【種別】
犬名

【初出】
新約七巻
名前のみ新約四巻

【CV】
速水 奨(ゲーム『とあるIF』)


【概要】

学園都市の暗部に君臨する、悪名高き『木原一族』の一員。
木原病理からは「脳幹ちゃん」と呼ばれている。

その正体は「演算回路を外付けされたゴールデンレトリバー」。
人間の知能を持ちながらも生物学的にはれっきとした犬であり、
本質的に血族に縛られない『木原』のなかでも一際異色な存在と言えよう。ちなみに推定寿命は80歳。
犬の姿をしているにもかかわらず各界の人間に顔が利くという謎の人物(いや犬)である。

【人物】

ダンディな声で話し、葉巻を愛好(背中のバックパックから葉巻を吸うためのアームが出てくる)。
殺傷力過多の兵器を扱いながら「合体は男のロマン」などと語る。

彼に演算回路を取り付けたのは、今は亡き『木原』の始祖とも言うべき七名の科学者。
このことから分かるようにかなりの老犬であり、現在生存している一族の中でも最古クラスに当たると思われる。

古くからアレイスター=クロウリーに仕え、友人として接している。
魔術を根絶するという強い信念を持つアレイスターを脳幹は好意的に見ており、
アレイスターも脳幹に敬意を払っている。
「魔術の撃滅」というアレイスターの目的を果たすため、基本的に彼の指令に従って行動する。
その役職は平たく言えば「魔術に対するパニッシャー」であり、
レディリー=タングルロードフロイライン=クロイトゥーネ、『ドラゴン』といった
理解できない領域に対する安全弁。
そうした存在の抑制・撃滅を担当するのが彼の役割である。

【性格】

登場した木原一族の中でも特に人間的な感情表現が豊かで、
感傷とロマンを重視し、
「外道」を自称しながらも不要な破壊行為や人的被害は避けるべきとの思想を持っているなど、背筋の通った信念を持つ人物。
一族の異端児である木原加群と並び、“感傷”を知る稀有な『木原』の1人(いや1匹?)でもある。

こうした思想は師弟関係でもある木原唯一には「『木原』には不要な概念」と言われているが、
「これは善悪ではなく好悪の問題」と唯一をなだめていた。
地域住民への配慮も唯一と脳幹の間になされた約束であるらしい。
また、彼女は脳幹の前で出来の悪い生徒を演じるような言動を見せる。

木原加群とは古い付き合いであったらしく、
自分にも得られなかった“答え”を1人で導き出した事で何かを掴み、
全てを封印すると“木原”という枠組みを越えて子供たちの笑顔を護ろうと奮闘した彼を心底尊敬し、
また憧れを抱いている節もある。
今でも彼との取り決めに基づいて夜の見回りを行っており、
その姿はしゃべるゴールデンレトリバーとして都市伝説にもなっている(超電磁砲第97話)。
ちなみに加群の影響で以前よりも性格が丸くなったらしい。

なお、加群の生徒だった幼い頃の雲川鞠亜には散々な目にあわされたらしく、
彼女を天敵とまで言い切っている。

紳士然とする一方で犬のままの嗜好もあるらしく、暗号化されたストレージやクラウドには
 「あんなドーベルマンのバーチャルフィギュアやこんなグレートピレネーズのリンク集、
   果ては第十五学区のご当地土佐犬アイドルとの電子握手券とか
   ワンクリックで即印刷注文できるセントバーナードの抱きまくらデータとか」
が保管されていた。

【能力・スキル】

アレイスターの力を行使する兵器『対魔術式駆動鎧(アンチアートアタッチメント)』を駆る。
これは脳幹が頭の中で命令を出すだけで起動・操作できるようになっており、
現場での運用を一任できるほどの知識量の持ち主は脳幹以外に存在しない。

なお、対魔術式駆動鎧は実用性よりも彼の趣味の方が色が濃く、
その趣味とは主にロボットアニメのロマンである。
合体ロボの如く合体する兵器をチョイスしたり、
ロボットアニメの近接武器の定番とされるドリルやパイルバンカー等も利用している。
曰く、男はドリルとパイルバンカーに目がないのこと。

