【種別】
計画

【初出】
六巻
存在自体は一巻から

【概要】
アレイスター=クロウリーが進める計画。
『とある魔術の禁書目録』という作品の根幹をなす概念でもある。
『手順(プラン)』、『計画(プラン)』とも表記される。

その目的は「あらゆる位相を破壊して魔術を絶滅させ、
人間が位相の生み出す悲劇に振り回されることのない、まっさらな世界を作る」こと。
アレイスターはこれを達成するため、「形を変えた僧院」たる学園都市を構築し、
幻想殺し、「ベクトル制御装置」一方通行(予備として未元物質が存在)、ミサカネットワークなどを利用して、
虚数学区・五行機関、ならびにエイワスの制御法の確立を目論んでいる。
オティヌスによれば「宗教に依らない科学の世界(純粋なる物理法則の世界)を直接いじくる」ことを目的としているらしい。

アレイスター曰く、基幹となっているフォーマットを除けば、その思想はフィアンマプロジェクト=ベツレヘムと似通っていたという。
さらに曰く、
「異形の力で満たされた神殿を用意し、その中で右腕の力を精錬し、
その力でもって位相そのものの厚みを再調整し、結果として世界を変ずる思想」
という点で共通していたらしく、幻想殺しの本質を理解できていれば、フィアンマもアレイスターと同じ行動をとっていたかもしれなかったらしい。

垣根帝督によれば「アレイスターは複数のプランを同時に進めている」らしく、
仮に一つのプランが詰まったとしても、並行する別ラインに一度軌道を乗せ換え、あみだくじのように最終的に元のプランに戻しているという。
また、土御門の考察によれば、どの道プランは最終的には達成されるにもかかわらず、
アレイスターは上条当麻一方通行の引き起こす、プランに影響しない範囲でのイレギュラーな事件を逆に利用し、
誤差を修正するだけではなく完了までの膨大な時間を短縮しようとしているらしい。
ただし後に明かされたアレイスターの「後先考えずその場の思いつきで行動することがある」
「成功だろうと失敗だろうとそれを糧にして前に進む」性質を考えると、
これらはアレイスターの高いアドリブ力によって結果的にそう見えていただけの可能性が高い。

現に第三次世界大戦において上条がアレイスターの管理下から離れたことで、『プラン』に許容できない誤差が発生。
修正方法が不明なためアレイスターはしばらく行動が取れなくなり、上条の回収やラジオゾンデ要塞への対処も遅れることとなった。
浜面仕上木原加群上里翔流らは、プランに利用できないイレギュラー因子であったらしい。
ドレスの少女曰く、浜面は本来10月9日の暗部抗争で死亡する予定だったが、アレイスターの想定と裏腹に生き残ってしまった、
プランに利用不可能な「真のイレギュラー」なのだという。

その後、コロンゾンの侵攻により学園都市を使った現状の『プラン』は完全に破綻・遂行不可能となり、学園都市は放棄されることとなった。
曰く、アレイスターが窓のないビルの外に出た時点で「修正の範囲を超えた」らしく、
その後のアレイスターはコロンゾンの殲滅と娘二人の保護を目的に行動していたが、
創約三巻では木原脳幹に諭され、再び「魔術の撃滅」に向けて動こうとしている。

そもそもこの計画がなければ学園都市や能力者は存在せず、
同時に本編主人公たる上条も右手の力に気付かなかったであろうことを考えると、
この計画はまさしく「とある」シリーズそのものの根幹を成していると言える。

【備考】
アレイスターにとって『プラン』に必要なのはあくまでミサカネットワークと妹達であり、
美琴はあくまで「ネットワーク構築のための素材」でしかない模様。
美琴がA.A.A.と接触した際も、
アレイスターは「ネットワークが構築された今となっては第三位は不要」として美琴の抹消を決定している。

『プラン』が魔術を消し去るためのものだということ自体は六巻・十三巻・二十二巻など比較的早い段階で示唆されていたが、
アレイスターが魔術を消し去るそもそもの動機・理由については新約十八巻まで長らく掘り下げられなかった。
それらが明かされて以降も、
「幻想殺しや一方通行(ないし未元物質)はプランの中でどのような役割を持っていたのか」
「二十二巻でプランとの関係が示唆された『神浄』とは何なのか」
「そもそもどのような手順・プロセスを経て執行される予定だったのか」など、未だ不明瞭な点が多く残っている。

最終更新:2023年08月09日 12:57