処理業者の情報提供
作成:足立(06.05.26)
更新:足立(06.06.01)
更新:足立(06.06.02)
排出事業者が適正な業者を委託先として選定するため、地域住民との密なコミュニケーションを図り信頼関係を築くためには、処理業者の情報公開が進むことは重要な用件の一つとなっている。そこで、現在処理業者の情報提供はどのような形で行われているかを以下で示す。
関西2府4県の産業廃棄物協会に加盟している処理業者のホームページ内の公開項目について独自で調査した。調査の結果、818件中161件(19.7%)の業者が自社ホームページを開設していた。会社の住所や資本金などの一般的な項目の公開は進んでいるが、処理料金や処理の実績などの踏み込んだ項目の公開はまだまだ進んでいないという結果を得られた。
優良性評価制度では、優良業者に認定されるためには、所定の情報を自社ホームページ内で公表していることが絶対要件とされている。絶対項目には、踏み込んだ情報も含まれており、制度の一層の普及により、情報の受け手にとって必要な踏み込んだ情報の公開も進んでいくことが予想される。
自社ホームページからの情報は誰もがいつでも手に入れることができる点において便利なものではあるが、処理業者によってはホームページ作成したものの情報の更新頻度はまちまちである。よってホームページを作成してから長時間情報の更新を行わない処理業者もおり、掲載されている内容と実際が違うということも考えられる。
処理業者によっては、地域住民や排出事業者などに見学会を行っている業者がみられる。文書化された情報も大事ではあるが、見学に行き直接見聞きする情報は大変有意義なものとなる。また見学会以外にも協議会の設置や、環境学習などにより情報を提供している業者もみられる。
表 見学フォームをホームページ上で作成している処理業者
業者名 |
特徴 |
家庭などから排出された生ごみを堆肥にリサイクルする「生ごみ循環エコロジーシステム」の見学ができる。 |
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廃プラスチックなどの圧縮施設、破砕施設や発泡スチロールの溶解施設などの見学ができる。 |
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参考:業者ホームページ
環境省の優良性評価制度、岩手県の格付け制度、東京都の報告・公表制度により行政主導でも、処理業者の情報公開を進めていこうという動きが見られる。これらの制度による情報提供は、一定レベル以上に優良な業者をリスト化され公表されているという点において、情報の受け手にとって容易に多くの情報を知ることができ、大変有用な情報提供の場となっている。しかし、いずれの制度も排出事業者が、これらの情報を元に処理業者を選定し、不適正処理などの不利益を被ったとしても責任を行政が補償するものとはなっておらず、排出事業者が情報を活用する際、排出事業者としての責任や注意義務が免除されるものではなく、自らの判断で処理業者の選定を行うことが必要である。
表 各制度の情報提供ページ
制度名 |
情報公開ページ |
優良性評価制度(環境省) |
産廃情報ネット(産業廃棄物処理事業復興財団)>情報開示支援システム |
格付け制度(岩手県) |
産業廃棄物処理業者育成センターホームページ>基準適合産業廃棄物業者一覧(※) |
報告・公表制度(東京都) |
東京都ホームページ>東京都産業廃棄物処理業者検索システム |
※適合業者かどうかの判断の基準である自己評価表での情報に係る項目の公開は、適合した業者の自社ホームページ、岩手県産業廃棄物協会のホームページ、産廃情報ネット等に掲載する方法でおこなわれている。
産業廃棄物処理業の業の許可を与えている自治体では、許可を与えた業者のリストを公開している。関西2府4県に限っては、提供している内容は同様のものであった。
表 関西2府4県の自治体ホームページでの業者リストでの公開内容
自治体名 |
公開項目 |
代表者名、許可番号、施設所在地、連絡先(TEL)、許可品目、処理方法、処理能力、許可期限 |
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和歌山リスト |
全国の産業廃棄物協会のホームページでは協会加盟業者のリストを作成しそこで一定の情報公開を行っている。
表 関西2府4県の産業廃棄物協会ホームページでの業者リストでの公開内容
協会名 |
公開項目 |
大阪協会リスト |
リストなし |
本社所在地、連絡先(TEL/FAX)、代表者名、業者ホームページへのリンク |
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本社所在地 |
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代表者名、連絡先(TEL/FAX)、許可品目、他府県での許可取得状況、許可番号、許可期限、施設所在地 |
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代表者名、施設所在地、連絡先(TEL/FAX/e-male)、許可番号、他府県での許可取得状況、業者ホームページへのリンク、 |
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代表者名、施設所在地、連絡先(TEL/FAX)、許可番号、許可期限、許可品目 |