1:
【種別】
悪魔


【初出】
新約二十一巻

【解説】
聖書に登場する悪魔の君主の一員。ベルゼブブとも。
元々はペリシテ人が信仰していた高位の神格だったが、
ヘブライ人によって邪教神とみなされ、神に敵対する悪魔とされた。

そして後世には大悪魔で魔神の君主、あるいは魔界の君主とされるようになった。
今でこそサタンに次いで2番手の印象を持つが、実力ではサタンをも凌ぐとも言われている。

ベルゼビュートとは、この悪魔をフランス語で表記したものである。

2:
【種別】
魔術

【解説】
メイザースが使用する術式。

青い杯と緑の盤を使い、自身の周辺にどす黒く変色した乾いた豆を大量にばら撒く。
すると散らばった豆は蠢き、粘ついた黒い糸を吐いて連結していき、標的の名前を描いていく。
そしてメイザースが「蠅の王」の名を告げると同時に標的の心臓から同様の糸が吹き出して豆の糸と連結し、
標的を心臓から汚染して全身の血管へ汚濁と病原を行き渡らせていく。

大いなる負の力を持つ魔王と標的の名前を黒い糸で繋ぎ合わせ、不浄の象徴で汚染する呪いである。

即死を目的としているのではなく、相手を出来る限り苦しませた上で徐々に殺していくための術式。
メイザースは主に「黄金」の内部懲罰用として使用していたようで、
かつてのブライスロードの戦いの渦中では
「あれだけは喰らいたくない」と考えた魔術師達が、
目の前の敵よりも誰が戦いを始めたのだと互いに責任の追及をしている内に組織が空中分解してしまったという伝説を持つ程の恐怖の象徴。

魔術戦でも強力で、召喚する存在が地獄でも一二を争う大悪魔のため、余程の魔術的な象徴を使わなければ使用するだけで大抵の魔術を迎撃出来る。
アレイスターのベイバロンを使った術式も、真っ正面から打ち返された。

【詠唱】
「寒にして乾、続けて寒にして湿」
「大地の繁栄は転じて腐敗と化す。いでよ、広がれ、この一つ。全てを腐らせその内より産声を上げる悪魔の王よ」
「すなわち『蠅の王』。我が前に立つ不遜の輩へ正当なる粛正を」
(簡略版)
「寒にして乾、続けて寒にして湿」
「『蠅の王』」

最終更新:2018年10月19日 00:27