【種別】
人名

【元ネタ】
神裂曰く、真名は『神浄の討魔』であるらしい。
新約十三巻では僧正も、上条の真名が『神浄の討魔』であるように肯定的に言及している。
また、一巻の第四章のタイトルでは「退魔師」と表現されていた。なお、当麻は「たいま」とも読める。
さらに、天使が進化した存在である『神上(かみじょう)』という概念もある。

【初出】
一巻

【CV】
阿部 敦


【概要】

「とある魔術の禁書目録(インデックス)」の主人公。
上条刀夜上条詩菜の間に生まれた一人息子。
学園都市第七学区にあるとある高校1年7組に在籍する少年。

誕生日は不明だが、高校一年で水瓶座(旧約1巻p.23より)であることから年齢は15歳と思われる。
超絶不幸体質と、父親から遺伝したフラグ体質を併せ持つ。
超能力の測定で無能力者(レベル0)、且つ魔術でもない『幻想殺し』と呼ばれる特異な異能力をその右手に宿す。

【人物】

ツンツンした短めの黒髪が特徴。なおこの髪型は天然ではなく整髪料を使っているらしい。
が、それ以外には特記すべき点のない、パッとしない中肉中背の平凡な容姿をしている。
とある高校の学生寮・7階に住み、実家は神奈川県にある。

「不幸」体質はかなり深刻で、幼少時には陰湿ないじめを受けたり包丁で刺されたりしたこともある。
上条が幼稚園を卒園後直ぐに学園都市に送られたのも、
「科学の街であれば不幸という迷信を回避できるのでは」と考えた刀夜の意向である。
実際のところ不幸体質は解消されていないのだが、学園都市に来てからは以前ほど深刻な状況にはなっていないようだ。
頻繁に事件に巻き込まれるのも不幸によるものだが、
「だからこそ苦しんでいる人を救うことができる」と考える上条は、この体質に一種の誇りを持っている。
学園都市での級友達からも、からかい混じりに「不幸の避雷針」などと呼ばれつつも、真っ直ぐな信頼を寄せられている。
(この「不幸の避雷針」というフレーズは図らずも、先代の幻想殺しの真の利用法そのものである)

またあちらこちらに恋愛フラグを立てて回る父譲りの体質もあるが、本人だけがそれに気付いていない。
このフラグ体質によるものを始めとして、世界中に広がる妙な人脈を持つ。
この人脈は物語が進む度に拡大しており、初めは上条たちと敵対関係にあった人物がこの人脈に加わることもしばしば。
そのため危険視されることも多く、アステカの魔術師対抗勢力に狙われた事もある。
しかし今や科学・魔術両サイドや国際社会のトップクラス人材に加え、
様々な可能性を持つイレギュラーな存在が含まれる恐ろしいものへと成長しており、滅ぼすことは不可能に近い。
上条が何らかの事件に関われば、それらの一部が確実に参戦することも、
上条の「目についた登場人物を片っ端から救い上げる性質」に含まれるものかもしれない。

かなりの頻度で入院したり海外に行ったりしているため、出席日数は崖っぷち状態。
小萌先生曰く「一学期も日数が足りていない」らしく、
記憶が無くなる以前もしばしば学校を休んでいたようである。
埋め合わせのはずだった防犯オリエンテーションの点数稼ぎも上記のミイラの騒ぎでノーカウント扱いになっているらしく、
あの(生徒を絶対に見捨てないことに定評がある)小萌先生がガチで泣きそうになりながら警告を出している。
ついでに土御門からも完全に見放されている。
上条「……てか今日学校あんのかな? あったらヤバいな、出席日数!!」
土御門「まだ気にしてんのかよどうせもうカミやんは留年だよ」
上条「まだ、どうせ、もう、三段重ねで勝手に諦めないで!!」

【性格】

性格は基本的には面倒臭がりかつ無気力で、面倒だと感じる事からは全身全霊をもって逃げようとする…と自認している。
しかし実際は、誰かに助けを求められれば、それが誰であれ、どんな事態であれ助けようと真摯に奮闘するタイプ。
逆に自分から他人に助けを求める事はかなり珍しく、騒動の渦中へと単身で乗り込むことも多い。
戦いに身を投じてでも人を救い出す理由については「見捨てる理由が一つもないから」とのこと。
対照的に、自分の事情は一人で抱え込む悪癖がある。

【ヒーローとしての性質】

上条当麻という人間が強いヒーローの性質を持つことは、作中でも多くの人物に指摘されている。
木原加群は彼を「目についた登場人物を片っ端から救い上げる性質」を持っていると述べ、レイヴィニアは「上条自身が幻想殺しを活躍させている」と評している。
また、彼女の分析によると彼はアレイスターローラと同じく善悪を超越した『大きなうねりに繋がる種』であるらしく、
その性質が開花すれば、影響力はアレイスターやローラと同等か、あるいはそれすらも呑み込みかねない、とのこと。
そしてエイワス曰く、上条は三種類のヒーローの一種、「誰に教えられなくても、自身の内から湧く感情に従って真っ直ぐに進もうとする者」。

もっとも、当の上条本人は「自分が『ヒーロー』である」とは全く自覚していない。
彼はただ「自分が助けたいから」というだけの理由で、自己満足のために手を差し伸べているに過ぎず、
詰まる所「誰も幸せにしない幻想を殺す」という彼自身のレゾンデートルに従って行動しているだけ。
ある意味「究極のエゴイスト」とも言えるものの、結果的に多くの人々を救っているため作中での評価は高い。
記憶を失う前はその点にも自覚的で、「偽善使い(フォックスワード)」と自嘲するなど、自己に対しひねた評価を下していた。
しかし、インデックスを救う為、偽善と知りつつも命がけで行動するなど、
根本的な部分は現在の上条当麻と同質であることが伺える。

