【種別】
霊装

【元ネタ】
Devine = 「神聖なる」
Mixture = 「混合」

【初出】
新約二十巻

【解説】
アレイスター英国襲撃に備えて、ローラ=スチュアートが用意していた対クロウリー専用霊装。
エジプト神話を理解できなかった西洋人が、ギリシャ神話に対応させて解釈しようとした歴史に由来する。

全5種がロンドン各所に秘蔵されており、その見取り図がランベス宮に隠されている。

クロウリーズ・ハザード襲撃の際、対都市防衛用の決戦兵器としてホレグレス=ミレーツの命により実戦投入されたが、誰も正しい使い方が分からず、
ラー=ゼウス、オシリス=ハデス、テフヌト=アルテミスの3種は地脈に接続して使用され、
この余波でロンドンの街にはエジプトを思わせる風景や構造物が出現した。
(正確には「西洋人から見たエジプト」であり、実際のエジプトを正確に再現しているわけではない)
この方法でも圧倒的な破壊力を持つが、実はこれらは本来の1%程度の効果しか発揮できておらず、3種ともアレイスターに簡単に撃破されてしまった。

真の力を発揮するためには人間が体を捧げて神威混淆と融合する必要があり、
その本質は「他者との間の無理解・不寛容を物理的な攻撃力に変換する」というもの。
原理としては変圧器(トランス)に近く、お互いが頭の中で浮かべているモノが違っているほどに攻撃の自由度が増す。

宿主の行動と会話に著しい乖離が見られ、なおかつ外界自体は正しく認識していること、
比較すれば遥かに膨大な力を持つはずの『地脈』ではなく『人』を用いることで、性能の100%を引き出すという点から看破された。

「こいつとは話が通じない」というような、言葉と認識の齟齬が生み出す、お互いがお互いを諦めてしまう悪意を火力に転換させるため、
支持・理解・共感を必要とせず、被せられた汚名に対してそれを勇んで被り続け、その様子に怯える民衆を見て楽しむような性格のアレイスターにとっては、まさしく最悪の相性を持つ。
事実オルソラを宿主とした「イシス=デメーテル」は、アレイスターに重傷を負わせることに成功している。
逆に言えば使用者に歩み寄り、対話し、理解しようとすることを諦めない者には、攻撃はできても一切の傷をつけることは出来ない。

ただし「無力化」が出来ると理解していても、
認識がズレている上、極めて強大な力を持つ霊装を振るう相手に一切の負の感情を抱かずに対話を続けるのは非常に困難であり、
さらに言えば「使用者と繋がりのある人物」でなければそもそも対話に出られない。
(オルソラの場合見ず知らずの人でも真摯に話を聞いてはくれるだろうが、肝心の無力化を行う人物がオルソラの人となりを知ってなければ意味がない)
実際に作中でイシス=デメーテルを無力化出来た(orし得る可能性があった)のは、オルソラと深い絆を交わして本質に気がついた上条と、アニェーゼの2名のみであった。

その成り立ちや他者との関わりを引き裂くことで力を増す点など、まさしくコロンゾンの本質「拡散」を象徴する霊装と言える。

本来は宿主にクリファパズル545を憑依させ、無理解・不寛容を極限まで増大させるという運用を想定していたが、
その前にクリファパズルが撃破されたので実現しなかった。

ちなみに唯一の使用者であるオルソラは、一度は命を狙ったアニェーゼ達をも受け入れただけでなく、『お互いがお互いを諦めない勇気』だけで様々な地へ赴き神の教えを説いて人々を救ってきた人間。
そしてどんな人間だろうが暴力でなく対話で解決しようとし、絶対に相手と分かり合うことを『諦めない』。
つまり、皮肉にも本来オルソラこそがこの霊装に対する絶対的な攻略資質を有する存在なのである。

【機種一覧】
ラー=ゼウス
発動後の形状は、巨大なオベリスク。
「溶けた鉄のようなぬめりを持ち、同時に巨大な樹を思わせる」閃光を放ち、
クロウリーズ・ハザードを数十体まとめて消し飛ばしたが、アレイスターによって蹴り倒された。

オシリス=ハデス:
発動後の形状は、全長300mを超える、戦艦サイズの巨大なワニ。
テムズ川を泳いでいたが、アレイスターに「ラー=ゼウス」の残骸で串刺しにされた。

テヌフト=アルテミス:
発動後の形状は、クレーンか投石器のような形状の飛び道具。真球の巨岩を射出する。
描写はないが、アレイスターに無力化されたことが語られている。

ワチェット=レト:
発動前の形状は、純金とダイヤで組み上げられたハゲワシの装飾品。
フリーの運び屋として雇われたレッサーレイヴィニアがスクーターで運んでいる途中、上条に発動前に破壊された。

イシス=デメーテル
唯一正しい使い方をされた神威混淆。リンク先参照。

最終更新:2022年03月12日 18:34