【種別】
人名(通称)

【元ネタ】
北欧神話。
wikipedia― ミョルニル

【初出】
新約二巻

【解説】
ラジオゾンデ要塞の浮力を管理していた、『グレムリン』の異形の魔術師
基本的な形状は直径55cm・高さ1m程度の、重たい石材で作られた飛翔する円筒。
また、形状は意思一つで自在に変更され、立方体や球の形を取ったり、
内部にボウガンや無数の火縄銃を形成して射撃を行う事も可能。
十字架の形状を取った際には、表面に大小無数の人間の唇を浮かび上がらせた。
その外見に反し、唇から発せられるのは華奢なソプラノボイス。
あまりにも人間からかけ離れた姿に、対峙した神裂火織も始めは魔術師本人であると気付かなかった。

その特異な形状は北欧神話の雷神トールの武器『雷神の槌』を解析し、自身の身体に徹底的な改造を加えた結果。
その技法は「現存する黒小人」を自称するマリアン=スリンゲナイヤーによって与えられた。
飛翔の能力や「円筒・球・立方体・十字架」の形状への変化は、
ミョルニルという『飛翔する鉄槌』に対応するが故であり、
ボウガンや火縄銃も『飛び道具』の性質を利用した物。
また、最大の武器はトールの伝承通り雷撃で、十字架形態から400m超の広域に高圧電流を放射する他、
一撃でラジオゾンデ要塞の3分の1を吹き飛ばす威力を誇る術式『ミョルニル』を持つ。
ヒトの形を捨て極限まで強化されたその能力は、聖人相手であっても立ち回ることが可能。
弱点はミョルニルの性質により「飛翔している事」、
すなわち飛行する相手に絶大な効果を持つ『撃墜術式』の対象になってしまう事。
霊装とも兵器とも取れる異様な外見を持って、敵対者に「人間である事」を意識させないようにすることで、
術の対象にされないよう仕向ける防御策を講じているが、一度気付かれてしまえば防ぐ手段はない。

伝承の中で雷神トールが扱う武器とされているが、トールは初期の伝承では天候や豊穣、地形を司る万能神とされている。
その属性を象徴するミョルニルもまた、様々な用途に応用できる利便性の高い器物、いわゆる『魔術の杖』と見るのが正解らしい。
同じ名前を冠するドラム缶の少女は『何にでも当てはまる霊装』と解釈する事で、ありとあらゆる試験でどんな穴埋め問題も一つだけパスできるジョーカーとして機能させる事も可能。
その稀少価値は、ひょっとすれば彼女一人を巡って魔術サイド全体で戦争が起こるかもしれない程らしい。

ラジオゾンデ要塞の地表落下を阻止するために乗り込んだ神裂火織と激戦を繰り広げたが、
「飛翔しているのは魔術師本人」である事に気付いた神裂の『撃墜術式』によって敗北。
敗北してなおバラバラの無数の展開図に分裂し、
最後まで「飛ぶこと」に拘って逃走しようとしたが、これも『撃墜術式』によって叩き落された。
とはいえ、落ちる破片は風に流されていったというだけで生死の確認は取れず、
神裂自身にも「あのレベルで分裂できる相手の殺し方を理解できない」と感じさせている。

新約10巻ではオティヌスに怒りを燃やすマリアンと共に上条らの前に現れたが、彼女自身は最初から最後まで一切手を出さなかった。
戦闘を終えた上条から
「 なんかあったら掛けてこい。今度はお前達の側に立ってやるよ」
と伝えられ、電話番号を渡されている。

学園都市内ではドラム缶のような外見が清掃ロボットや警備ロボットの一種と思われるらしく、
特に目立たずに活動できる。

最終更新:2018年04月03日 07:53