【種別】
生命体

【初出】
新約十六巻

【解説】
大熱波の到来と共に学園都市を闊歩するようになった異形の生命体。主に暗所・冷所に潜む。
身体は半透明の水晶体でできており、それを活かして背景に溶け込んで身を隠す事ができる。
構造そのものは炭素ベース。ガラスのような質感を持っている。

姿は動物や昆虫などの姿を模していて、大きさは米粒サイズから最大100m規模の個体まで存在する。
上条達は個体の大きさごとに「クラス1~6」という風に数字で区別していた。
クラスごとのサイズは、
クラス1...3m
クラス2...6m
クラス3...12m
クラス4...24m
クラス6...100m
クラス5の個体は作中では登場していない。

巨大化した動物の姿を模しているため、その質量を活かした物理攻撃だけでも並の人間には致命傷になりえる。
実際に、上条当麻がクラス2のヒシガニを模した水のエレメントに遭遇した際には、巨大なハサミで胴体を打突され、重傷を負っている。

半透明の身体の中にはコアと呼ばれる人魂のような形をしたモノが存在していて、赤青黄緑のいずれかの色を持つ。
それらの色は火水風土の属性に対応し、『青』なら超高水圧の水、『黄』なら軽く人を吹き飛ばす暴風などの攻撃手段となる。
大熱波の灼熱地獄と好戦的なエレメントの性質も相まって非常に危険。
上条当麻が遭遇した、ハナカマキリを模したクラス1の火のエレメントは、
前脚の大鎌から溶鉱炉のような輝きを放って20mにも渡る炎の放射を行ったりしていた。

作中に登場したエレメントが模した生物は、
ハナカマキリ、ヒシガニ、マネキグモ、マダコ、アリグモ、トカゲ、ワニ、ダイオウサソリ、コノハカマキリ、カミキリムシ、スタモファグマナミシャク、キノハダカマキリ、スカシバガ。
この生物達の共通点は「擬態能力を持つ」ところであり、エレメントの半透明の外殻と合わせて相乗効果を狙っていると思われる。

数多くの人々を苦しめたエレメントの実態は、木原唯一上里翔流への復讐のために創り上げた生命体。
還元生命と呼ばれるもので外殻を作り、コアと呼ばれる生命・魂に近しい何かを魔術的な元素に頼って生み出した、魔術と科学のハイブリッド。
エレメント達は超音波で情報を送受信できる性質を持っており、電子機器が全滅する大熱波内において、唯一は米粒サイズのエレメントを、半透明に擬態した氷柱のような小型の乱立した『水晶の塔』を介す事で、
携帯のアンテナ基地を繋いだように情報ラインを形成していた。

エレメントは『還元生命』という身体を魔術的に生み出されたコアで支えている、いわば非自然的な「擬似生命」であるため、
「異常な値を均一化する」性質を持つ上条の幻想殺しで破壊できる。
また、エレメントが放つ属性攻撃も同様に打ち消す事ができる。
木原唯一はエレメントを自由に使役することができるようで、水晶の塔を破壊した常盤台中学を襲撃。
主力となる高位能力者のお嬢様達や美琴が出払っていた所を突かれたため、為す術もなく壊滅した。
戦力の分散を避けるために学校に残っていた食蜂操祈でさえ、エレメントによる猛攻で押し切られていた。
しかし、上里勢力の介入によって窮地を救われたらしく、幸いにも死人は出なかったようだ。

そもそも「大熱波」の到来は上里勢力が「エレメント」の活動は摂氏42度を超える環境において減退する」という事実を突き止めた後、
府蘭の完全お手製の宇宙ステーションから学園都市へマイクロ波を照射し、都市全体を電子レンジ状態にしたことで起きたもの。
エレメントと大熱波の出所は同一ではなく、唯一がばら撒いたエレメントの活動を抑えるために上里翔流が手を打ったものであり、
上里によれば「もしも大熱波が無ければ、エレメントの活動は50~60倍に膨れ上がり、学園都市は半日で制圧されていただろう」との事。

しかし、学園都市の住人へ猛威を振るった凶悪なエレメント達の本来の用途とは、木原唯一にとっての『エサ』。
窓のないビル直下の地下空間における決戦で、木原唯一は使役していたはずの全てのエレメントを『ショゴス』でもって捕食し、
木原脳幹とは異なるアプローチでありながら、そしてアレイスターの力を借りずに新たなA.A.Aを構築してみせた。
上里翔流を消失させた後、木原唯一はもはや不要と感じたのか、街中のエレメントは全て自壊しており、学園都市にはガラスのような質感を持った小さな砂山が数多く見られた。


最終更新:2018年07月12日 21:21