【種別】
人名

【初出】
「心を操る常盤台のレベル5」として一巻で言及あり。
『超電磁砲』第四十話では名字のみ、名前と正式登場は第四十一話。
『禁書目録』での本格的な登場は新約六巻から。

【CV】
浅倉 杏美


【概要】

常盤台中学に所属する中学2年生の少女。
学園都市第五位の超能力者(レベル5)であり、精神系最強の能力『心理掌握(メンタルアウト)』を持つ。

初登場作品は本編ではなく外伝『超電磁砲』だったが、
現在では同じく超能力者の御坂美琴と並び、科学サイドの本編主要ヒロインの一人の立ち位置にある。
外伝『とある科学の心理掌握』では主人公を務める。

【人物】

人形のように整った顔立ち、十字形の星が入った瞳、肩の辺りから2つに分けた蜂蜜色の長い髪、
長身痩躯、そのうえ巨乳と、全体的に中学生離れした美貌が特徴。

そのスタイルの良さは、たまたま胸に触った美琴が、
手にのしかかる重量感。布越しでも伝わる柔らかさ。押し返してくる弾力という相反する質感。
こっちが掴んでいるはずなのに、吸い付いてきて包み込まれる様な……
と、同じ女性ながら思わず独白してしまうほど。

食蜂と対面する前の美琴が評して曰く、
「話した事はないけどお人形さんみたいに綺麗な子でしょ」
「髪サラサラ!まつ毛長っ!本当に人形みたい」
(なお、この発言の後に食蜂からは拒絶され、美琴の食蜂への印象は一気に悪くなった。)
目の星模様は生まれつき である。

服装は、校則に従って常に常盤台中学の制服を着用しているが、
蜘蛛の巣に似たレースで飾られたオーバーニーハイソックスと手袋を愛用。
(『超電磁砲』においては)少なくとも体操服の時は ノーブラ である 模様。
新約11巻では蜘蛛の巣模様のレースが施された下着を着けていた。
星のマークが入った高級ブランドのバッグを常に下げており、中には能力使用時に手にするリモコンが複数入っている。

常盤台における最大派閥を率いており、彼女を知る者が想い抱くイメージは正に「女王サマ」。
派閥のメンバーからは実際に「女王」と呼ばれている。
SNSのアカウント名も「蜂の女王」。
立ち振る舞いも含め、美琴に「アンタ本当に中学生?」と質問させるほど大人びたものを感じさせる。

そんな彼女だが、中学1年の頃は当時の美琴よりも低身で貧乳な、年齢相応の体つきだった。
イラストレーターのはいむら氏の設定ラフによると、中学1年の時の身長はインデックスと同じ148㎝、
現在は上条と同じ身長の168cmとの事。
つまり約1年で驚異的な成長を遂げたのである。

そのため食事、運動、美容など、美貌を保つ努力は欠かさない。
特に食事にはこだわりがあり、天然素材のものしか食べなかったり、
気に入ったブランドの飲料を買収したりと食材マニアの域にある。

住居は、美琴や黒子とは異なり、学舎の園内部にある常盤台の寮。
これは学校側の意図によるもので、強大な超能力者二人が協力して問題を起こすことを避けるための措置らしい。
なお、それ以外にも 別荘・隠れ家・アジトを多数所有 しており、
『アストラル・バディ』ではそのうちの一つであるマンションで筋トレに勤しんでいるほか、
大覇星祭以後は、大切な親友二人を連れ込んで、 三人で同棲生活 を送っている。

『とある科学の超電磁砲』にて、月詠小萌に「食蜂ちゃん」と言及されるシーンがあるが、
担当編集の荻野氏曰く、 小萌は食蜂のことをよく知っているらしい
後のコメント によると、姫神結標誘波同様に食蜂も小萌の家に居候していたことがあるようだ。

【性格】

可憐な容姿とは裏腹に、性格は陰湿、且つ倫理観や常識に欠けている部分が多々ある。
曰く「『心理掌握』は人格高潔な私だからこそ制御できる力」とのことだが、
自分の能力で人の心を操る事に対しての忌避感情などは持っていない。

