岩手県格付け制度
作成:足立(06.05.26)
岩手県では、環境省の優良性評価制度に先駆けて平成16年9月から、独自の格付け制度を運用している。運営は県ではなく、知事が指定した「産業廃棄物処理業者育成センター」となっており、社団法人岩手県産業廃棄物協会育成センターがこの指定を受けている。このため、県が承認する一定の基準に基づき、産業廃棄物処理業者を、育成センターが格付けし、一定基準に適合した者を公表する制度となっている。
適合業者は、育成センター作成のガイドブック、県ホームページの許可業者名簿、協会発行の産業廃棄物処理業者名簿に掲載し、関係機関・団体、県民に広く公開される。
環境省の優良性評価制度では評価項目をすべて満たした場合のみ適合業者として認められるのに対して、岩手県格付け制度は、それぞれの評価項目に点数が割り当てられており、点数の合計によって3段階(★~★★★)にランクわけされる。また評価項目には必須項目がありこの項目をすべて満たすことは認定の絶対条件となっている。
また、優良性評価制度との整合性を確保するため、★★★ランクの必須項目には、優良性評価制度に対応する項目をすべて取り入れ、優良性評価制度にも適合する場合は「環境省評価制度を概ね満たしている」旨を認定証に表示するなどの配慮をしている。
表 自主評価表の評価項目の構成(表内がグレー色になっているものは必須以降目)
大項目 |
中項目 |
必須項目・評価項目 |
経済分野 32点 |
事業の継続性 6点 |
岩手県において、産業廃棄物の収集運搬及び処理を行う事業者で、岩手県の業の許可を取得しており、業務実績が1年以上ある。 |
岩手県において、産業廃棄物の収集運搬及び処理を行う事業者で、岩手県の業の許可を取得しており、業務実績が5年以上ある。 |
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自己資本比率が一定水準以上を維持している。 |
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債務超過に陥っていいない。 |
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経営マネジメント 4点 |
社内組織表において、実務業務に携わる部門と管理部門が分かれており、各部門の責任者が明記されている。 |
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危機管理体制 4点 |
事故などの緊急時の対応方法や連絡体制が記載されているマニュアルが整備されている。 |
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事務管理 6点 |
すべての排出事業者に関して施行規則第8条の4第2項の規定を満たした書面による委託契約がされている。 |
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すべての廃棄物について施行規則第8条21の規定を満たしたマニュフェストをしている。 |
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マニュフェストに必要事項がすべて記載されている。 |
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マニュフェストを5年間保管している。 |
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施行規則第10条の8の帳簿が整備されている。 |
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帳簿を5年間保管している。 |
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契約担当者及びマニュフェスト管理責任者が事務分掌等で明確になっている。 |
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顧客からの苦情等に対応し記録できる体制が整っている。 |
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各現場部門で作業日報を毎日記録している。 |
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許可申請書、許可証、諸届出、図面等の重要書類が保管されている。 |
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職員管理 4点 |
従業員は雇用保険、社旗保険に加入している。(社会保険は5人未満の個人事業者は除く) |
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職員カード等で勤務状況が管理されており、職員の勤務体制が確立されている。 |
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管理者と職員の業務面談等が行われており、記録が残されている。 |
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職員教育 8点 |
業の許可取得に必要な有資格者、及び講習修了者がいる。 |
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環境保全技術に関する資格を従業員等が取得している。 |
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産業廃棄物関係講習会を従業員等に受講させている。 |
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廃棄物の受け入れからリサイクル・処理の一連の業務に関するマニュアルが整備されている。 |
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環境分野 32点 |
環境マネジメントの構築 27点 |
育成センターの保証金制度に加入している。 |
ISO14001、エコアクション21、IES(ステップ2)の認証を取得している。 |
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環境汚染や災害発生に関する環境保険等に加入している。 |
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環境に関する取組 5点 |
いわて地球環境にやさしい事業所の認定を受けている。 |
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社会分野 36点 |
情報開示状況 20点 |
各種記録・資料が開示要求にすみやかに応じられるように資料整理している。 |
会社情報を開示している。 |
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許可の内容を公開している。 |
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財務諸表を公開している。 |
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料金内容を公開している。 |
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地域住民との共生 6点 |
地域住民からの苦情等に対応し、記録できる体制が整っている。 |
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地域住民との定期的な連絡会・説明会等によってコミュニケーションが図られている。 |
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事業所等の公開状況を公開している。 |
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表彰履歴 2点 |
過去に無労働災害、車輌安全運行、環境保全、リサイクルその他産業廃棄物業務に関する表彰を受けたことがある。 |
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過去の違反履歴 8点 |
法、浄化槽法又は令第4条の6に規定する法令の規定による不利益処分を受け、その不利益処分のあった日から2年を経過しない者に該当しない。 |
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法、浄化槽法又は令第4条の6に規定する法令の規定による不利益処分を受け、その不利益処分のあった日から2年を経過しない者に該当しない。 |
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過去2年間に法、浄化槽法又は令第4条の6に規定する法令違反による行政庁の文書指導(報告徴収は含まない)を受けていない。 |
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その他 |
その他 |
暴力団員を雇用していない。 |
法人で暴力団因果事業活動を支配しない。 |
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虚偽の申請をしていない |
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先進的取組 |
GPSによる管理、研究、開発による成果、地域貢献(災害時等の支援、福祉活動等)など先進的な取組を行っている(自由回答) |
表 ランク付けの区分
★★★ |
80点以上でかつ、育成センターに保証金(※)を委託していること及び環境省優良性評価制度に対応する項目を満たしていること |
★★ |
60点以上 |
★ |
40点以上 |
※保証金:産業廃棄物処理業者が、倒産や不適正処理等の事故により産業廃棄物の撤去等が必要な場合に備えて、予め育成センターに一定の保証金を預託する制度。
<参考文献>
産業廃棄物処理業者の格付け・保証金制度について(岩手県産業廃棄物処理業育成センター・平成18年4月1日)