魔術が関わった問題が起こる度に「俺が俺が」と自ら渦中へ突き進んでしまう悪い癖があり、
その事をインデックスやバードウェイに毎度のように指摘され、大目玉を食らっている。
(そしてその度に死んでもおかしくない規模の大怪我を負い、カエル顔の医者の手で治療されて入院生活を送るまでがお約束である。)
オッレルスの言う幻想殺しとしての役割、
すなわち「世界の基準点」の在り方としては、各地を揺るがす大規模な騒乱に身を投じること自体は決して間違いでは無いのだが、
インデックス達から見れば、ロクな能力も知識も体力も無い一般人が、異能の爆心地に喜び勇んで突入しているも同然なので気が気ではない。
そもそも学園都市で生活を送り、無能力者とは言え曲がりなりにも
能力開発を受けている上条は本質的には科学サイドに所属する人間であり、
魔術サイドで発生した問題にまで首を突っ込むのは畑違いも良いところなのである。
しかし一番彼のタチの悪いところは、右手を除けばただの素人の一般人でしかないにもかかわらず、
プロの魔術師や超能力者でさえも躊躇するような戦いに、冷静に思考して危険性を理解した上で迷わず飛び込み、
その全てのケースにおいて無傷ではなくとも生還し、さらには100点満点中120点のパーフェクトな結果まで出して解決する点にある。
その異常さは、世界中の各分野のエキスパート達までもが「とりあえず上条当麻が関われば何とかなる」と考えてしまう程のもの。
最近では、「ちょっと世界を救い過ぎている」とさえ評される上条を一線から退かせようとする動きもちらほら見られ、
上条自身もアシストに徹底し、前線で体を張る主役を他の者に譲ることを覚える等、少しずつだが内面の成長を見せている。

様々な人物から「ヒーロー」と呼ばれ、何度も多くの命や世界を救い、
関わってきたほぼ全ての人物に影響を与えて慕われている彼であるが、上条自身はそれらを全く自覚していない。
上条は上里翔流のことをヒーローと表しているが、自身を上里と同じだとは欠片も思っておらず、オティヌスが上里が人工のダイヤなら上条は天然のダイヤだと説明した際、上条は
「いやだって、上里が人工のダイヤで俺が天然のダイヤなら、俺にだって上里と同じ『何か』があるって話になる。
特殊な右手を持っていれば誰でも彼でも寄ってくるって訳じゃああるまいし、
そんなオーラだのカリスマだのが備わっているように見えるのか、こんな『どこにでもいる平凡な高校生』が」
と反論しており、本気で自分が「どこにでもいる平凡な高校生」以外の何者でもないと信じきっている。
(実際のところ、上条・上里両名共に「ヒーロー」として極めて強い性質を持っているため、
オティヌスの表現を借りるならばどちらも「天然のダイヤ」である。)

作中のヒーローの中でも、誰かを救うことにかけては極めて高い能力を持ち、
上条自身も救いを求めている者を救うことに一切の妥協を認めない。
しかし自分自身『だけ』を徹底的に駒のように扱う節があり、
他人を救うロジックに、上条自身が含まれていない事も指摘されている。
例として挙げるならば、サンジェルマンの騒動で上条当麻への復讐心を植え付けられた加納神華の問題を解決しようとした際には、
「あいつの気が済むまで俺がサンドバッグになればいい」と冷静に状況を判断した上で結論付けており、それを聞いた浜面仕上をドン引きさせた。
また、ネフテュスが上条宅に転がり込んだ際には、仮にオティヌスとネフテュスを放り出す事で上里勢力からの追撃を免れると指摘された。
しかし上条は、キョトンとさえしながら一秒も思考せずに「何言ってんだ?そんなの出来る訳ないだろ」と即座に否定している。
極めつけに、上条が最大の敵意を示し、その口から直々に「殺す」とまで言わしめた相手はよりにもよってもう1人の自分であった。
このように自分の身の安全を全く顧みない点から、一部の人物からは「異常」な存在としても見られており、
絶滅犯去鳴をして「アンタも相当染まっているねえ」と評されているほど。
更に言えは新約九巻、新約十巻にて、オティヌスを救うために彼は世界を敵に回すのだが、それは上条にとって最も大事なインデックスとも戦う意味も含んでいた。が、自分の大切な物であるインデックスを守ることより、敵であったオディヌスを救うということを躊躇なく行った点からもその自分を如何に下にしているのかがわかる。

と言っても、勿論自分の命に無頓着と言うわけではなく、創約2巻においては、死亡する一歩手前まで衰弱してしまった際は恐怖を吐露していた。
また、サンジェルマンは加納神華に「フレンダが死んだ理由」を伝えた際、「その物語には上条当麻が存在しなかった」と語っている。
虚構の権化のようなサンジェルマンが語った事とはいえ、確かに上条当麻の存在はそれだけ非常に強い影響力を持っていることの証左であると言える。

新約九巻でついに彼も「庇護対象」となった。インデックスや美琴の時は、
「庇護対象に傷つけられても救う事を諦めない」「重い枷を残さず外して、因果を代わりに請け負う」であったのに対し、
彼は「何処にも無い答えの道のりを差し出して背中を押す」形で救われている。

【恋愛観】

事件に関わり続けた結果、上述のフラグ体質も相まって、多くの美(少)女から好意を寄せられている。
が、本人はそれを自覚しておらず、それどころか「出会いが欲しい」とほざく末期の朴念仁であり、その鈍感さを突っ込まれることもしばしば。
恋愛関係に置いてもヒロイン同士が修羅場になることは少なく、むしろ鈍感すぎる彼に怒りの矛先が向くことが多い。
彼自身の恋愛観念はピュアで、下記の通りレッサーの色仕掛けにみっちり説教しているほか、
人生で初めてラブレターをもらった際には歓喜していた。

好きなタイプは寮の管理人のお姉さん。代理も可らしい。基本的に年上のお姉さんタイプが好きなようだ。
その一方で自分より年下の娘に対する興味は希薄。
再三に渡るレッサーの色仕掛けにも興奮するようなことはなく、むしろみっちり説教して精神的にボコボコにしてしまう。
あるいはサーシャの身体中を触りまくっても何も感じていない。
ただ年下に「庇護欲」を刺激されることはあり、レイヴィニアがパトリシアの話題を出したときには強い興味を出していた。

堕天使エロメイドなど強烈なイベントを体験した後遺症か、物語が進むごとに年上のお姉さんに対しての反応までも鈍くなりつつあり、
神裂はおろか、オリアナに対してまでも女性的な扱いはしなくなった。
…しかし、のちに登場した妙齢の美女であるミナ=メイザース相手には妄想力を遺憾なく発揮していたので、単に関係性の問題かもしれない。

