【種別】
魔術・技術

【元ネタ】
史実のアレイスターが得意とした魔術? 遠くで歩いている相手の呼吸、姿勢などを完全に真似て、
膝を落とすと相手が転んだという。霊的ヒザカックンとも。
当作品ではこれを類感呪術によるものとしている。
Wikipedia-類感呪術

【初出】
新約十八巻
説明のみ禁書目録ss(通称『天草式ss』)及び禁書目録SP『ステイルss』

【解説】
アレイスターアラン=ベネット類感魔術を応用して使う魔術、及びそれによる攻撃。
自分が相手にリンクするのではなく、極まったパントマイムにより相手を自分にリンクさせることで相手の頭に介入し、
こちらがジェスチャーした武器とその威力を相手に伝える。

平たく言うと、術者がジェスチャーした「武器のイメージ」を、リンクさせた相手に対してのみ本物同様に扱うことができる。
そのためリンクしていない第三者は認識できず、標的以外には一切の影響をもたらさない。
(例えば窓の外から銃撃した場合、相手は銃弾が窓ガラスを突き破り身体を貫く『様に感じる』が、
実際は標的が勝手に銃槍を開いて血を流し、窓は破壊されていない)
分かりやすく言えばプラシーボ効果である。
リンクした相手からは、「術者の手から火花のように数字が散り、滲み出るようにして武器が出現する」ように見える。

リンクさせた相手の内、誰を攻撃対象にするかは術者が自由に設定できる。
そのため、どれだけ広範囲で火力がある武器を指定しても、
「攻撃したくない対象を一切巻き添えにせず、敵対者のみを消し去る」という精密極まる範囲攻撃が可能となる。
例えば大量のミメティックプレデタービッグバン爆弾という全宇宙を一掃する超兵器のイメージを与えた際は、
同様のイメージをフランキスカ上条らにも感じさせながら、どちらも攻撃対象からは外していた。
このような性質から範囲攻撃の手段として非常に便利であり、地の文では「範囲攻撃における究極の解答」とも称されている。

また、対象の脳内を起点に展開されるため、物理的距離による命中率の減衰がない。
ジェスチャーによるイメージさえ与えられれば、「イメージの武器」の射程内なら空間的距離を無視して攻撃が成立する。
ただし必中であるが防御不能ではなく、
「イメージの武器」を認識した上でその攻撃を防御、迎撃することは可能。

弱点として、無人兵器などの「思い浮かべる機能」を持たない相手には、イメージを持たせることができずに失敗してしまう。
同様に「正常な五感や認識を持たない相手」にも、リンクが上手くいかず「イメージの武器」が術者の思い通りに機能しない可能性がある。
ただし、アレイスターの技術力を考慮すると、よほど異常な五感や認識をしていない限りは問題にならないようである。

恐るべきは、知識を持たない人間にそれを正確に連想させてしまえるほどの超一流の技術にある。
例えば何かを握り込むようなジェスチャーを見たとき、
普通なら「武器である」という事は分かっても、それが剣なのか槍なのか杖なのかは分からないし、
仮にそれを「剣」だと認識できても、それが日本刀なのか大剣なのかレイピアなのか、事細かな種類など分かるはずがない。
(実際ただの徒手空拳でそれほどの類感魔術が使えれば、魔術師は霊装作成の苦労などしないらしい)

しかしアレイスターらはその武器の質感や光沢、重量、硬度に至るまで正確無比に連想させ、
更に「電子顕微鏡」や「ガンマナイフ」といった武器ですらないもののイメージや、
果ては「ビッグバン爆弾」という架空の概念のイメージさえ与えることが可能という、非常に汎用性の高い魔術に昇華させている。

黄金』の全盛期から『魔神』まで幅広く魔術と関わってきた上条でも
ここまでできる『人間』は、まだ『人間』というカテゴリで良いのか?
と思わずにはいられないレベルの驚異的な技術。
魔術で科学を再現する、科学と魔術の双方を極めたアレイスターだからこそ可能な魔術と言える。

なお、「自分のイメージした威力を問答無用で相手に押し付ける」という特性上、
魔術の効果を相手の想像の10倍にする『衝撃の杖』とは非常に相性が良い。
(衝撃の杖の弱点である、「相手が魔術の効果を一切想像しない場合、魔術自体の効果が無くなる」という点を解消できるため)

以下、再現されたものと散る数字
  • ねじくれた銀の杖(アランらは、これを衝撃の杖のように偽装していた) 28、4、29
  • フリントロック銃 32、30、10
  • クレイモア 1、27、5
  • レイピア 13、5、32
数字不明
その他
レントゲン、CTスキャン、MRI、血液検査、ガスクロマトグラフィー、超音波エコー、遠心分離機、透過型電子顕微鏡、ポリメラーゼ連鎖反応式DNA検査装置、サイクロトロン加速器etc...

【考察】
この散る数字については作中で言及されていないが、
おそらく『万物照応』(世の概念を1〜32の数字で分類するカバラの考え)の数字だろうと思われる。
史実の「黄金夜明」はカバラを第一としており、「万物照応表」なるものも作成している。
なお、アレイスターは「万物照応表」を解説、改良した「777の書」を記している。

最終更新:2023年03月18日 23:46