美琴が上条の記憶喪失を知った際にも
彼女の能力が「記憶を戻せる可能性」の一つとして候補に挙げられたにもかかわらず、
「治療と称して精神に細工されるかも」と危惧し候補から外された。
(この時点での美琴は知り得ないことだが、実のところ食蜂は上条を慕っており危害を加える事はありえない。
また、上条の記憶喪失は心理掌握をもってしても治療は不可能である)

常盤台中学入学前は、能力開発施設「才人工房(クローンドリー)」第一研究室に所属しており、
メンタルガードで真意を隠しつつ自身を利用しようとする研究者たちと触れ合って育ってきた。
そういった経験からか他人との協力や信頼といったものに非常に懐疑的であり、
その思惑や行動規範を自身の能力で覗き、場合によっては操作できない限り他人と手を組む気はないと発言している。

とはいえ、操った人間は最後まで面倒を見るという自分ルールを持っていて、決して冷酷な人間という訳ではない。
屍喰部隊』のリーダー曰く「統括理事の疑獄を解明」したこともあるらしいが詳細は不明。
『超電磁砲』担当編集の荻野謙太郎氏によれば 「自分の善行を表に出そうとしない」タイプ
新約11巻では、後述の上条当麻との『思い出』を取り戻すため、いがみ合っていた雲川芹亜に協力を仰いだり、
自身が上条が出会ってしまったことで救われなかった蜜蟻を『救う』ために毅然と挑んだり、
ドリーの妹個体と『再会』して彼女と警策看取に想いを伝えた時には涙を浮かべていたりと、
根は普通の少女となんら変わりはなく、慈善事業まで手がけているなど、ヒーローの性質も暗示されている。

なお、本人が信頼を重視しないのと対照的に、派閥メンバーからの信頼はかなり厚い。
新約11巻で食蜂が「100%完全な私欲の為だけにあなた達を操る」と宣言した際も、
誰ひとりとして嫌悪感一つ見せずに受け入れていた。

また、人に請われて人の上に立つことを『悪くない』と考える性格でもある。
レベル5ということもあって学校代表としての挨拶に駆り出されることも多いのだが、
こうした性格的な理由もあり、面倒がりながらも周囲の記憶をいじらず、真面目に準備をするのが常である*1
(美琴がこの類の依頼を大抵断るため、主に食蜂にオーダーが押し寄せてくるらしい。)

親友のドリーに対しては、 娘にダダ甘なお父さんのようなスタンス で接しており、
ドリーを介して 同居するほど親しい関係 になった警策とも、互いに友人として協力し合っている様子。
ドリー絡みでは、教育ママのような役割を担っている警策に対して頭が上がらないこともあるようだ。

【美琴との関係】

美琴とは犬猿の仲。
原作扉絵における両者キャラ紹介曰く『美琴が嫌い』『食蜂が嫌い』。

常盤台中学に入学するまで両者には直接の面識はなかったが、
校内でばったりと初対面を果たした際、食蜂が後述の理由で美琴を拒絶してしまい、
美琴が「喧嘩を売られた」と解釈してしまったことで、以後ずっといがみ合い続けている。
とはいっても、両者とも全面的に拒絶しているわけではなく、
傍目から見たらトムとジェリーのような「実は仲が良いんじゃないの?」と思わせる関係性であり、
帆風をはじめとした食蜂派閥の面々からは仲の良い友人関係だと思われている。

実際、初対面の際には美琴の側から普通に自己紹介しようとしたり、
いがみ合うようになって以後も、美琴の側は食蜂と仲良くやろうと努力したことはあったようだ。
それでも上手く関係改善に至れていない原因は、下記の理由などがあって、
食蜂の側がいちいち美琴をからかってしまったりトゲトゲしい態度を貫いてしまい、
歩み寄れるチャンスを毎回のように潰してしまっていることにあるだろう。
警策曰く「いつの時代のツンデレかなっ?」。