なお、インデックスに対しては世話をやき溺愛している。
やや行き過ぎた所もあり、大切に思っている反面絶対に危険に巻き込ませたくないと強く思っているため、彼女を事件から遠ざけたり誤魔化したりしている。
が、当のインデックス本人は蚊帳の外に置かれる待遇を不満に思っている。
執着や独占欲じみた素振りも見られ、特に旧約終盤では記憶喪失の件が影響した結果そうした感情が強くなっていた。
彼女へ危害を加える相手には、普段とは打って変わって極めて暴力的かつ冷酷になる。
例えば、追い詰めた相手に対して問答無用で攻撃を加えると仄めかすなど、普段の上条ではありえない描写が見られる。
新約22巻リバースではもう1人の自分が話の途中で相手を殴るなど、悪辣な方法を躊躇なく選んでいたが、上条本人は「上条当麻はそういう生き物だ」と主張しているので、彼もまた一人の人間であるとも言える。

記憶喪失後間もない頃の上条は「インデックスが好きなのは今の自分ではなく、記憶喪失で消滅した前の自分」と考え悩んでいた。
しかし二十ニ巻でインデックスに自分の記憶喪失を告げたことで吹っ切れ、
創約一巻では自分の記憶喪失という事実で相手の心を折りにかかるまでになった。

【学力・知能】

今や中学生でも知っている著名人である伊能忠敬を知らない辺り、勉強が出来るとは言い難い。
開発』でもレベル0であることから、夏休みの補習には小萌先生直々に招集されている。

一方で、一般人があまり知ることのない薬学や兵器学の知識に異常に造詣が深いのは「最先端科学の住人」ゆえか。
能力開発においては薬物投与は基本であるらしく、上条ですら「薬に関する知識など歴史年表みたいに頭の中に入っている」らしい。
また、地味に「日本文化(=オタク知識)」にそこそこ精通していたりする。
これらの部分は「意味記憶」のため記憶喪失の際に消えていない模様。
(その割に、一般教養的に考えて歴史年表に名前が出てきそうな伊能忠敬を知らないのだが)

このように学力は明確に低いが、
戦闘時の観察力、考察力などは傍から見ても異常の域にある。
もともと不幸体質で物事が計画通りにいくことが無いため、とっさの際における判断力や機転に優れているが、
それでも1巻時点で全く知識のない「魔術」に対して、それまでの経験から即座に解決策を見いだしている。

さらに巻が進むに連れて、相手の魔術の仕組みを予備知識なしに看破したり、
工夫を凝らした戦術を編み出す等、戦闘慣れしたのかどんどん機転を利かしていく。
新約に入ってからはさらに磨きがかかり、魔術結社の長レイヴィニアを罠に嵌めたりサンジェルマンを論破したりと、
到底バカとは言いがたい所業を遂げている。
地頭は良いが学校の勉強は苦手、ということなのかもしれない。

他にも日本語と下手な教科書英語しか喋れないにも拘らず諸外国を渡り歩ける希有な能力を持っており、
実際にイギリスからロシアへ、ハワイ諸島からバゲージシティへと、二回中二回無事に目的地に到達している。
(ただし、バゲージシティに関しては木原加群によるなんらかのヒントが配置されていた事が示唆されている)

機械の使い方の知識は常人程度。
携帯端末やパソコンの扱いに不自由しない程度の知識はあるが、機種や機能には詳しくなく、関心もあまりないらしい。
創約四巻以降、健康管理アプリのために病院から勧められた格安シニア向けスマホを使っているが、
オティヌスに指摘されるまでおじいちゃんスマホであることを自覚していなかった。

毎日インデックスの食事を作っているためか、料理スキルは比較的高め。
インデックスは食べられるなら何にでも高評価を下すため普段は目立たないが、
創約四巻では子供に野菜を食べさせる際にジュースやディップにし、
味的にも見た目的にも『野菜』と言う感覚をなくして食べる意欲を与える工夫をするなど、細かな気配りをしている。

【能力・スキル】

幻想殺しという異能無効化能力を駆使し、徒手空拳による我流の格闘術で戦う。
普段からスキルアウトや能力者との喧嘩に頻繁に巻き込まれるため、あくまでも「素人」の域だが大変喧嘩慣れしている。

武器は基本的に使用しないが、必要と状況に応じてその場のものを武装として転用する応用力もある。
(が、上条が新たな力を手にすることに対しては理解者ことオティヌスが否定的な意見を示している。
むしろ分かりやすい形をした力を身につけるほど、上条は救いの道から遠ざかるのだとか。
実際に救われた彼女の意見と考えると、なかなかに説得力がある)

また『前兆の感知』と称される事前の動作から相手の行動を予測するスキルを無自覚に会得しており、
これにより普通は対処不能な超高速の攻撃にも反応できる。
しかし、決して万能なものではなく、恋査は全身サイボーグ、つまり数値制御可能な肉体であることを活かし、
前兆となる筋肉の微細な動きを完全に抑えることで感知を防いでいた。

分かりやすい形でのパワーアップはしていないが、
幻想殺しで消去しきれないほどの攻撃に対する「干渉することで軌道を逸らす」「掴みとる」といった技術など、
幾度もの戦闘経験から異能に対する対処法や戦闘技術を学習し、戦術の幅を着実に広げている。

また、本人に自覚こそ無いが演技力にも長けており、様々な強敵と接点を持ってきたことで「ハッタリの組み立て方に使える怖いお兄さんの造形」が身に付いている。
特にインデックスや御坂と言った身内に危機が迫った時には、普段の彼からは想像もつかない圧力と氷のような笑顔をもって必要な情報を聞き出したこともあり、
その様子はあの一方通行をして、面と向かって「おっかねェヤツ」と言わしめるほど。
相手に傷を負わせない配慮をしつつ、必要な情報を引き出した手腕は、学園都市の暗部にさえそうそう居ないと言われている。

本人曰く「勝てるのは1対1、1対2なら危うくて、1対3以上なら迷わず逃げる」とのことだが、
100人もの戦闘シスター部隊を相手に喧嘩を売ったりもしているので、結局のところ思想信条次第だろう。

上条の『理解者』であるオティヌスは、上条の強さは「人を切り捨てる力」ではなく、
不特定多数から悪と切り捨てられた存在を救い上げる「繋ぐ力」であると評している。
事実その「繋ぐ力」の結晶とも呼べる上条勢力は、上条に救われた者・上条に倒された事で自身の過ちに気づき正しい道を歩めた者、
上条の背中を見てヒーローとなった者が殆どを占めている。
幻想殺しはその魂の輝きに惹かれて宿った後付けの力であり、その本質的な力は「敵/味方の境界線を破る力」とされている。

