【種別】
地名

【初出】
一巻

【元ネタ】
アニメ版で描かれた街並は東京都立川市がモデル。


【解説】

「記憶術」や「暗記術」という名目で超能力研究、即ち「脳の開発」を行っている都市。完全独立教育研究機関。
建前の上では日本の一都市であり法令も日本のものが適用されるが、その実態は独立した一つの国家である。
(ただし日本政府の意地で、学園都市独自の法令は全て条例として扱われている。)
設立の目的は、「人間を超えた身体を手にすることで神様の答えにたどりつく」ことらしい。
大勢の学生を集めて「授業の一環」として脳の開発を行っており、学生の数は総人口の8割に及ぶ。
学校や学生寮などの数も半端ではなく、教育機関を中心とした造りから「学園都市」と名付けられている。
東京西部を一気に開発して作り出され、一部を神奈川・埼玉・山梨に及ばせながら、東京都の中央三分の一を円形に占めている。
内部は二三の学区に分かれていて、学区ごとに特徴がある。詳細は学園都市の区分を参照。
運営・自治は十二名の統括理事からなる学園都市統括理事会が担う。
首長は総括理事長たるアレイスター=クロウリー
独立記念日は10月9日。

能力開発以外の科学技術もぶっ飛んでおり、最先端の技術を実験的に実用化・運用しているため、
外よりも数十年分ぐらい文明が進んでいる。
そのため警備は非常に厳重で、交通の遮断に加えて周囲が高さ5メートル・厚さ3メートルの壁で囲まれている上に、
上空に向けて極めて指向性の高い妨害電波が発せられており、壁を超えるような通信は一切遮断されている他、
外部接続ターミナルを経由すれば外部との通信は可能)
街全体を三機(二巻以降は二機、十四巻で四機目を発射)の監視衛星が常に監視している。
……はずなのだが、魔術師は結構ぽんぽんと侵入している。
これは単純に魔術的防御をしていないのか、あえて見逃しているのかは不明。
(統括理事長の正体を考えれば、おそらく後者)
かつてカエル顔の医者がイギリスの片田舎でアレイスターの命を救い匿った後、
この街の仕組み作りに協力している。

都市内の各種インフラ系は世界最大の防御力を持つと言われている。
治安維持は武装した教員らで構成される警備員と、能力者を始めとした学生で構成される風紀委員が務める。

「進んだ科学によって未知を征服する」「科学の力によってあらゆる不可思議な闇を薙ぎ払う」などという思想から、
駆動鎧HsPS-15などを始めとして、
学園都市製の最新鋭兵器群は、共通して自然科学(Hard Science)のイニシャルこと『Hs』の名を持つ。
しかしMSR-001MPS-79のように、用いられた技術が旧世代のものに関してはその限りでもないようだ。

第三次世界大戦時、一つの都市でありながら、都市どころか日本列島への侵攻を完璧に防ぎつつ、
ロシアの防空域を対空砲火もお構いなしに悠々と飛行したり、
果てはロシアの雪原に即席の拠点を設営してのけるなど、恐るべき戦力差を見せつけている。
常軌を逸した最新兵器群と相対した百戦錬磨のロシア軍のパイロットには
「奴らのほうがよっぽどオカルトに足を突っ込んでいるじゃないか」と言わしめている。

生徒達の生活費は奨学金や補助金がほとんど。
基本的には学園都市は勉強をするための所なので、
それに必要のない物品や嗜好品については税をかけても問題なし、という風潮があり、
子供の好きそうなものに課税されるのが暗黙の了解になっている。
代わりに、一般的に寮の家賃や学食などが激安になるので結局プラマイゼロだったりする。
激安の理由は大学や業者の試作品だからである。
その為、怪しい缶ジュースやら、意味もないハイテク携帯電話やら、
携帯のワイヤレスP2Pサービスの格安提供などが跋扈する。
また、学生にあまり関係のないベビー用品を買える場所は少ない。
カジノのような賭博場も合法なものは存在しないか知られていない。
学バスや教材などで儲けようとする学校もあるにはあるようだ。
原則、一度入学すると内部に住居を持つことになるらしい。
それを利用した置き去り等の問題も抱えている。
大覇星祭一端覧祭等、学園都市中の学校が参加する合同行事もある。

なお機密の漏洩や様々な組織・人物の暴走を防ぐために暗部にはいくつかの組織が存在する。
作中で登場したのは、
グループ』、『スクール』、『アイテム』、『メンバー』、『ブロック』、
猟犬部隊』、『迎電部隊』、『白鰐部隊』、『屍喰部隊』。

【真相】

その正体は「形を変えたテレマ僧院」。
『思春期の少年少女を一カ所に集め、独自の教えを広めて、薬物投与も辞さない方法で叡智への接近を試みる』
という点でテレマと共通しており、土御門は「テレマの再来」と表現している。

