【種別】
魔術

【元ネタ】
いわゆる自業自得。仏教で扱われる概念だが、一部西洋にも伝わった。
Wikipedia - 業

【初出】
新約十八巻

【解説】
学園都市から脱出を図った土御門兄に対し、アレイスター舞夏に仕掛けた呪詛の魔術剣と連動して起動した術式。

魔術剣を媒体として、剣の周囲に手錠や自転車の歯車が出現、さらにそこから鎖が際限無く伸びて、虹色の骨格と透明な血肉をもとに『業の獣』を作り上げる。
『獣』は、頭部が手錠のもの・歯車のものの二種類で一対になっている。
それぞれ魔術的には以下のような意味を持ち、対照を作ることで存在しない属性を浮かび上がらせている。
  • 手錠...何かを縛り付け、動きを封じるための鎖。輪と見做すことで女性原理を象徴する。
  • 歯車...何かの力を伝達し、動きを加速させるための鎖。太陽と見做すことで男性原理を象徴する。

インデックスによると迷走する思考を縛り付ける「鎖」の象徴武器の特性も絡んでいるらしい。
また、それぞれ頭部を回転させることで、「色彩」をイメージに使う魔術を暴走させる能力を持つ。
(人の心に働きかけて、術者の頭に浮かぶ配色を変えるらしい。)

戦闘能力自体は大した事はないが、まともな方法では倒せず、唯一の有効打は幻想殺し
幻想殺しならば一撃で粉砕できるものの、しかし倒すと同時にモヤのようなものが倒した者に絡みつき、『殺生のカルマ』を背負う事になる。
どんな影響をもたらすのかは不明だが、府蘭は「紙片が積み重なれば銃弾さえも防げるように、必ず悪影響があるはず」と言及していた。
幻想殺しでモヤを打ち消しても「カルマを殺したカルマ」が重なるため、事実上カルマを打ち消すことはできない。

破壊されたり一定の距離を離れられると消滅し、召喚媒体の周囲に再度召喚される。
無限に召喚しているわけではなく、あくまで「枠」は一対。
元より物質的な存在ではないため、自壊する事で「ストック」を増やしている。
つまり一度に召喚されるのは二体までで、三体以上は召喚されない。
クレーン車で高速移動していた際には手錠こそ生み出されるものの、地面に落ちる前に消滅していた。

まともな方法では倒せず、仮に倒してもこちらに何らかの悪影響を与えて何度でも復活し、距離を離しても意味がないという、非常に陰湿かつ凶悪な術式。
解除するには召喚媒体を破壊するしかない。

仏教の概念である「業」を利用した、近代西洋魔術を代表するアレイスターらしくない術式だが、
土御門は「そもそも『黄金』の下地のヘルメス学は多国籍のごった煮だし、鎌倉の大仏を見て宗旨替えしそうになったりしたアレイスターならありえる」と発言している。

最終更新:2023年02月12日 20:18