【作中での行動】

一巻。7月20日の夏休み初日、インデックスと出会い、魔術の存在を知る。
ステイル神裂と激突した。
最終的にはインデックスの『首輪』を破壊し、事を収めるも、記憶喪失となる。
(厳密には記憶を残す領域が一部焼き切れており、記憶「破壊」と呼んだほうが正しい状態)

二巻。三沢塾の事件ではインデックスの現在のパートナーとして、ステイルとともに事件解決に駆り出される。
アウレオルス=イザードと戦い勝利。姫神秋沙を救出する。
この時は記憶喪失前の自分と、現在の自分との差が分からず戸惑う事もあった。
アウレオルスの黄金練成によって右腕を切断されたことで幻想殺しを失い打つ手無し…となるはずだったが、
直後、失ったはずの右腕から謎の竜の頭が出現。
アウレオルスを頭から飲み込み、記憶を全て吹き飛ばしたことで趨勢は決した。

三巻。ミサカ10031号に出会った事をきっかけに絶対能力進化実験を知る。
翌日、実験を止めるため、一方通行へ特攻しようとする美琴を体を張って説得。
自身が一方通行を倒す形で実験を止める事を決意。10032次実験にかけつけ、妹達の協力を経て一方通行を撃破。
実験を止め(この時点では無期凍結)、美琴と妹達を救い出す。

四巻。一方通行を破った事により、暫く身を潜める為に学園都市外の海へ両親や従妹とともに来ていた所で
御使堕し事件に巻き込まれる。
解決のため、土御門や神裂、ミーシャと共に、術者と疑われた火野神作と戦うが、彼は術者でなかった。
本性を表したミーシャによる『一掃』が迫る中、真の術者は自分の父親上条刀夜であることが特定される。
術者である刀夜を殺害し事件を収束させようとする土御門に反発し激突するが、敗北。
だがそれは、土御門が自分自身を犠牲にするとしたら絶対に反対するであろう上条を止める為の嘘であり、
土御門が命を掛けた魔術で儀式場を破壊。御使堕し事件は収束した。

五巻。夏休み最後の日。上条勢力を恐れた『翼ある者の帰還』のエツァリに襲撃されたり、
闇咲にインデックスを誘拐されたりといった事件のせいで宿題が終わらなかった。
この日、エツァリとの間に『御坂美琴とその周囲の世界を守る』という約束を交わし、
また闇咲の大切な人に呪術を掛けた魔術師と交戦。
たった1日に3度もの魔術師との交戦を経て、上条当麻の夏休みは終わりを告げた。

六巻。風斬氷華やインデックスと共にシェリー=クロムウェルに襲撃されるも、
覚醒した風斬や警備員の協力を得てシェリーと彼女が使役するゴーレム=エリスを退ける。

七巻。天草式十字凄教が起こした法の書に纏わる事件の解決に駆り出され、
ローマ正教やステイル、インデックスと共に、オルソラを天草式の手から取り戻し、撃破。
だがそれはローマ正教の陰謀だと気付きオルソラを巡って200人のシスターと激突、アニェーゼを撃破する事で事件を解決した。

八巻。妹達に協力を求められ、『残骸』を巡る戦いに参戦。美琴と共に黒子を救出した。
肝心の『残骸』は一方通行の手で粉々にされ、運び手だった結標淡希(むすじめあわき)は追っていた上条によって救急車で運ばれた。

九・十巻。大覇星祭では、オリアナリドヴィアによるローマ正教の使徒十字取引を止めるべくオリアナと激突。
(初期の段階では誤った伝承から刺突杭剣として扱われているが)

超電磁砲の八~十巻。大覇星祭二日目、木原幻生の『もう一つの絶対能力進化計画』により暴走した美琴を救うべく削板軍覇とともに交戦。
彼女が出現させた黒球(削板曰く『別の世界から来た理解の出来ないもの』)に対して幻想殺しで接触。
それにより右腕が切断されるが、その直後八体の竜王の顎が出現。黒球を喰らい尽くし、事態は収束する。アニメ版では黒い翼を出現させた一方通行や多才能力を使う木山春生と同じように、白眼が赤くなっていた

十一巻。大覇星祭の宝くじでイタリア旅行を引き当てた事により、イタリアへと旅行に出かけた。
その先で女王艦隊を巡る戦いに巻き込まれ、インデックスやオルソラ、天草式、
アンジェレネ及びルチアと協力してビアージオ率いる女王艦隊と交戦。アニェーゼを救出したが負傷し、
旅行中にもかかわらず学園都市へ送り返された。

十二・十三巻。『0930』事件当日には、日中は美琴の罰ゲームを執行される。その際打ち止めとも面識を持った。
日没後、学園都市に侵攻してきた前方のヴェントと交戦。
猟犬部隊からも狙われる中、打ち止めから救いを求められる。一時的にヴェントを退けた後、一方通行と電話越しに会話した。
最終的にはインデックスや美琴の協力もあり、ヴェントは撃破されたのちに後方のアックアの手によって回収。事件を収めることに成功した。

SS一巻。0930事件の後、御坂美鈴を巡ってスキルアウトと激突。浜面仕上と交戦し勝利した。

十四巻。C文書を巡る戦いでは、土御門と共にフランスのアビニョンへ向かい、現地で合流した五和と共に左方のテッラと激突。
その解析力で術式の特性を逆手に取り、撃破する。この時、電話を通じて美琴に記憶喪失を知られる。

十六巻。アックアによる上条当麻襲撃事件では、二重聖人の強大な力の前に容易に無力化され、意識不明の重体となる。
が、病院を抜け出し戦いの場へと赴く。その途中美琴と遭遇し、制止されるものの、自身の信念を告げ振り切っている。
最終的にアックアの一撃の前に立ちふさがり、五和の聖人崩しを援護した。