かつて失われた僧院は、元々の創設者であるアレイスターによって
幻想殺し』を宿した上条当麻という存在を最大限に活躍させる為に『悲劇』を発生させる箱庭
という役割を与えられ、再び蘇る事となった。

「超能力を開発する科学技術機関」の形になった理由も、
「幻想殺しという『異能無効化能力』を最大限に活躍させるには、『異能が当たり前に使われる場所』が最適」であるため。
「街のシステムに穴があり、大人達が暗部で私欲を満たす企みをする闇がある」のは
「その穴を利用し上条を憤らせる事件を多発させる」ため。
例えば上条がもし将棋好きの頭脳派少年なら将棋を中心とした棋士育成機関に、
料理好きの感覚派少年なら料理バトル中心の調理師育成機関に、
登山好きの肉体派少年ならロッククライミング合戦の登山家育成機関になっていた。

アレイスター曰く「上条の自由な法(テレマ)が手本となった」。
学園都市が今の「超能力を扱う少年少女達の裏で目を背けるような闇がある超能力育成機関」となったのは
上条当麻が「拳で悲劇を解決することで最も輝く存在」だったからにすぎない。
すなわち上条が学園都市に所属するようになったのは、幻想殺しによって誘発される不幸を科学で回避しようと考えた
父親の意向などではなく、その遥か前から施されていたアレイスターの根回しによるものだった。
他の数多の学生は別としても、こと上条に限って言えば、彼はこの学園都市に入るべくして入ったと言っても過言ではない。

【沿革】

エイワスの言によると、アレイスターがこの街を作り始めたのは50年以上昔である模様。
木原脳幹のモノローグでは、アレイスターは「戦後のどさくさに紛れて」渡航してきたと語られているので、
アレイスターの公的な死亡年である1947年より少し後に作られ始めたと考えるのが妥当か。
現代の日本で東京西部にこのような一大機関を設立するチャンスはそれくらいしか無かったのだろう。
なお、旧約22巻の地の文で「すでに六〇年以上前に死亡したと公式報告は出ていた」とあるため、
作中時間は少なくとも西暦2007年以降であると思われる。
設立初期はアメリカ合衆国と協力関係にあり、冷戦期にはアメリカやソ連が超能力開発に失敗する中、
世界で唯一安定した超能力開発に成功した。
エリスシェリーの件を考えると、
少なくとも20年ほど前の時点で既に能力者を生み出せる程度には発展していたようだ。

9月30日には『0930』事件により大混乱に見舞われたが、10月下旬の第三次世界大戦ではロシアに勝利を収めた。
その後、12月上旬に発生した大熱波で数日間都市機能が完全にダウンし、学園都市全域に甚大な被害を被った。
12月11日、大熱波後の混乱に乗じたコロンゾンの侵攻により学園都市の管理権が簒奪される。
しかしコロンゾンが学園都市から離れていた隙に、学園都市をコロンゾンにとって無価値なものにするため、
アレイスターが書庫に『アレイスター以外の頭脳では駆除に最低でも2万年はかかるコンピュータウィルス』を感染させ、学園都市を事実上ロックした。
その結果、学園都市全域がブラックアウトし、学園都市の資産たる技術情報や無人兵器も利用不能に陥った。
そして、インフラ復旧のメドが立たないことを理由に、アレイスターは住民を街から集団疎開させることを宣言した。

かくして学園都市は人っ子一人いない、1ビットの情報も引き出せないゴーストタウンと化し、
統括理事長の宣言をもってここに学園都市は事実上の終焉を迎えた。
加えて『プラン』が破綻したことにより、学園都市は本来の存在意義を完全に失うこととなった。

その後、イギリスの決戦にてメイザースに衛星爆撃を敢行するため、アレイスターによってロックが解除された。
またアレイスターが一方通行に統括理事長の全権限を譲渡したことにより、復興のメドが立った。
新約二十二巻リバースにて完全に復旧作業が完了し、集団疎開していた生徒や教師も帰還を果たした。

【備考】

インデックスが学園都市に来て暫く経っていることを挙げ、
普通の道なら完全記憶能力を持つ自分が未だに道に迷う事は無いのに、と疑問を感じている。
また、アレイスターも「この街の本当の形をまるで理解していない」と強調して話していた。
何らかの仕掛けがあるのかも知れない。

総人口は序盤と中盤以降で一貫していない(6巻辺りまでは学生が230万人、9巻辺り以降は総人口が230万人)。
が、人口の8割が学生と言う設定は一貫している。学生のほぼ全員がなんらかの超能力に目覚めているが、
その内の6割弱は無能力者(レベル0)である。

ちなみに英語表記では「Science Worship」。直訳すると「科学崇拝」的な意味になる。
これは各組織の名称に対応している七巻英字章題や、『超電磁砲』の樹形図の設計者利用申請などで確認できる。
しかしこの設定はあまり守られていないようで、
英訳版や英語圏のファンの間では「Academy City」「Academic City」という直訳が使われることが殆どである。

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