【種別】
魔術

【元ネタ】
Ars Magna=「大いなる術」
錬金術における思想の一つ。実在した錬金術師ライムンドゥス=ルルスが始祖のようだ。
中世15世紀辺りに考え出され「アルス=マグナを得た者は超人となり神に等しい智恵と力を持つ」らしい。
ここらへんは作中でも微妙に言及されている。

【初出】
「純金の変換(アルス=マグナ)」表記では一巻。
使用は二巻。

【解説】
世界の全てを呪文と化し、それを詠唱完了することで行使可能となる錬金術の到達点とされる大魔術。
神や悪魔を含む『世界の全て』を己の手足として使役する事ができる。
世界の完全なるシミュレーションを頭の中に構築することで、
逆に頭の中で思い描いたものを現実に引っ張り出す魔術。

術式そのものは過去の錬金術師達によって既に完成されているが、
「世界の全てを呪文と化す」必要があるためにその量は極めて膨大で、まともに唱え切るには数百年単位の時間を要する。
「術式の無駄を省いて詠唱の量を削減する」「詠唱を細かく区切って親から子へ詠唱を少しずつ受け継がせる」
などと言った方法でどうにか発動させようとする魔術師もいるが、
いずれの方法にも無理があり、寿命のない吸血鬼にでも詠唱させない限りは実現不可能とされていた。

しかしアウレオルスは2000人の生徒を『偽・聖歌隊』で操り、
一斉に詠唱させることで作業効率を極端に引き上げ、僅か半日で発動させることに成功した。

その効果は、頭の中で思った通りに世界を操ることができるというもの。
相手に対して「砕けろ」と思えば砕け散り、
「忘れろ」と思えば完全に忘却し、
「死ね」と思えば是非も無く即死する。
また「内から弾けろ」と命じても、
「死ね」と思わなければ(もしくは「死なせない」と思えば)即死しないなど、物理的な常識は完全に超越する。

弱点は、イメージが善悪問わず無差別に具現化されてしまうこと。
例えば、「絶対にこいつには勝てない」と思ってしまった時点でその事象は具現化し、自滅が決定する。
また、「本当にそんなことできるのか?」と疑念を抱いてしまえば、その疑念も具現化して本当にできなくなってしまう。
そのため、魔術師にとっても「信じがたい存在」である吸血鬼を生み出すことはできなかったし、
アウレオルスにとって未知の能力を持つ上条には、
「死ね」の一言を持って死を与えることが出来なかった。
インデックスの記憶障害を直接治そうとしなかったのもそのためだと考えられる。

この弱点を克服するため、アウレオルスは言葉に出すことで思考を固め、不安を消す鍼を常用していたが、
戦闘中気が動転して踏み砕いてしまい、結果敗北した。
また上記の理由で「言葉」という縛りを加えてしまったため、
発動までにややタイムラグがあり、一度に一つの具現化しかできず、
カルタ取りのように攻撃が先読みされてしまうと言う欠陥も持つ。

そして全能とはいえ異能の力であるため、幻想殺しに触れれば無効化されてしまう。

作中においては
  • 物質の具現化
  • 記憶操作
  • 瞬間移動
  • 空間操作(距離を固定し、近づくことも離れることもできなくする)
  • 時間操作(グレゴリオの聖歌隊での破壊を死者や消滅した外壁等含めて巻き戻し、そのままローマまで送り返す)
  • 死者蘇生
  • 肉体的損傷を伴わない問答無用の即死攻撃
など多彩かつ反則的な効果を発揮した。

神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの(SYSTEM)』の説明を月詠小萌から受けた際インデックスは、
セフィロトの樹の『アインソフオウル、アインソフ、アイン(000 00 0)』と同時に、『アルス=マグナ』を連想している。
曰く、『大いなる業(アルス=マグナ)』とは『卑金属(鉛)を貴金属(黄金)に変換する』技ではなく、
『鉛のようにくすんだ人の魂を、黄金のごとき天使の魂へ昇華させる』術で、
『神様の力を横取りできる』完全なる知性主義(グノーシズム)に当てはまるようだ。

最終更新:2021年04月26日 17:06