十七巻。英国王室に召集されたインデックスに保護者として付き添い、共にイギリスに向かう。
その途上、イギリス行きの飛行機に乗り合わせていたテロリストを撃破。
イギリス到着後はオリアナと共闘してレッサーと対決する。レッサー個人を追い詰めはしたものの、
総合的には出し抜かれ、王室派の一人、英国第二王女『軍事』のキャーリサ率いる騎士派が英国全土でクーデターを起こしてしまう。
騎士派から口封じに狙撃を受けたレッサーを救うべく清教派の女子寮に運び込み、騎士派と交戦しつつ脱出した。

十八巻。騎士派のクーデターが続く中、インデックスを助けるためにフォークストーンへ向かう。
ウィリアムと天草式にインデックスともども救出された後、
ヴィリアンと共にカーテナ=オリジナルを暴走させる作戦に参加し防衛用ゴーレムを撃破。
ロンドン市内で、キャーリサとの決戦となり、仲間達やイギリス国民の増援、
ウィリアムとの連携でカーテナ=オリジナルを破壊する事に成功。
吹っ飛ばされたキャーリサの回収に赴いた所で、神の右席最後の一人、右方のフィアンマと遭遇する。

二十巻。第三次世界大戦が始まる中、意識を失ったインデックスを救うべく
極秘にロシア入りし、レッサーと行動を共にする事となる。
フィアンマがサーシャを求めエリザリーナ独立国同盟へ向かった事を知り、
先回りをして彼女と接触。保護を試みるも身柄を奪われてしまう。
フィアンマを追跡する道中、番外個体との戦闘によって暴走する一方通行と止む無く交戦、撃破した後一方通行を諭した。

二十一巻。レッサーと共にフィアンマのいる基地への横穴を見つけたが、
付近で始まった学園都市とロシア軍の戦闘により洞窟は崩落。
レッサーが駆動鎧を奪って基地へ向かう提案をするが、彼女の離れた直後に上条を乗せベツレヘムの星が浮上。
同時に出現し暴れまわるミーシャに対し、上条は彼女の存在を支える儀式場を破壊、間接的に撃破に貢献した。

二十二巻。ベツレヘムの星にてフィアンマと激突。
遠隔制御霊装を介し放たれる強力な魔術や、完全な力を取り戻した聖なる右に善戦するものの、右腕を切断される。
幻想殺しを分解、吸収し『神上』となったフィアンマの一撃に万事休すかと思われたが、
上条の右肩の断面から突如見えない右手が現れそれを防ぐ。
その右手は『神上』すら霞んで見える程の莫大な力を持つが、上条は『何か』に語りかけ、自らの意思でその力を握り潰す。
結果右腕は再生し、同時にフィアンマが取り込んだ右腕は急速に劣化、取り込まれた幻想殺しは力を失った。
更にフィアンマが「敵」として設定していた「世界中の悪意」が人々の善意に負けた事で、聖なる右の出力も徐々に低下。
最終的には幻想殺しで第三の腕を破壊し、勝利。
その後、遠隔制御霊装を介してインデックスの意識体と会話し、自身が記憶喪失だった事を告げる。
支えを失ったベツレヘムの星が地表に衝突するのを防ごうと
要塞内部を破壊して回っていたが、ミーシャ=クロイツェフが再び浮上を開始。
これを止めるべく要塞の降下ルートを変更し、ベツレヘムの星諸共ミーシャに突貫する。
幻想殺しでミーシャは消失し、四大属性の歪みも元に戻るが、
上条自身は行方不明となってしまい、「二度目の死」を迎えることとなる。

新約一巻。死亡したと思われていたが、
本編開始より以前にバードウェイ率いる明け色の陽射しによってロシアから救出され、同巻内で学園都市に帰還する。
だが、黒夜海鳥の攻撃を受け大ピンチに陥っていた浜面と一方通行を発見。
颯爽と二人の前に現れて黒夜の能力を右手で受け止め、フレメア=セイヴェルンの救出に協力した。
この巻の大半では学園都市へ帰還する途中だったようで、最後の最後に僅かに登場するのみとなっている。

新約二巻。浜面や一方通行と共にバードウェイから『ヤツら』が現れた経緯について説明を受けていたが、
バードウェイ及び上条を追跡していたラジオゾンデ要塞が学園都市上空に接近。
一方通行や浜面との協力によって学園都市への落下を阻止した。

新約三巻。ハワイ諸島に潜入したとされる『グレムリン』を追跡し、
バードウェイの炙り出しによって現れた『グレムリン』のサンドリヨンと交戦。
その後『グレムリン』の目的がキラウェア火山噴火の為の『起爆剤』にあると判明し、
それを守るサローニャと激突するもこれは偽情報であった。
リンディ=ブルーシェイクの身柄を奪取するための戦闘が行われる中、訪れたカウアイ島でサローニャと再度激突し勝利。
その後、学園都市の主要な協力機関群が一斉に関係を一時解消するというニュースを聞き、
全ての原因はバードウェイに利用された自分自身にあったと気づく。この失敗を取り返すべく単独行動を開始した。

新約四巻。反学園都市サイエンスガーディアンが主催するナチュラルセレクターが開催される東欧のバゲージシティでは、
『グレムリン』の全体論の超能力検証実験が行われており、『何故だか知らないが異常に悲劇が起きやすい法則』で空間が支配されていた。
物語終盤、雲川鞠亜サフリー近江手裏の危機に乱入した上条は、幻想殺しにより空間を正常化させる。
その後マリアンと交戦し勝利。戦乱の剣を危険視し、右手で破壊しようとするが、突如現れたオティヌスに右手を潰される。
窮地に陥った上条だったが、オッレルスとフィアンマが突如乱入。オティヌスを退ける事に成功した。

新約五巻。『一端覧祭』で大忙しとなっている学園都市に帰還し、オッレルスと再び接触。
幻想殺しの正体の推測と、『グレムリン』が騒乱を起こす目的は神槍グングニルの生成であることを聞く。
その後美琴になりすましていた『グレムリン』の雷神トールと接触。フロイライン=クロイトゥーネの救出を持ちかけられる。
新約三巻以降、「助けていたつもりが逆に苦しめていた」という結末を誰にも押し付けたくないと考え、
行動を控えていた上条だったが、トールの説得により協力して行動を開始する。
『窓のないビル』の装甲に穴を開けフロイラインを発見するも、彼女に謎の攻撃を受けて取り逃がす。
オッレルス勢力へ偽情報を流す為、警備員から銃弾を受け重傷を負い、
病院の集中治療室に運ばれていたが、隙を突いて病院から抜け出した。

