作成:足立将之(07/02/16)
自治体から公表されている処理フローに関する公開資料には以下の表○-○に示した。いずれも基本は、各自治体や一部事務組合の発行する清掃事業概要となっている。
表1 地方公共団体などにより発行されている処理フローに関わる資料
資料名 |
発行主体 |
状況 |
清掃事業概要 |
各市町村・一部事務組合等 |
・処理実績、施設概要、処理フロー等について毎年度、公表されている。ただし、先に述べた視点による情報は不足している。詳しい情報を掲載している団体もある。(例:京都南部城南衛生管理組合「処理実績報告書」 →参考資料参照) |
一般廃棄物処理実態調査 |
環境省 |
・毎年度、全国の市町村・一部事務組合等における処理状況、施設状況、経費、人員等について公表している。 ・都道府県レベルで集約した処理フローが示されている。これも、先に述べた視点による情報は不足している。 |
都道府県レベルの一般廃棄物処理実態調査 |
都道府県 |
・県内の市町村の処理状況について、環境省と同様の調査結果を公表している都道府県もある。(例:「京都府の一般廃棄物処理の状況」、「大阪府の一般廃棄物」など) |
ホームページ |
各市町村・一部事務組合等 |
・処理フロー、最終処分先、再資源化の委託業者名、再商品化手法について公表している自治体もある。(例:大阪市) |
ホームページ上で一般廃棄物の処理フローがどの程度公開されているかについて、全国の県庁所在市を対象に調査を行った。
その結果、47都道府県の県庁所在地のうち24市において、ホームページにフロー図が公開されていた。フローを公表している24市では、廃棄物の流れを把握する上でどこまでの項目が把握できるかを下記の表に整理した。ごみがどのような処理工程を経て、最終的な処理・処分に至っているかはわかるものの、どの地域のどの施設で処理されているのかが不明なフロー図や、区分ごとの量が示されていないフロー図が多く、すべての区分について包括的に量と行方が示されている例は見つからなかった。また、処理委託先の業者名は大阪市以外は公表されておらず、最終処分先についても約半分の市では不明であった。
注:大阪市は資源ごみのみ
一方、フロー図において、より詳細な情報を掲載している例もある。
長野市では、次の図のように、ごみがリサイクルされTシャツやボールペンなど具体的なリサイクル先がわかるようなフローが提示されており、市民がリサイクルを身近に感じることができるようなものとなっている。
資料:長野市環境白書(平成17年度版)
大阪市では、資源ごみと容器包装プラスチックについては、委託処理業者名と主要な再生品目が明らかにされている
資料:大阪市ホームページ
1995年に容器包装リサイクル法が制定され、容器包装を市町村が分別回収し、事業者が再商品化する仕組みが動き出した。容器包装リサイクル協会では、再生資源の入札を行い、業者に引き取ってもらう際の価格を決めている。
2005年度からは、ホームページで再商品化事業を委託する再商品化事業者(運送事業者を除く)および落札単価などを掲載している。指定保管施設毎に以下の項目で公開されている。なお、処理内容や再生製品の種類は公表されておらず、適正に処理されたかどうかは直接当該業者に確認するしかない。
・都道府県名、市町村又は組合名
・指定保管施設名
・特定分別基準適合物の種類
・再商品化事業者名、工場名
・落札トン数
・落札価格(円/トン)
・構成市町村(一部事務組合の場合に記入)
2006年度は上記について、品目別(ガラスびん、PETボトル、紙製容器、プラスチック製容器)リストの形でも整理・公表されている。2005年度以降の実績については、自治体などの公表している資料よりも詳細に、依託処理先を把握することができる。協会への電話ヒアリングによると、2004年度以前の実績は処理業者との契約が情報公開を前提としたものになっていなかったため、公表できないとしている。