外伝Ⅰ 実体のある幽霊機
機種 フォッケウルフ・Ta152E改 高々度単発複座観測機
所属 飛鳥島科学研究所・独立観測航空隊
概容
フォッケウルフ・Ta152E改高々度単発複座観測機の原型は、フォッケウォルフTa152H-1高々度単発単座戦闘機である。
Ta152Hは帝國空軍主力戦闘機トライアルにおいて、ライバルであったP-51Dムスタングと同等の挌闘戦能力をもち、最高速、高々度性能では圧倒的優位性を示したものの、航続距離や整備効率、生産行程などの運用面での総合コストで劣り、主力戦闘機の座をP-51Dムスタングに譲る事になった。
(武装面で、帝國空軍の要求に添わなかったという説もある)
そのため、生産機数はサンプルに造られた僅か十数機と少なく、したがいTa152E改の運用機数も同数か、またはそれ以下と目されるが実態は不明である。
Ta152Eの正体に謎が多いとされる理由は、本機が帝國空軍の所属でなく飛鳥島科学研究所の管轄する独立観測航空隊と呼ばれる極秘セクションに配備されているためである。
Ta152E改に与えられた任務は戦場観測であるが、それは軍の管轄ではなく科学研究所の管理下において活動している。そのため、彼らの持つ収集情報は軍事的に活用される事はない。
Ta152Eは自らに与えられた任務を達成するため、あらゆる観測機材を搭載しているが、詳細は不明である。しかし、単座機をタンデム複座化し搭乗員を増やしたところをみると、精密な操作が要求されるかなり高度な装備が搭載されているとみるべきだろう。(一説には、レーダーと航空カメラを主体とした戦略偵察機並の装備が搭載されている他、対電子装備、対魔力探知機も搭載されているといわれている)
Ta152E改の最大の特徴は、高々度高速飛行性能である。大馬力のJumo213E倒立V字型液冷12気筒エンジンにGM1亜酸化窒素噴射装置とMW-50水メタノール噴射装置のニ種類の出力強化装置を持ち、高度15000メートルを時速750キロで飛ぶTa152Eには、帝國空軍主力戦闘機P-51Dムスタングですら追い付く事は出来ず、如何なる攻撃手段も無効であるとされ、Ta152E改の観測活動を円滑に進める上で重要な要素であると思われる。
また、Ta152E改は30mmモーターカノン一門と20mm機関砲二門の搭載火器があるが、実戦において同機がそれを使用する機会は非常に稀であり、それも帝國軍の援護ではなく自衛のみにおいて使用される。
Ta152の搭乗員については、まったく不明である。おそらく科学研究所が帝國空軍から引き抜いたとされるが、公式な発表はされていない。
(『帝國の20年』より抜粋)
諸現データ
寸度
全幅:14,5メートル
全長:10,81m(水平姿勢時)
全高:4,0m(水平姿勢時)
主翼面積:23.5㎡
乗量
装備重量:4,010kg
全装重量:5,240kg
動力
エンジン:ユンカース Jumo213E-XX×1(ニ段三速過給機付・倒立V字型液冷12気筒・離陸出力1750馬)
出力強化装置:GM1亜酸化窒素噴射装置
MW-50水メタノール噴射装置
プロペラ:ユンカース VS111恒速3翅
飛行性能
最大速度:高度10,500mにて650km
高度9,000mにて740km(MW50使用時)
高度13,000mにて765km(GM1使用時)
高度15,000mにて750km(GM1及びMW50使用時)
経済巡航速度:高度7,000mにて約550km
実用限界高度:15,800m(GM1使用時)
装備
FCS:ReviC12/D 光学式照準器
兵装:ラインメタルMK108/30mmモーターカノン 一門(90発)
モーゼルMK151/20mm機関砲 二門(350発)
観測機材:対空パルス・ドップラー・対地合成開口レーダー
パノラマミックス・カメラ
その他、各種航空カメラ
対電子情報収集機器
対魔力探知装置
etc
乗員
二名 (パイロット・オペレーター)
最終更新:2007年10月31日 03:24