ただし、時間の経過とともに行動を共にする場面は増えてきている。
食蜂が慈善事業を真摯にやっていると聞いた美琴が「なんで私には...」と嘆く場面もあった。

食蜂は自身が美琴を気に入らない理由に関して、上条との双方の関係性が似通っている点が原因ではないかと自己分析していた。
(年上の男子と常盤台のお嬢様・自慢の能力が全く通用しない等)
同時に、「自分が一番大切にしていたのに失ったものを、美琴が手にしている」ことへの嫉妬や、
美琴のDNAマップ提供をきっかけとした亡くしてしまった大切な親友に関する恨み*2もあり、
美琴との初対面の際に食蜂が彼女を拒絶した理由は、上記による美琴の行いに対する恨みと同時に亡き親友と全く同じ顔の美琴を視界に入れたくなかったからであった。

ちなみに、互いの能力を組み合わせて使用した場合の相性はすこぶるよく、
特に証拠隠滅(電子機器のハッキングと人的な目撃証言の改変)にかけては最高の結果を発揮する。

美琴の妹分たる白井黒子には、美琴とは対照的にかなり好意的で、
「稀少力のカタマリ」「御坂さんに預けておくには惜しい人材」と高く評している。

【上条との関係と出会い】

超電磁砲における『大覇星祭編』の完結(超電磁砲10巻)に続いての発売になった新約11巻では、
これまで何度も示唆されてきた上条との『一年前の出会い』が描かれた。

食蜂と上条の最初の出会いは、夏真っ盛りの時期、街中のとある交差点での出来事だった。
何かの目的』で急いでいた上条と出会い頭で衝突し、お互いの荷物が散乱してしまう。
この時は互いに名乗り合うこともなく、散らばった荷物を食蜂に渡して上条は走り去る。

再びの出会いはそれから三日後の、街中からは大きく離れた山中の人造湖畔
親友のドリーを亡くし外装代脳の件も片がついて、ある程度の時間が経ち、
精神的に疲れ切っていた食蜂は、自身の記憶を消去する一種の自殺行為を試みようとした。
そこへ偶然にも*3にも上条が訪れ、結果的に食蜂は自殺行為を止められる。
以来、彼女と上条はたびたび街中で出会っては、とりとめもないやりとりを重ねるようになった中で、
彼女が現在まで大切に持ち続けている「防災用ホイッスル」を上条から譲り受けることになる。

その後、食蜂は超能力者(レベル5)を憎しんでいる学生集団「デッドロック」から命を狙われ、
上条は命がけで食蜂を守り抜こうと戦い、瀕死の重傷を負ってしまう。
食蜂が心理掌握の能力で応急処置を施すが、その副作用で上条の脳の構造が一部変化、
この結果、上条は「第五位」や「メンタルアウト」という『他人』を噂程度の知識としては知りながら、
「食蜂操祈」という『知人』の顔や名前を正しく認識・記憶できない状態になってしまった。

以後、食蜂と上条はたとえ面と向かって会話をしても、
食蜂が視界から外れた瞬間に会話したこと自体を忘れるような有様となっている。
それを知りながらも、いつか上条が自分を思い出してくれる奇跡の日が来ることを待ち続けている。

美琴など他の多くの女性キャラ同様に、上条をヒーロー視し恋心も向けるが、
自分から上条にキスをするような積極的な描写は、新約11巻における食蜂がシリーズ初であった。

これらの上条との思い出は、彼女の中でも1、2を争うほど大切なもので、
思い出の場所の景色が、記憶の中の『一年前』と現在で大きな齟齬があると感じたことをきっかけに、
何者かが自身の記憶に細工を施したと知った時には、今までにない程に激昂していた。

【妹達との関係】

『超電磁砲』における大覇星祭編に先立って妹達(シスターズ)の存在や情報を初めて掴み、
一時的に御坂妹を保護したことを除いて、妹達と直接的に関わることはほとんどなかった。

それでも以後、食蜂が彼女とは一見して無関係そうな妹達の動向や将来に気をかけるようになったのは、
量産された妹達が、かつて一度亡くし、そして再会を果たした親友・ドリーの『妹』にあたる存在であるため。
別件での「取引」という名目で美琴に対して、将来的に妹達が一般社会で生活していけるようにするための協力を申し出ている。