新約六巻。フロイラインと接触する。
『友達』であった打ち止めの脳を食らおうとする本能に抗えず自殺を考えていた彼女に、
死ぬ事ではなく生きる事で『友達』を守る方法を掴むよう促した。
その後、フロイラインを殺害しようとするバードウェイと交戦。苦戦するも
同時に別戦闘をしていた美琴、トールと合流。援護もあり、辛くも勝利する。
最終的に、サンドリヨンや美琴を始めとした細い糸を辿って人々を動かし、間接的にフロイラインを救い出した。
その後、「全力戦闘を行っても周囲の被害を抑えられる強敵」を求めるトールと激突。
『雷神』トール相手に激戦を繰り広げるも『全能』を開放したトールに一撃で倒されてしまい、暫く身体を休めろと諭される。

新約七巻。土御門から報を受け、侵入魔術師霊装を破壊すべく学舎の園内を協力者と共に奔走している最中、
土御門舞夏が死亡したという衝撃的なニュースを目撃する。
土御門に疑念を抱いたまま非通知のメールの案内に従い第三学区の高層ビルへ赴いたが、
そこで貝積継敏、土御門と遭遇する。事態の詳細が分からぬまま向かってきた土御門と交戦するも、
「絶対に勝てない相手」と思っていた彼に勝利してしまい困惑する。
貝積に土御門を任せ、『人的資源プロジェクト』を止めるべく行動を開始。
計画の中核となっているフレメアを守るべく第一三学区まで足を運び、数人のヒーロー及び恋査と交戦しつつ博覧百科まで移動。
垣根帝督と協力し、再び恋査と交戦。上条は恋査を『救う』べく、恋査ごと薬味を撃破した。

新約八巻。レッサーとバードウェイに連れられ、インデックス・美琴と共に、
北海にあるとされる『グレムリン』の本拠地・『船の墓場』へと向かうが、真の『船の墓場』は東京湾上であった。
さらに搭乗していた超音速旅客機も撃墜され、インデックスらと逸れてしまう。
東京湾へと向かう途中で『グレムリン』の魔術師フレイヤに攻撃を仕掛けられ、
一時ピンチに陥るも、インデックス・美琴の助けにより窮地を脱する。
その後二人の助力を得て、フレイヤを救うことに成功した。
紆余曲折を経てバードウェイらと合流するも、上条が『船の墓場』へと到達した時には既に『主神の槍』は完成していた。
そして完成した「魔神」オティヌスにより、上条とオティヌスただ二人を残し世界は崩壊してしまう。

新約九巻。作品全体を通して最も長い時間をかけた上条の戦いを描く。
崩壊した黒一色の世界で、オティヌスは上条を幻想殺しを持つただの器にする為に世界を変えていく。
上条を絶望させるべく、世界を次々に変えていき、何万以上もの絶望的な世界を体感させられる上条だったが、その心は折れなかった。
しかし「上条の知人も含んだあらゆる人が上条抜きで救われ、自身の軌跡が全て否定された世界」(Version_Omega)で、
遂に上条は死を決意する。
だが突如現れた『総体』との会話の結果、
上条は「幸せな世界を捨てて自分が過ごした元の世界に帰る」ために再びオティヌスと対峙する。
繰り返す戦いの中で上条は、オティヌスが「元の世界」に帰る第1希望と「次の世界」という第2希望の間で葛藤していることを見抜く。
やがてオティヌスに闘争の繰り返しによる精神的摩耗が訪れ、オティヌスは奥の手『』を発動。
上条は敗北し、オティヌスに幻想殺しを使って彼女の元の世界を取り戻すよう促しながら死亡した。
それを受けオティヌスは、自分が真に求めていたのは世界に対する違和感と疎外感を共有する『理解者』であったこと、
上条こそがその『理解者』だったことに気付き、「元の世界」ではなく「上条当麻が生まれた世界」を復元した。
オティヌスの『理解者』となった上条は、彼女がただ殺されるだけという結末を許せず、
オティヌスの罪をちゃんと償わせる為に、世界を敵に回してでも彼女を守り抜くことを決めた。

新約十巻。オティヌスがかつてミミルの泉に捧げた目を回収し、『妖精化』によるオティヌスの内部崩壊を止めるため、
オティヌスの骨船で彼女と東京からデンマークへ転移。
そこから一方通行、『晩餐の魚』で20億倍に増幅した魔術を用いるローマ正教、ワシリーサ総大主教
イギリス清教各位とキャーリサの駆る移動要塞『ホテルエアリアル』、マリアン=スリンゲナイヤーと『投擲の槌』、
連合軍及び米国大統領、御坂美琴と彼女に操られた学園都市の兵器群、模倣神技を武器にしたインデックスとバードウェイ、
聖人」のシルビアとブリュンヒルド、100人以上のグレムリン正規メンバーを斃した『全能神』トール…と、
科学と魔術のボスラッシュとも呼ぶべき面子と連戦。
長い長い旅路を終え、オティヌスと共にミミルの泉へと到達した。
だが、「オティヌスを救った罪」を上条に背負わせることを拒絶したオティヌスに『弩』を放たれるも、
これを回避して『妖精化』を解除し、彼女を救う。
学園都市に帰還した後は、身長15cmに縮んでしまったオティヌスを二人目の同居人として迎えた。

新約十一巻。一年前の食蜂操祈との出会いが描かれた。
かつて上条が、食蜂との出会いが一因となって助けられなかった少女、蜜蟻愛愉が復讐に動き出し、
食蜂はグラウンド・ジオにて追い詰められるも、雲川芹亜から連絡を受けた上条が駆けつける。
その結果、蜜蟻は自身が待ち望んだ上条の介入によって敗北した。
また、上条は過去にデッドロックと交戦した際に重傷を負ってしまい、その際、食蜂の応急処置で事なきを得るも、
その影響で上条は「食蜂操祈」という人物を正しく認識できなくなってしまっている。
(余談だが、はいむらきよたか氏曰く、この新約十一巻で上条当麻の顔が徹底的に隠されているのは、
たった一度だけ顔が映る見開きのための布石らしい。)

