【種別】
人名

【初出】
超電磁砲第百五話にて変装した状態で登場
容姿が判明したのは百六話


【概要】

第二少年院の042号室に収監されていた女囚。「書庫」の記録によるとレベル0

経緯は不明だが上条当麻竜王の顎の一体、天使型の竜を右手に宿している。
なぜ竜が自身に宿ったのかは本人も分かっていない。(本人曰く「授かり物」)

少年院が企画した脱獄トライアルを利用して仲間の協力のもと脱獄し、何らかの目的の為に行動を開始する。

【人物】

ウェーブがかかった長い水色の髪と、ギザ歯が特徴の少女。
脱獄後はボンテージ風の戦闘服の上から白いポンチョを羽織っている。

退廃的な音楽や絵画を好んでいるが、後述の実験の後遺症で味覚や情動が薄れており、
ファンだった『mariophanie』というアーティストへの興味も
脱獄した後に新譜を聞いた際には「益体のない事ばかり歌う奴に成り下がった」と酷評している。

強者に支配された世界を退屈と感じており、弱者に力を与えて群雄割拠の世界を望んでいる。
その動機にはかつて自分が自己犠牲で守られたトラウマと、当時無力だった自分への苛立ちがある。

【過去】

元は「置き去り」であり、青星釣鐘雷斧白絹と同じ孤孤児院で生活していた。

孤児院の資金難から仄火、茶寮、雷斧らと共に「能力向上施設」へ入るが、そこは「暗闇の五月計画」の末端研究所であり、本館ほどではないものの人格をいじられる非人道的な扱いを受ける。

実験を受けてもレベル0であったが、「数値に変化がなさすぎる」ことを疑問視した研究者の調査により「ある事実」が発覚し、その危険性から研究者たちに処分されそうになる。
孤児院の仲間と共に脱走を図り、囮になった仄火の犠牲などにより脱走に成功する。

脱走後は死亡した仄火と入れ替わって生活していたが、誤魔化しが効かなくなってきたため、3年前から青星の赴任した第一少年院で保護。第二少年院に移送後は竜の能力により、水面下で第二少年院を支配するようになる。

【能力】

上条当麻の竜王の顎の一体、天使型ドラゴンを右手に宿している。
この竜には実体があり、巨体で押し潰したり、翼を展開して羽を放つ攻撃が可能。
耐久性も高く、巨大超電磁砲が複数直撃しても大したダメージにはならない。

また、この竜は「洗脳」と「塩化」の二つの能力を持っている。
  • 洗脳
羽を刺した人間を魅了し操ることができる。
一種の催眠のようなもので自発的な思考はできなくなるため、複雑な行動をさせるのには向いていない。
下準備として嬉美の血を対象に摂取させておく必要があり、摂取せずに羽に刺されると体内の塩分が暴走して致命傷となる。

  • 塩化
額の十字架から放たれる光に当たった物質を塩化ナトリウムに変換する。
塩化した物質には十字の紋章が刻まれ、ボロボロに崩れていく。
塩化する対象は問わないが、光は遮蔽物を貫通することはできない。

なお竜は嬉美の支配下にあるわけではなく、使えば使うほど竜の浸食が右腕から全身に広がっていき、途中から制御できなくなっていた。
また、竜はAIMジャマー下では使えないらしい。

他にも竜の能力かは不明だが黒い稲妻を操ることができ、電撃を逸らしたり、美琴を真似て「超電磁砲」を放ったりすることもできる。
ただし付け焼き刃であり、練度では美琴には及ばない。

嬉美本人のAIM拡散力場は微弱であり、レベル0認定されていた。
しかしそれは通常の方式では計測できないだけであり、
実際は能力使用時に「宇宙のどこかにブラックホールを生み出す」ことができる「全体論の能力者である。

その規格外の能力からワームホールの形成や世界のエネルギー問題の解決など9人目の超能力者にもなれると目されていたが、
この能力は非常に繊細であり、ブラックホールの発生位置や規模をコントロールすることは困難。
何億光年も離れたブラックホールとパスが繋がる可能性があると同時に、地球の近くにブラックホールを生み出して地球が消滅してしまう危険性もあり、研究者の間でも実験継続派と存在抹消派に別れていた。

彼女に天使型ドラゴンが宿ったのも、ブラックホールの莫大なエネルギーに引き寄せられた為らしい。

嬉美自身はこれら能力の真相を把握しておらず、レベル0であると自認している。なお全体論の能力の定義からすると、この認識は妥当でもある。

【作中での行動】

脱獄トライアルの囚人役の女性(飯塚)に変装して入れ替わり、青星釣鐘雷斧の協力により脱獄を成功させる。
協力者である三人と合流した後、脱獄トライアルの優勝者で凄腕のハッカーである初春を誘拐し、自分に協力させようとする。
その目的は学園都市の能力開発に関する資料を外部に流出させること。
それにより弱者が強者に対抗する手段を持ち、混沌ながらも平等な世界を作り上げる事であった。



【口調】

一人称は「吾(おれ)」。
粗野な口調で、古風な言い回しを多用する。
粗野な口調は白絹仄火を真似しているうちに自然に染みついものだが、
古風な口調はドラゴンの影響によるもの。
曰く、ドラゴンの影響の強さに比例して古風さが増すらしい。

例)「この街に居(お)る限り囲鐃されとることに変わりないしなァ」
「こいつは世界を吾(おれ)好みのヒリつくモンに変貌(かえ)られんのかね?」

【余談】

デザインは 松竜 氏によるもの。
十五巻ではキャララフが掲載されている。


最終更新:2022年03月13日 21:16