なお創約二巻で、食蜂はいつもの病院に入院中の上条の見舞いに訪れた際には、
(強制的にひん剥かれた)上条と全裸で一緒に入浴する御坂妹10039号13577号19090号*4の様子を、
「自分がやりたいことを見つけられたのなら私が止めるのも野暮」と激甘ダメ親モードになって眺めており、
前述のドリーのみならず妹達に対してもこの「娘にダダ甘なお父さん」のようなスタンスは同様のようである。

警策看取およびドリーの記事も参照。

【能力・スキル】

※能力の解説は心理掌握(メンタルアウト)の記事を参照のこと。

強力無比な能力『心理掌握』が目立ちがちだが、
最大派閥を率いていることからも分かる通り、能力抜きでも高い人身掌握術を持つ。
人の心の動きを熟知しており、さらに能力によって精神耐性も完備。
心の分野で彼女を出し抜ける人物はほぼ存在しない。

反対に純粋な身体能力は極めて低く、加えてかなりの運動音痴。
具体的にはちょっとしたダッシュで息切れし、腹筋が1回も出来ず、水深1m未満のプールで溺れかけてしまうほど。
このため直接戦闘はあまり得意ではなく、
さらに「機械や動物には能力が効かない」という超能力の性質も相まって、
作中でも単独での戦闘で窮地に陥ったことが何度かある。
こうしたこともあって、事件に介入する際は大抵誰かを操って手足として使っている。
食蜂本人もこの弱点は自覚しており、美容のためにも筋トレに勤しんでいる他、
創約2巻では、蜜蟻が新約11巻で使っていたF.O.O.を着用して直接戦闘力をカバーしようとしていた。

新約11巻では先述のように自身の派閥の面々を操作し、戦闘に利用している。
派閥メンバーは普通の学生であり戦いのプロというわけではないが、
そもそも『常盤台中学のお嬢様』という時点で強大な能力者である事を忘れてはいけない。
ましてそれが食蜂への信頼と心理掌握のバックアップからなる完全な連携を発揮すれば、
下手な暗部組織では相手にもならない一大戦力となる。

なお、小学生の頃(ドリーと出会った当時)の食蜂は
 「そんなこと言われてもぉ 今の私の能力じゃぁ 
  友達とやらの記憶を完全に消すことも書き換えることも難しいわよぉ」
と発言しており、最初から現在のように強力な能力ではなかったようだ。

常盤台中学入学直前に統括理事会で超能力者(レベル5)の認定が出されているが、
当時、食蜂は既に『才人工房(クローンドリー)』の組織をほぼ完全に掌握しており、
自身の強度の判定結果についても本来より低く偽装していた可能性が示唆されている。
『超能力者(レベル5)である自分自身』を取引材料として最高のものとする為に、来るべき時が来るまでは低くレベルを偽装しておくという、当時小学生でありながらも既にとんでもない策略家である。

なお、食蜂は常盤台中学において最初のレベル5である。
美琴は入学後1ヶ月程経ってから昇格し、2人目のレベル5となったと明かされている。

【作中での行動】

初登場は『超電磁砲』第四十一話。
図書館で美琴が本を読んでいる時に、派閥メンバーと共にその場に現れる。
少し前に美琴は転校生の婚后光子らと友人になっており、
派閥に発展する可能性を見据えた牽制として周囲にいた無関係な常盤台生達を無差別に洗脳。
この時はすぐさま解除し、警告を加えて立ち去った。

9月19日には大覇星祭の選手宣誓を行う。
運営委員会からの依頼に当初は乗り気ではなかったが、後述する妹達関連の調査協力者との兼ね合いで依頼を受諾。
その者曰く、「貴女が表で注目された方が私も動きやすい」らしい。
当日は共に宣誓を行った削板軍覇が破天荒な演出を見せたため、
「喰われた…」と落ち込んでいた。
競技では、他選手や審判の精神を操作して楽に勝利する予定だったが、
「無関係の物を競技場に持ち込めない」という理由で、リモコンの入ったカバンを運営委員の吹寄(アニメでは固法)に没収され呆然となった。(但し、リモコン無しではコントロールが不安定になるだけで、能力を使えない訳ではない。)