新約十二巻。日々スフィンクスからの攻撃に脅かされるオティヌスの要求で、
インデックス・オティヌスと共に第一五学区にあるダイヤノイドに赴く。
そこで魔神を自称するサンジェルマンに襲われるが、浜面、アイテム、同じく自称「藍花悦」と共に事件の解決に奔走。
サンジェルマンに炊きつけられそうになっていた「藍花悦」に友人のメッセージを届け、
加納神華』の名を取り戻させた。
覚醒した加納や浜面、アイテム、ステファニー、そしてインデックス、オティヌスと共闘し、サンジェルマンを撃破した。
加納の「何故、最後の一撃を譲ってくれたのか」という質問に対しては、
「何言ってんだ。ヒーローはアンタだろ。」と何の気なしに笑いながら答えた。

新約十三巻。進級が危ぶまれ、防犯オリエンテーションの犯人役となって学校中を駆け回る羽目になる。
その最中に「真の『グレムリン』」の僧正に交渉を持ちかけられるも、それを拒否し決裂。
アクロバイクを駆り、居合わせた美琴を後部シートに乗せ、共に僧正から逃げることとなる。
途中ネフテュス娘々と遭遇し、対僧正のアドバイスを受け取った後、第二三学区にて僧正と対峙。
美琴の策略で、地下サイロ式のマスドライバーで僧正を地球外へ打ち上げることに成功する。
が、僧正はアローヘッド彗星と融合し、学園都市へ向けて大気圏へ再突入を開始。
美琴はもはや打つ手無しと呆然としていたが、上条は右手を天にかざし、得体の知れない何かを行使しようとする。
その後美琴と別れ、学生寮へ帰宅するが、消耗したネフテュスと遭遇し、上里翔流理想送りの名を知る。
その危険性を身を持って知ったネフテュスにより、「力を失ったオティヌスもまた、『追放』の対象ではないか」と協力を要請された。

新約十四巻。幻想殺しと同質の力である『理想送り』と、それを宿す上里翔流の存在を知らされるも、
僧正とのチェイスで疲労した体を癒すため、ネフテュスとの親睦もかねて鍋を作る事に。
食材を買い出しに赴くが、その帰り道に上里と邂逅し、謎の『赤』『黒』の怪物の戦闘に巻き込まれる。
なし崩しに上里と共闘して離脱に成功し、『赤』の残骸からレイヴィニア=バードウェイを回収し学生寮に帰宅。
その後、土御門が上里勢力に無力化されたことを知り、
直後暮亞に学生寮から引きずり出され、
再び上里と対面、しばらく言葉を交わした後に決裂する。
そして上里勢力と学生寮で交戦したが、パトリシアの処遇を巡る戦闘中の口論の末に、
暮亞の能力を応用しショゴスを除去する方法を立案、上里勢力と停戦する。
全てが終わった後、「幻想殺しと理想送りがぶつかったらどうなるのか?」という上里の疑問を解消するため、上里と激突した。
その後、鍋がどうなったのかは作者すら知らない。

新約十五巻。上里との戦闘で飛び出した、自分の右手の「奥にあるもの」に対して恐怖し、改めて『幻想殺し』の正体に疑問を抱く。
次の日、半壊した上条の高校に代わって、上条達は空きのある別の学校に登校することとなるが、
その学校に転入していた上里と再び遭遇。
数日間は平穏を保っていたが、美琴の様子がおかしい事に気づいた上条は上里から「絶滅犯去鳴が学園都市へ侵入し、上条勢力に攻撃をしかけている可能性があると聞かされる。
味方であるはずの上里勢力にまで被害が及ぶ事を危ぶんだ上里に、
去鳴が暴走を続けるそもそもの行動理由をなくすため殺害されかけるが、去鳴に連れられその場から撤退。

そして、化粧院明日香に化けていた木原唯一が正体を現し、上里の右手を奪ったことで状況が一変。
唯一が上条を殺害しようとしたことで、去鳴や居合わせた美琴と共に唯一と交戦する。
激闘の末、唯一と対峙した上条は『横紙破り』を手にして唯一へ突き付けるが、
オティヌスの言葉を思い出して逡巡し、そこで生まれた隙を突かれて唯一に殺害されかける。
しかし、それを目撃した美琴が対魔術式駆動鎧を起動させて唯一を吹き飛ばしたために上条は一命を取り留めた。
事態が終息した事に安堵する上条だったが、去鳴から「御坂美琴はいずれ道を大きく踏み外す」と告げられ、衝撃を受けるのだった。

新約十六巻。学園都市を襲った大熱波エレメントから逃れるため居候共々学校に避難し、水の調達班に回っていた。
その一環としてクラスメイトたちと水道局へ潜入するが、エレメントに襲われ危機に陥る。
対魔術式駆動鎧を携えた美琴によりその場から救われ、常磐台中学へと送られる。
常磐台中学ではエレメントの殲滅作戦が進められていて、幻想殺しが作戦の要になりうるため戦闘に参加。
クラス6、100メートル級という規格外の巨大エレメントを辛くも掃討し、『水晶の塔』を破壊することに成功した。
しかし、実は水晶の塔は木原唯一が仕掛けたデコイであり、常磐台中学は唯一率いるエレメントの軍勢により壊滅するが、
去鳴率いる上里勢力によりどうにか事なきを得た。

次に上条が目覚めた場所は上里勢力の拠点だった。
上里から大熱波の真相を聞き、エレメントを生み出している唯一と決着をつけるため彼らに同行。
窓のないビル直下で唯一と相対し、上里や上里勢力と共に彼女を追い詰める。
しかし、理想送りを再び行使した上里が世界から消失する。
唯一は再び理想送りを自らのモノとし、上里の生存の可能性を盾にとって上条を殺すよう上里勢力をけしかける。
上条は必死に逃走しながらも、ただ一人だけ異変を起こさなかった府蘭の協力を得て、
上里の行動を前にして何もしなかった自分に憤り、彼女たちを救うべく上里を取り戻す事を決意した。

新約十七巻。上里を『新たな天地』から奪還すべく、魔術師の琉華を説得して仲間に引き込み、A.A.Aを利用するため美琴を捜索。
その後、美琴が一般人の悪意に晒されて絶望したことを悟る。
紆余曲折を経て、絵恋ら上里勢力の追撃を逃れつつ、パトリシアとネフテュスを軸にした術式を発動させた。
結果として上里は現世に帰還し、唯一は上里勢力に敗北した。

