【種別】
異能・技術

【元ネタ】
原則的には量子力学を下地にしている。
三巻には、小萌先生によって判りやすい例えとして「シュレディンガーの猫」の簡約が挙げられている。
とあるシリーズの世界においては「自分だけの現実」などの説明から、
波束の収縮を脳(の認識)によって意図的に引き起こし、超能力を発現させているようだ。
wikipedia-量子力学
wikipedia-シュレーディンガーの猫
wikipedia-超能力

【初出】
一巻

【解説】
学園都市において研究されている、物理法則を捻じ曲げて超自然現象を起こす力。
自分だけの現実(パーソナルリアリティ)と呼ばれる「認識のズレ」によって、
ミクロな世界を歪めることで、マクロな世界に超自然現象を引き起こす。
学園都市の『開発術』が確立されたことで人為的に習得することが可能になったが、
それ以前から「天然で能力を発現させた者」である原石が存在する。
また、原石という「才能ある人間と対等になる為の技術」として魔術が生み出されている。
これを行使する者は超能力者と呼ばれそうだが総称は『能力者』。
真に超能力者と呼ばれるのは7人のレベル5のみである。

量子力学の語る所によると、ミクロな世界では、
観測されていない物は抽象的な確率や可能性でしか語ることができない。
「ある」「ない」ではなく、「70%存在する」といった表現しかできない。
そして観測されると「70%存在する」物は70%の確率で顕れ、30%の確率で消えるのである。

とあるシリーズの世界ではミクロな世界の「観測者」は人間の脳であり、
故に人間の脳を適切に操作し、ミクロな世界を観測させれば、ミクロな世界を歪めることができるとされている。
例えば、自然的現象が99%存在し、超自然現象が1%存在する時には、
普通の人間が観測すると99%の確率で自然的現象が顕れ、超自然現象が顕れる確率はわずか1%でしかない。
しかし、脳を操作された人間は、1%しか存在しないはずの超自然現象を本来の確率を無視して無理やり顕れさせることができるのである。
そしてミクロな世界の歪みが「バタフライ効果」のようにマクロな世界にも影響を及ぼし、マクロスケールでの超自然現象、
本来有り得ないはずの歪んだ現象を引き起こすのである。

操作された人間の脳にある、「超自然現象を発生させる何か」を『自分だけの現実』と呼ぶ。
自分だけの現実には未だ不明な点も多く、例えば脳のどこが司っているかは判っていないし、
また脳単体では超能力を発生させることはできないようである。
これについてプロデュースという暗部の実験が行われていた。
ともあれ、自分だけの現実の観測が可能ということは「まともな現実から切り離されている状態」という
一種の精神障害と同義であり、自分だけの現実を極めた存在とも言えるレベル5は、実際のところ全員人格破綻者として広く知られている。

学園都市で行われる開発術とは、投薬や電気ショック、催眠術などで人為的にそれらを誘発させる技術である。
ちなみに開発には年齢制限が設けられており、下限は五歳。上限は不明だが少なくとも御坂美鈴の年齢では受けられない。
なお、A.A.Aに接触した琉華は「思春期の心性と薬物作用を網羅した超常誘発方式自体がかの僧院テレマの(以下略)」と呟いており、
どうやら開発を受ける側の年齢も重要であるらしい。「思春期の少年少女」であることが必須のようだが果たして。

観測さえすればいいので予備動作は要らず、使おうと思いさえすれば即座に発動可能。
ただし、可能性がその場に全く存在しない現象は起こすことができない。
また、観測の力と言う性質上、知覚能力と干渉能力がセットになっていることもある。
(例:御坂美琴の電磁場操作と電磁力線可視)
それぞれの能力名および能力者は、学校側が命名した『念動力』や『発電能力』等のシンプルなものか、
超電磁砲』、『一方通行』のように学生自身が決めた名称で呼称されている。
なお、学園都市の「能力を制御する方法を学ぶ」という名目からか、
都市内には「自分の能力を自分で制御できないヤツは恥ずかしい」という風潮があるようだ。

超能力自体は研究の過程の副産物に過ぎず、
学園都市の真の目的は超能力の先にある神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの(SYSTEM)であるとされる。
そのため超能力それ自体を利用しようと言うよりは生体実験的な意味合いが強く、実際大部分の能力者は役立たず。
但し一部の上位能力者だけは別格であり、世界を敵に回しても勝てるとさえ言われる。
一人一能力で、どういう能力が発現するかは試してみるまでわからず、
一度習得してしまった能力は脳を移植しても変更することはできない。
応用次第で多様な現象を起こすこともできるが(例:発火能力で煙を作ったり、酸素を奪うなど)、
根本の能力が一人一個なのは変わらない。
ただし、努力によりある程度成長させることは可能で、出力に応じて強度(レベル)は6段階で評価される。
どの能力の制御にも演算が必須であるため、疲労や苦痛などで集中力が乱れると精度が落ちたり使用不能になったりもする。
ただし、黒い翼を展開させた一方通行の例を見るに、これは物理法則に則って発動させる場合であり、
非科学的(魔術的?)法則の様なものに基づいて使用する際には演算能力はあまり関係ない(もしくは邪魔)のかもしれない。
また、原石に分類される能力者は自身の力を全く抑えきれなかったり詳細を把握していない状態でも行使しているため、
彼らについても学園都市製の能力者と同様の演算が必要なのかは不明。

因みに、学園都市内では一定のカリキュラムをこなせば、誰でも大なり小なり何らかの能力に目覚めるはずであるらしい。
小萌先生は、それでも能力を得られない者たちこそが『SYSTEM』に辿り着く鍵だと思っているようだ。
また上条当麻の能力の有無については、幻想殺しを有している弊害なのか、それとも本当の意味での無能力者なのかは言及されていない。

学園都市暗部では能力そのものではなく、
「その能力を用いて鍛え上げた武装を作る」といった二次利用が画策されており、
一部の装備は実戦投入可能なレベルにまで達している。
未元物質がかなり無理をしてでも生かされているのは、
「この世のものでない性質を物質に付与できる」という特異な能力による工業的な価値が高いためらしい。
レベル5の序列も戦闘力というよりは、この工業的な利用価値で決まっており、
やたらと戦闘能力の高いナンバーセブンが第7位であることもこれに起因する。