大覇星祭の裏では、妹達の行方を追う謎の組織と敵対し暗躍。
『実験』に参加していた知的傭兵を協力者として雇い妹達を捜索していたが、
その過程で木原幻生の配下の別組織も妹達の身柄を探っていると判明し、幻生を追う。
馬場芳郎がナノマシンで無力化していたミサカ10032号を保護した上で、
美琴が絡むことで無用な死者が出ないよう、黒子初春佐天から一時的に美琴に関する思い出を消去した。

幻生の狙いはミサカネットワークにウィルスを感染させ干渉することだと判断した食蜂は、
保護したミサカ10032号に『心理掌握』で精神に多重プロテクトを掛け安置。
しかし幻生は『外装代脳』を乗っ取って『心理掌握』を使うことでプロテクトを解除し、
さらには御坂美琴を利用した「もう一つの絶対能力進化計画」を開始してしまう。

その後、幻生と『外装代脳』のリミッター解除コードを巡って交戦。
施設内の食蜂専用の迎撃装置などで応戦するが、多才能力を操る幻生には歯が立たず、解除コードを奪われてしまう。
しかし、実は食蜂は自分自身に能力を使っており、リミッター解除コードと『外装代脳』の自壊コードの認識を入れ替えていた。
結果、幻生はリミッター解除コードのつもりで自壊コードを入力させられることとなり敗北。『外装代脳』も破壊された。
事態収束後、白井黒子に撃破された警策看取に接触。
かつて死亡してしまったドリーの記憶を引き継いだ『妹』個体の存命を告げ、
警策と研究所へ赴き、共に再会を果たした。

アニメでは『超電磁砲S』第一話にて初登場。
第一期での婚后関係のエピソードが原作と大幅に異なるためか、台詞と時期もそれに応じて変更された。
登場シーンはごく僅かではあるが、革命未明事件で布束らの処置が寛大なものであったのには、
美琴がプライドを捨てて彼女に頭を下げた背景があることが示唆されている。

新約五巻の一端覧祭では何故かとある高校の正門前にいて、
体験入学にこっそり来た御坂美琴と遭遇し、近くにいた人達を操って美琴をからかっていた。
その後、友達に勝手に推されて仕方なくミスコン大会に出場したらしく、雲川とともに壇上に立っていたが、
元々面識があったのかお互いに少々毒づき合っていた。
新約十一巻から推察するに少なくとも一年以上前から顔見知りらしく、
雲川の事は当時から「あの年増」などと呼んでいた。

新約七巻では、心理掌握の能力で操っている黒髪のおかっぱの少女を介して、
学舎の園で明王の壇を探しながら、美琴や女学生から逃げていた上条に接触して彼に協力した。
なぜ協力してくれるのか疑問に思った上条だが、以前から上条の事を知っていたような口ぶりであり、
前にどこかで会ったかという質問に対して、「大覇星祭での余興力を言っているのなら、とんだ勘違い」と返答した。
(なお新約七巻の発売と前後して、『超電磁砲』において大覇星祭編が連載中であった)

新約十一巻では、これまで何度も示唆されてきた、
上条との『一年前の出会い』(上述の【上条との関係・出会い】を参照)と、
その出会いから一年後の現在の、『食蜂操祈に復讐をしようとする少女』との戦いが描かれた。
なぜ、かつて上条が「山中の人造湖畔」で自殺行為をしようとしていた自分の前に現れたのか、
なぜ蜜蟻愛愉という少女が自分に復讐をしようとしているのか、
なぜ蜜蟻愛愉が『上条当麻の手で救われなかったのか』などの事実を知った食蜂は、
上条が自身を救ってくれたように、あの日救われなかった密蟻を『救う』ことを強く決意する。

新約十八巻では、上条を助けるために犬猿の仲だった美琴と協力、『合体』し、
液状被覆超電磁砲(リキッドプルーフレールガン)を放ってアレイスターに一泡を吹かせている。

