作成:足立将之(07/02/23)


容器包装リサイクル協会のホームページでは、全国の指定管理施設ごとに行った入札の結果を公表している。入札結果の情報には落札価格、落札業者名、落札した再商品化事業者の工場名、落札量などが掲載されている。その情報を元に、近畿地方の指定管理保管施設の入札について特定分別基準適合物ごとの、移動状況を調査した。

1)PETボトル

 PETボトルは82か所の指定保管施設により入札が行われ、7社の再商品事業者によって落札された。そのうち近畿地方に再商品化のための工場を所有する落札業者が3社と半数に満たない(13)。近畿地方以外の工場立地場所は、栃木県、三重県、岡山県、東京都となっている。

 落札業者全体の平均落札価格は21,673円となっている。地域別に見てみると、近畿地方に再商品化のための工場を所有する業者の平均落札価格は、8,249円、近畿地方外に工場を所有する業者の平均落札価格は、31,742円となっている。岡山に工場が所在する業者の落札価格が比較的低いことから、指定保管施設からの距離の遠い工場を所有する業者の落札価格が高くなっているわけではないといえる。

13 PETボトルの落札業者

再商品化事業者名

工場所在

処理量(トン)

平均落札価格(円/トン)

小島産業株式会社

滋賀

1,707

7,598

ウツミリサイクルシステムズ株式会社

大阪

3,639

6,930

根来産業株式会社

大阪

4,106

10,218

よのペットボトルリサイクル株式会社

三重

2,630

26,250

環境開発事業協同組合

岡山

248

9,825

太誠産業株式会社

東京

131

66,143

ジャパンテック株式会社

栃木

12

24,750

資料:容器包装リサイクル協会のホームページ

近畿地方の府県別に入札対象となったPETボトル量をみると、兵庫が最も多く、京都、滋賀と続いており、和歌山はごく少ない(14)。人口は大阪が最も多いので、容器包装リサイクル協会以外のルートで処理されている比率の高いことが示唆される。近畿内では京都、兵庫、奈良から大阪への移動が大きく、滋賀は県内での処理が大部分を占めている。近畿外では兵庫が三重や岡山への移動が入札量の約70%を占めているのに対して、他府県は東京や栃木にごくわずかな量が移動しているだけにとどまっている。

14 落札されたPETボトルの地域間移動状況

搬出場所

搬入場所(再商品化事業者工場所在地)

近畿地方計

近畿以外計

滋賀

大阪

三重

岡山

東京

栃木

滋賀

1,506

655

0

0

0

0

2,161

京都

150

3,001

0

0

0

5

3,156

大阪

0

815

0

0

0

0

815

兵庫

0

2,112

2,630

248

20

0

5,010

奈良

51

1,136

0

0

53

7

1,247

和歌山

0

26

0

0

58

0

84

9,452

1,707

7,745

3,021

2,630

248

131

12

12,473

資料:容器包装リサイクル協会のホームページ

2)びん(その他)

 びん(その他)は83か所の指定保管施設により入札が行われ、11社の再商品事業者によって落札された。そのうち近畿地方内に再商品化のための工場を所有する落札業者は10社で、近畿地方以外の工場立地は三重となっている(15)。

 落札業者全体の平均落札価格は5,862円だったが、逆有償での落札は全83件のうち10件であった。落札価格を地域別にみると、近畿地方に再商品化のための工場を所有する業者の平均落札価格は5,708円なのに対して、近畿地方外に工場を所有する業者の平均落札価格は7,400円とやや高かった。

15 びん(その他)の落札業者

再商品化事業者名

工場所在

処理量(トン)

平均落札価格(円/トン)

東洋カレット株式会社

滋賀

1,473

197

株式会社竹川造園

滋賀

743

7,500

株式会社タカハシ

大阪

238

4,200

中江硝子株式会社

大阪

631

4,488

藤野興業株式会社

大阪

1,193

7,091

有限会社徳山産業

大阪

1,325

6,860

株式会社山一商会

兵庫

1,677

4,549

昌平株式会社

兵庫

1,381

5,082

日進興業株式会社

兵庫

178

7,711

有限会社寺田建設

兵庫

1,441

9,407

株式会社名張環境センター

三重

1,036

7,400

 資料:容器包装リサイクル協会のホームページ

 指定保管施設全体の入札が行われたびん(その他)の総量は11,315トンだが、近畿地方では大阪に続いて、京都、兵庫の順になっており、PETボトルと同様に排出量と入札量が比例関係にない。近畿以外の再商品化事業者により落札された1,036トンはすべて大阪の指定保管施設から三重県の業者へ移動することになった。なお、逆有償で落札されたびん(その他)の総量は1,187トンで、入札総量の約20%を占めていた。

16 落札されたびん(その他)の地域間移動状況(平成17年度)

搬出場所

搬入場所(再商品化事業者工場所在地)

近畿地方計

近畿以外計

滋賀

大阪

兵庫

三重

滋賀

205

0

0

0

205

京都

1,404

15

92

0

1,511

大阪

540

3,009

2,888

1,036

7,473

兵庫

0

100

1,062

0

1,162

奈良

0

262

467

0

729

和歌山

67

0

168

0

235

10,279

2,216

3,386

4,677

1,036

1,036

11,315

資料:容器包装リサイクル協会のホームページ
最終更新:2007年02月23日 10:22