるか。

⑩既存業者の取扱い

既存業者の処理内容の透明性の確保や、環境配慮設計の促進という観点を踏まえながら、製造業者等が再商品化義務を負うことを前提とした仕組みの中で、既存業者の取扱いについて検討すべきではないか。

最終更新:2006年09月05日 16:48