【作中での行動】

『真のグレムリン』との邂逅でアレイスター=クロウリーは体の3分の1を焼き焦がされ、休止を余儀なくされる。
この間に蠢動俊三らが暗躍し、本来は別の役割を持つ脳幹がその始末に駆り出された。
彼の本来の役割とは 「物理法則により安定した世界に対するイレギュラー」に対する安全弁であり、その撃滅。
仮想敵としてレディリー=タングルロードフロイライン=クロイトゥーネ、そして『ドラゴン』の名を発言している。
実際、弱体化していない万全な状態の『魔神ゾンビ少女を撃破するという大戦果を上げている。

アローヘッド彗星と同化し学園都市が消滅するのも構わずに上条当麻に迫る僧正に対し、
対抗策を実行する前に液体ダイヤ等の事件を裏で起こし、
僧正を消滅する際の衝撃によって起こる一般人の被害が少なくなるように調整していた。
そして僧正が刻一刻と迫る中、唯一から準備が完遂したことを報告したのを聞いて微笑み、
唯一に男のロマンについて語った後、巨大な発射式ドリルの『対魔術式駆動鎧』で僧正を撃破して彗星を消滅させたという、
SFアニメの主人公の様な活躍をした。その際、アレイスターからの伝言として、
「覚えているか。…世界をより良くしたい、世界を余さず救ってみたい。
 そんな幼稚な歯車ですり潰されるようにして運命論に命を奪われた私の娘の名を」
と僧正に伝えている。

その後、一服している際にアレイスターと会話してる最中に違和感を覚える。
『グレムリン』が撃破したゾンビと僧正と他の2体以外いないと仮定しても、
彼がすでに『グレムリン』が壊滅しているような発言をしたため問いただした所、
彼から他の2体は君が撃破したのではないのかと返され、学園都市でなにかが起こっていることに感づいた。

アレイスター=クロウリーの意向を受け、上条と対決した直後の上里翔流と対峙。
事態を引っ掻きまわした挙句に『計画』を破綻させかねない最大最凶の不穏因子(イレギュラー)である彼を亡き者にしようとするが、
理想送り』に全ての攻撃を無効化され、
自分が理想送りの排除策が失敗した時の尻拭いの為の捨石だったことに気づきつつも、
最後まで自身の信念を貫いて抵抗を試みるが敗北。
武装を全て奪われても、「新たな天地を望むか?」と問われてもなお、
彼自身の理想や願望は決してブレることも、願望の重複をもたらすこともなかった。
浪漫を解する『木原』は、決してただの犬畜生では終わらなかったのだ。

唯一が駆けつけた時には手の施しようがない程の重傷を負い、
彼女の手によってコールドスリープ措置を施されるが、脳幹自身もそれを最善策と理解していた。
迷うこと無くその最適解を選択出来た弟子の成長を心から祝福しつつ、
最後の力を振り絞って唯一に自身を越える『木原』になるように伝えると、
いつ目覚めるとも知れない永い永い眠りへと落ちて行った。

が、コロンゾン襲来によって学園都市が機能停止した後、
カエル顔の医者の手で蘇生・治療され、無事に回復。
学園都市を離れ、カエル顔の医者と共にエジプトの砂漠で待機していたミナと合流した。
その後美琴が使っているものとは別のA.A.A.をどこかから呼び出して、コロンゾンとの決戦にも参加した。

決戦後は学園都市に帰還した。
12月25日のオペレーションネーム・ハンドカフス時には、
ドレンチャー=木原=レパトリが保護していた子供たちの一人・リサコが下水道に迷い込み、
楽丘豊富に襲われようとしているところに介入する。
リサコを逃がした上で、やられた振りをして下水道に飛び込み、学園都市から脱出。
新宿の高層ビルの屋上でコロンゾンの肉体に宿ったアレイスターと合流し、再び魔術の撃滅を再開するよう促した。
以降、彼に付き従って行動を共にしている。

【参照】


最終更新:2023年08月09日 12:58