【種別】
人名
【初出】
新約四巻
【解説】
学園都市の暗部に君臨する『
木原一族』の一人。
黒髪のお団子頭を左右に揃えた、中学生ぐらいの小柄な少女。
絵師のはいむら氏曰く「真っ当な木原のカテゴリ」からは外れた人物として描かれており、
禁書のヒロインと言われても相違ないビジュアルとなっている。
幼少期に一族から離れて育てられたため、心根は『木原』と思えないほど常識的で純粋。
故に『木原』としては及第点とは呼べない存在である。
しかし彼女も『木原』である事には変わらない。
彼女は「『木原』から離しておけば『木原』らしくならないかもしれない」という理由で、
木原に嫉妬した正義を騙る何者かによって幼少期から監禁されていた。
実際彼女は九九も出来ないし、漢字はおろかカタカナさえ書くことが出来ない。
しかしある日、牢に食事を運んだ何者かは、壁の落書きに気づいた。
それは一見落書きにしか見えない独自の記号で冷凍睡眠装置の基礎理論を証明したものであり、
さらに床に散らばったクレヨンは黄金比をも超越する美しさを描いていたし、
くしゃくしゃに丸めた紙の皺で並列演算装置のチップの図面を示していたし、
ランプの光が照らす影は新種の心理テストとして機能していた。
『木原』は『木原』として生まれただけで、
どれだけ劣悪な生活環境でも『学び場』として情報を分析・解析し、英知を得る。
むしろ善悪の境界線すら誰にも教えてもらえなかったため、
純粋かつ最悪な形で科学と付き合っていた。
故に彼女は自身を監禁した何者かを怨みもしていなかった(牢には一生遊べるほどの研究素材があるため)が、
同時に恩という概念を理解していなかったため、何者かを純粋に実験の材料として殺害し、牢を脱出した。
「他の『木原』の思考をエミュレートし、各々の『木原』の持つ技術も含めてその人物に成り切る」
という、一族の中でも変わった技術を持っており、
首から下げた携帯電話・小型ワンセグテレビ・携帯端末の補助で、
その人物が持つであろう『発想』を得て戦うというスタイルを取っている。
木原加群の推測では、彼女の本来の専門は
学習装置らしく、そこから派生した戦闘スタイルである可能性が濃厚。
数多おじさんを始めとする約五千人の木原一族の思考パターンは勿論のこと、
当麻お兄ちゃんの善性までもがインプットされている。
ただし他人の戦闘パターンをエミュレートしてもどの戦術を取るか選択するのは彼女自身であり、
いくら『発想』を得てもその人物に完全に成り切れる訳では無い。
彼女自身の『木原』はそこにあり、彼女自身の行動パターンは確実に存在している。
そこを見抜かれた場合、最終的に彼女自身の考えで動くしかなく、
それも先述の思考パターンの選択から簡単に割り出せてしまう。
このため、戦闘能力は決して高い方ではない。
【作中での行動】
新約4巻では、学園都市の命を受けた3人の木原の一人として
バゲージシティを襲撃。
様々なパターンで襲撃した
木原病理を一時的に戦闘不能にし、
雲川鞠亜や
近江手裏らを追い詰めるも、
雲川鞠亜に上記の弱点を見抜かれ、最終的にチームワークで敗北し気絶した。
その後は学園都市に回収されていたらしく、新約15巻にて再登場を果たす。
彼女は、上述の「他の『木原』をエミュレートする」という技術を用いることで、
脳幹ちゃんの思考を経由し
対魔術式駆動鎧の存在にたどり着くことさえ可能である。
そのため、アレイスターに
原型制御で
「少年院を高級ホテルのように快適に感じさせられる」ことで自ら少年院に引きこもっており、実質的な軟禁状態に置かれている。
少年院でもかつての監禁された時のように「木原」を発揮しまくっており、
彼女の部屋の壁に書かれたなんらかの法則を目にしてしまった看守を錯乱させたりしている。
(壁に書かれていた内容は唯一曰く「人類全体の文明を軽く四、五回は叩き潰せそうな内容だった」らしい。
落書き感覚でそんなものを書き上げる辺り、『木原』としての彼女の才能と異常性の高さが垣間見える。)
脳幹と
上里翔流の戦闘後、
上里への復讐を目論む
唯一ちゃんによって少年院から連れ出され、脳幹のエミュレートを行った。
しかし、エミュレートした途端に
科学の外にある技術体系の存在に触れたことで肉体が大きく拒否反応を起こし、
重ねるように唯一をエミュレートした反動でとうとう耐え切れずに気絶した。
最終更新:2019年10月12日 04:05