【種別】
科学理論・コンピュータ

【元ネタ(?)】
作者が意識していたかどうかは不明だが、『流体を利用してコンピュータを製作する』という概念自体は実在する。
Wikipedia-流体素子
ただし、これは『流体を使って電子回路のようなものを作る』という考え方がベースであり、作中の濃淡コンピュータとは根本的に異なるものである。

【初出】
新約七巻

【解説】
松定博士が提唱する次世代コンピュータの理論モデル。
大雑把に言えば量子コンピュータの「量子」部分を、気体・液体といった流体の「粘性・濃度」で置き換えたもの。
通常のコンピュータでは0と1の記憶に最低1ビットを使用してしまうが、量子コンピュータ同様に「流体の濃淡」で、
「0と1の組み合わせパターン」を保持し、結果爆発的な演算速度を発揮できる……と、いうことらしい。

理論上、「濃淡の定義可能な流体」でさえあれば大気はおろか、
AIM拡散力場の流れ」すら演算媒体として使用が可能。
ただしその場合、「AIMの流れに干渉」して演算を行う以上、
「AIMを発している能力者」側にも間接的ながら干渉が及ぶことになる。
例としては「知っているはずのない情報」を天啓として受信したり、干渉により能力者の精神が変容を来す、など。
これを利用して、「フレメア=セイヴェルンをトリガーに逆流作用でヒーローを暴走させる」というのが、
表向きの『人的素質』プロジェクトとなる。

この論文を一読した黄泉川愛穂は「トンデモ論」と評す一方で、
「AIMの流れがフィードバックするなら無能力者でも運用・干渉ができるかもしれない」と感じている。
実際に物語の終盤には、本来庇護対象だったはずのフレメアがヒーローとしての性質に目覚めた事で、
無能力者でありながらAIM拡散力場に干渉し、濃淡コンピュータ上にある巨大なAIM思考体と化した薬味久子の存在を認識、
恋査に彼女の意識を押し込めることに成功し、計画を根底から覆す結果となった。

このことから分かるように、AIM拡散力場に関わってさえいれば力の大小は影響せず、
濃淡コンピュータを形作る情報の最小単位である「無能力者」であっても、
薬味久子のような巨大なAIM思考体に干渉する事が可能である。
必要なのは「庇護対象」自身が「ヒーロー」の認識、性質を獲得する事にあるようだ。

ちなみにデータの塊である以上、情報そのものを捕食するクロイトゥーネとの相性は最悪に近いようである。



最終更新:2022年01月06日 11:10