【種別】
概念・理論

【初出】
とある魔術の禁書目録 PSPゲーム版 完結編
本編では新約十三巻

【解説】
レッドプレイヤーホワイトプレイヤーに語った、彼らの能力が操る『時間』についての概念。

『時間』とは一本道であり、過去も現在も未来も繋がっている。
その為、自分の直近時間に干渉出来ない二人のプレイヤーが『現代』から歴史に干渉しても、
変化は何かしらの理由により辿り着く前に均一化され、小さな波さえ届かない。

パラレルワールドとは、並列化された多くの世界があるのではなく、
「時間というゴム紐を、パチンコ台のように無数の釘を打った台の『どこの釘』に引っかけていくか」という事でしかない。
ホワイトプレイヤーやレッドプレイヤーが自分の時代を直接操作出来ても、
各々がゴム紐を勝手に動かすと、連動して時間全体に動作不良が起こるという。
結果、現在と同じように何も出力できない状態になる。

干渉に次ぐ干渉によって何度もゴム紐をかけ直した果てには、
その都度コロコロ歴史が変わったり、時間の軸が事態に対処できずに、ある時代が『大きな空白』となる可能性が待ち受ける。
本編中においては、レッドプレイヤーが自分本位な方向へのかけ直し方を、
ホワイトプレイヤーが元来の位置へ戻すようなかけ直し方をしていたようだ。
(なお、ホワイトプレイヤーによれば『現代』の学園都市においては、『釘』の研究が行われているらしい。)

理想送りの対象になった者が送り込まれる「新たな天地」は、
上里自身が説明するように、並行世界という意味ではなく
あくまで「同一時間軸上の余剰領域」であり、上記の内容と矛盾することはない。

上記の内容と矛盾する世界観は、クロスオーバー作品である
『とある魔術のヘヴィーな座敷童が簡単な殺人妃の婚活事情』や『とある魔術の電脳戦機』で描かれる。
ヘヴィーオブジェクト等、他の鎌池作品は禁書世界では劇中劇として登場するのが通常
(特に新約19巻で顕著)だが、前者では登場人物の交流が実現している。
また後者においては、学園都市の調査班が作成したレポート内で「並行世界の存在を認めなければブルーストーカーを説明できない」と
記述されており、レポートでは「紐の表面に対する裏面があるのではないか」「紐は無数の糸の集合体でで出来ているのではないか」等と推測されていた
(無数の並行世界の存在は本文で明言されている)。
ブルーストーカーの目的はタングラムへのアクセスであり、それに成功すればあらゆる並行世界に自在に干渉できる。
つまり「世界のすべてを支配できる」と同時に、「すべての世界を支配できる」ことになる。
結局はオリジナルプラジナーのアクセスにより、この目的は阻止された。


最終更新:2017年11月29日 04:45