【種別】
疾患

【初出】
一巻

【解説】
一巻ラストにてほぼ全ての記憶(思い出)を失った上条当麻の記憶に付いてのまとめ。

失った記憶に関する詳しい説明は二巻から抜粋して

失ったモノはあくまで『記憶』であって、『知識』は生きている。
だから、携帯電話の使い方は知っていても、
『あれ?どこに携帯電話置いたっけ?そもそもいつ契約したんだっけ?』 という具合になっている。
例えば「りんご」は『バラ科の落葉高木で、春に花が咲き、球形の果実が実る』という事は分かる。
だが、それが『美味しい』かどうかは食べてみないと分からない。
○月×日、美味しいリンゴを食べた、なんて絵日記帳の『思い出」はどこにもないからである。

こんな状態に陥ったのは『思い出』を司る『エピソード記憶』と『知識』を司る『意味記憶』の内
『エピソード記憶』のみが破壊されたから、らしいのだが。

上記の説明と一巻ラストの辺りから、失った記憶に関してまとめると

  • 上条当麻として生きて来た中で関わった人間に関する記憶の全消去
自分の両親の名前や顔は勿論のこと、どんな性格だったのかも忘れており、
関わった全ての人物の思い出は全て消去されている。
(父親と母親と言う言葉の意味は『知識』として生きているが、
顔や名前等は『記憶』だから顔も名前も忘却している)

  • 自分自身に関わる記憶の全消去
記憶を失う前の自分がどんな性格だったのか、どんな本が好きだったのか、等を忘却している。
一巻にて『自分の右手に神様の奇跡すら殺せる力が宿っているとか言われても。信じられない~』
と言っており、幻想殺しを使った経験を忘却しているが、
異能の力なら打ち消せるという『知識』は覚えているので半信半疑になっている。

また、自身の通っていた高校の場所や自分の部屋の本棚にどんな本があるのかさえ忘却しているので、
恐らく当初は、自分の寮の場所・駅やバス停など、学園都市内の地理等は全て消えていたようだ。

結局の所は日常生活を難無く送れる。

これに関しては一巻よりも前の時点で失っている(説明は新約十一巻)。
デッドロックとの戦闘後、瀕死の状態で『心理掌握』の操作を受けた後遺症で、
上条は脳の構造が変化してしまい、「食蜂操祈」という個人のことを正確に認識できなくなっている。
したがって彼女に関する記憶は維持も更新もできず、「前にどこかで会った気がする」程度の印象しか感じることができない。
作中の描写から、「学園都市第五位」の存在は知っているが、
その人物が食蜂であるとは認識できないようだ。

【疑問】
1:『記憶』は失っているとはいえ『知識』は覚えているのに、どうして両親の名前や知り合いの名前も忘却しているの?
顔や性格を忘れているのは『記憶』の消去で納得出来るが名前って『知識』のカテゴリーじゃないの?

2:という事は蚊に刺されると痒いのは分かるが『痒い』という感覚すら忘れるの? 『甘い』とか『辛い』といった味覚も忘却?

【回答(仮)】
1:意味記憶とエピソード記憶は非常に曖昧なものである。あきらかに知識として所持している記憶も、はじめて得た時は誰かから得た情報であることには間違いなく、
情報を得た時点ではエピソード記憶であるとのこと。
上の例で言えば、「ステイル=マグヌスは魔術師である」に当てはまる。
また、結婚式に望む直前の女性が記憶喪失になったとき、
(この女性はエピソード記憶の喪失による記憶喪失だと診断された)
自分の置かれた状況も相手の男性の顔も名前も思い出せなかったという事例もある。
ある主婦が記憶を失ったとき、IQなどにはまったく異常はなかったが、
自分の名前や母親・夫の名前、顔を見ても誰だかまったく解らなかった。
エピソード記憶の中でも,自己の生活史の記憶のみを失っているこの症状は『全生活健忘症』と呼ばれる。
上条当麻はこれに当てはまるのではないだろうか。

2:「辛い」という味覚があることのみを覚えていると推測される。
よって、「カレーライスは辛いらしい、だが味は知らない」のような事が起きる。


最終更新:2022年09月22日 14:37