新約二十巻では機能停止した学園都市を後にし、美琴や帆風らと共に南国でバカンスをする。
その後、上条を見捨てられず美琴の駆るA.A.A.に同乗して混乱するイギリスへと向かい、
最終的に新約二十一巻で上条やアレイスター達と合流した。

新約二十二巻。コロンゾンの放ったMagick:FLAMING_SWORDで上条が赤黒い肉塊と化す様子を目撃し、パニック状態に陥る。
アレイスターによる十字教系の術式で肉体をほとんど復元された上条だったが、その右腕部分は復元されておらず、
直後に右手から赤黒い何かが噴出。
食蜂の『心理掌握』で上条の認識を騙したことで、右手を失ったまま暫定的に上条の容態は安定した。

実は上条の切断された右腕は、「上条をこれ以上危険な目に会わせたくない」と思い詰めた食蜂が密かに保冷容器に入れて隠していた。
そんな中でコロンゾンに遭遇し窮地に陥った食蜂だったが、右腕を失いながらも駆けつけた上条に救われる。
食蜂は、上条は右腕がなくとも誰かを救おうとする人物であることを理解し、右腕を返却。
放り投げられた右腕はひとりでに接合したのだった。

新約二十二巻リバースでは、ウィンザー城での戦勝パーティーに美琴やインデックス、そして上条らと出席する。
しかしその上条は、実は上条当麻本人から分離し、あるべき人格と生まれてからの全ての記憶を持った「神浄討魔」とでも言うべき存在であった。
どちらの"上条当麻"が本物であるか神浄に判断を迫られた食蜂は、
「上条が自分を覚えていてくれる」という奇跡を「本物だと信じたい」とすがり、
神浄の配下となって能力を暴走させウィンザー城の乗っ取りに協力することとなってしまう。

【口調】

女性語で話し、一人称は「私」。二人称は「あなた/アナタ/貴女(あなた)」。
また、基本的に「(苗字)さん」または苗字、通称を呼び捨てるが、
例)「御坂さん」「白井さん」「帆風」「口囃子」「ドリー」
例外的に、常盤台中学へ入学した初期の頃およびシリアスな状況では帆風潤子に対して、
現在は警策看取に対して「(名前)さん」と呼んでいる。
例)「潤子さん」「看取さん」
(ただし『超電磁砲』『心理掌握』とは作者・編集者が異なる創約4巻では「警策さん」呼び)

「富豪力」「胸囲力」「演技力」など、「~力」という表現を多用する。
また語尾が小文字になることが多く、特にふざけている際には「〜(なん)だゾ」という語尾を多用する。
文面では最後に☆が付く事もある。
口論の際に言い返せなくなると、衝動的に「はぁー!?」と口走る癖がある。
例)「一応そういうコトになってるケドぉ
   私の改竄力でどうとでもなっちゃうものねぇ」

【備考】

能力などの基本的な設定は原作者の鎌池氏によるものだが、
運動音痴等の細かい設定は『超電磁砲』作画担当の冬川氏が考案しており、
両氏共同で創り上げたキャラクターとなっている。
このことは新約十一巻の後書き、はいむら氏の設定画コメント、
『超電磁砲』担当編集の荻野氏のツイートなどで明言されている。
鎌池氏は(冬川氏が設定した部分も多い)食蜂のキャラをうまく動かせるようになるのに苦慮したらしく、
新約十一巻など原作小説の後書きで何度か苦労話を述べている。

【関連】



最終更新:2023年10月25日 13:51

*1 出典: 食蜂操祈バニーメイドフィギュア特典小説『食蜂操祈 フィギュア編』

*2 当時の美琴はドリーの存在や体細胞クローン量産計画を知らず、食蜂も美琴によるDNAマップ提供が純粋な善意だった(詐取された)ことを知らなかったとは言え、ドリーを失った食蜂からしてみれば美琴のした事は許し難く、恨みにも似た複雑な感情を抱くのも当然である。

*3 実際には、三日前の食蜂と上条が交差点での出会いが遠因となって上条の助けが間に合わず、この場所で入水自殺をした彼の友人・蜜蟻愛愉を悼みに訪れた。

*4 13577号と19090号については初版で13579号・19095号と誤記されていたが、後の版で修正されている