新約十八巻。上里らと別れ、やっとの思いで帰宅したところ、
土御門府蘭が勝手に上条宅の食料を食い荒らしているのに出くわす。
彼らの亡命をしぶしぶ手伝う上条だったが、
学園都市の外壁を乗り越えようとした矢先、舞夏に統括理事長のトラップが作動したことで状況が一転。
土御門やインデックス共々窓のないビルの攻略に挑む。
ビルを進む過程で出会ったミナ=メイザースと共に、世界最高峰の魔術師の生涯を辿ってゆき、
少年が生まれる前から結びつき、生まれた時には敵対していた『人間』と、とうとう真っ向から激突した。
戦闘後、いつからかその場に現れていたローラがアレイスターに突き立てた刃が爆発的な光を放ち、
一行は窓のないビルの外へ放り出される。
上条は真っ逆さまに落下したものの、少女の姿を取ったアレイスターの分身に救出された。

新約十九巻。コロンゾンの襲来でインデックスらとはぐれ、少女の形を取ったアレイスターと共に行動。
スケベ親父の本性を剥き出しにした彼のセクハラに翻弄されながらも、合流の妨げの原因をコロンゾンに乗っ取られた府蘭と推理し、
別行動ながらも浜面・一方通行と並行してコロンゾンの悪意に立ち向かう。
病院で因縁の自動書記モードのインデックスと対峙するも、ミナの手助けにより自動書記が解除され、事なきを得た。
事態終息後、リリスに様々な事を教えるべき父であるアレイスターを気遣いつつ、イギリスでの決戦の準備を始める。

新約二十巻。アレイスター・インデックス・一方通行・浜面らと英国に到着、クロウリーズ・ハザードに翻弄される。
三重四色の最結界の解除のためアレイスターの作戦でロンドン塔へ捕虜として送られ、
そこでステイルから日頃の仕返しと言わんばかりの拷問を受けるが、オティヌスの助けを得てロンドン塔の各魔術施設を大量に破壊し、
強制的に結界を解除させるなどしてイギリス側を大きく混乱させてアレイスターらが侵入する隙を作ることに成功した。
その後、神威混淆で暴走したオルソラと戦闘し、彼女を正気に戻した。
さらにメイザース率いる『黄金』の面々が復活すると、
前線で戦ったり、アレイスターを励ましたりしながら、新約二十一巻〜二十二巻リバースまでの騒動を切り抜けた。

創約一巻。12月24日の学園都市で美琴・インデックスとクリスマスパーティを楽しんでいた最中、
ふとしたことから打ち止めを狙う暗部のエージェントの戦闘に巻き込まれ、
一方通行の『手錠』計画の一部分を図らずも担うことに。
その後、打ち止めを狙う首謀者の根丘と交戦し、
科学サイドと魔術サイドの境目が曖昧になっていることに戦慄しながらも撃破した。
しかし事件解決後、突如現れたアンナ=シュプレンゲル強毒性サンジェルマンウイルスを飲まされてしまう。

創約二巻(12月25日)。アンナに飲まされたサンジェルマンウイルスに体を蝕まれ、あと一歩で死亡するという所まで衰弱してしまう。
だが自身の体内のサンジェルマンの意思に語りかけ、彼の戦闘協力を得て辛くもアンナを撃破した。

【備考】

作者曰く、幻想殺しも含めて『相対的』なキャラクターであり、
周りに異能の力を持った魔術師や能力者がいなければ、『それを打ち消す』能力の存在すら認識されない。
信念と信念がぶつかり合う時も、大抵の場合は自分から仕掛けるのではなく、相手の言い分に応じる形で表出される。
作者曰く、
「もしも、真っ直ぐな信念を持った人間が何の特別な力もない握り拳で向かってきたら、
上条は間違いなく敗北していた」とのこと。
本来の彼は立ち位置不明で、飼い猫が逃げたという話を聞けば全力で探し出し、
世界の危機が訪れれば全力で阻止するような人物。
要するに「自分からアクションを起こす」のではなく「何かに対してアクションを起こす」性格である。

なお、新約九巻で幾千億の時を過ごしてきたにもかかわらず、
口調や価値観等は、新約八巻以前の「平凡な高校生」のものと全く変わっていない。
(作者曰く
「上条っておじいちゃんになってもあの性格と口調のままなんじゃないかなと思ったので醸成させずにそのまま貫いてみた」
とのこと。)
また、幾千億の時を別世界で過ごし、死んではオティヌスによって生き返ってを繰り返しているため、
肉体年齢は高校一年生だが、精神年齢は仙人に等しい。

【口調】

一人称は基本的に「俺」だが、特にコメディパートでは時々「私(わたくし)」や「上条さん」になることがある。
「不幸だ」という台詞を多用するが、基本的に日常パート・コメディパートのみでの軽い言葉であり、
事件に巻き込まれた事そのものについて本心から「不幸」だと述べたことはない。

また、主にシリーズ最初期(&同時期に書かれた短編)には
  「当然なの! 当然なんだよ当然なんです三段活用!」
  「ヲイヲイ俺は幼女監禁趣味逮捕女の子に興味があったんですエンドを迎える気はサラサラねーぞ」
  「あーはいはい、擬人化美琴たん萌えー」
等の特異な言い回しをしていたが、旧約十六巻以降は殆ど見られなくなった。

二人称は「フルネームの並びで最初に来る名前」であり、ファースト・ファミリーネームについて頓着せずに呼ぶ( 出典 )。
例えばステイル=マグヌスは「ステイル」、土御門元春は「土御門」となる。
例外はレイヴィニア=バードウェイ(「バードウェイ」と呼んでいる。
これはレイヴィニアが上条と初めて知り合った際、自身のファーストネームを上条に教えなかったため)。
原作『超電磁砲』では削板軍覇のことを「軍覇」と呼んでいたが、これはアニメ『超電磁砲T』で修正され「削板」に変わった。

自身の持つ異能『幻想殺し』になぞらえた、「その幻想をぶち殺す!」という決め台詞を持っている。
形を「そのふざけた幻想をぶち殺す」や「その幻想をぶち壊す」等に変えて使っている事もある。
基本的に相手の思惑や行動理念を否定するために用いるが、
精神的に追い詰められている味方に対する励ましの意味で使ったこともある。

【関連項目】



最終更新:2024年03月03日 16:51