【種別】
人名(通称)

【元ネタ】
同名の能力から

【初出】
三巻

【CV】
岡本 信彦


【概要】

超能力『一方通行』を有する、学園都市第一位の超能力者
すなわち学園都市最強の能力者。
同時に学園都市最高の頭脳を持つ、この街の最優秀生徒である。
後述する経緯により、現在は二代目の学園都市統括理事長でもある。

本編『とある魔術の禁書目録』の主人公の一人であり、
外伝『とある科学の一方通行』では単独で主人公を務める。
その他の外伝でも度々出番がある。

【人物】

本名不明。そのため自身の能力『一方通行』の名で呼ばれる。
五巻によると、苗字は二文字で名前は三文字。
曰く「いかにも日本人らしく、大して珍しくもない名前」で、
去鳴によると「意外と可愛い名前」とのこと。
六巻での上条の妄想から、ファンの間では鈴科百合子ではないかと冗談半分で語られることも。
漫画『一方通行』では、彼の病室前に取り付けられていたネームプレートの名前がペンで塗り潰されていた。
またこの描写から逆説的に、学園都市側は彼の本名を把握していることが窺える。

性別不明。ただし一人称は「俺」で、関係する人物からは男として扱われることがほとんど。
木原数多視点の地の文曰く「整った顔立ち」。
白い髪に赤い瞳、色素が薄い肉体と、アルビノの様な見た目で、華奢な体格の持ち主。
見た目については、能力で紫外線などを反射しているため体が色素を必要としていないからだと本人は推測している。
体格についても、能力によって体に対する外部からの刺激が極端に少ないため、
ホルモンバランスが崩れていることが原因であると自己解釈している。
本人、またオティヌス曰く「男だか女だか分からない容姿」である。

年齢も不明だが、長点上機学園に籍を置いた経験があり(=中学校は卒業済み)、
また創約1巻の描写から少年法が適用される年齢(=20歳未満)であることが分かる。
上条と同じく15〜16歳程度と見るのが妥当か。

初期は黒地に白の模様が入った服を着ていたが、
9月30日の退院後は白地に灰色の模様が入った服を着るようになり、髪も伸びている。
キャラクターデザインのはいむら氏によれば、
衣装のデザインの元ネタはそれぞれ「デビルマン」「ウルトラマン」であるらしい。
漫画版「禁書目録」六巻より退院後には既に白い服になっている。
創約シリーズで統括理事長に就任して以降は、黒いシャツにネクタイを締め、退院後に着ていた服と似た柄のベストを着用している。

能力は発現当初から高い力を持っていたようで、9歳まで特力研、その後も虚数研叡智研霧ヶ丘付属 etc… と、
幼いころから暗部の研究所を転々としながら育ってきた。
いずれも地獄のような場所だったようだが、その闇の中ですら恐怖され、
どの研究所も2ヶ月はもたなかったという。

その後は彼専用の特別クラスが置かれている学校に通い、そこの学生寮に住んでいた。
グループ」に所属してからは隠れ家やホテルを転々とする生活を送り、
暗部を解体してからは打ち止め達と共に黄泉川家に居候している。

寮生活時は自炊はせず、専ら外食や冷凍食品などで済ませていた。
コーヒーを愛飲しており、
気に入った缶コーヒーを買い漁り毎日連続で飲み続け、一週間もしないうちに飽きて新たな銘柄を探す習慣がある。
缶コーヒー以外にもコーヒー類を飲んでいるシーンが多い。
なおコーヒーの好みはブラック派で、甘いコーヒーを飲んで顔をしかめる描写が何度かある。
味の濃い肉料理を好むらしく、昼食時にはステーキや辛口のフライドチキンといったメニューを選んでいる。

最強の肩書きを求める不良などから頻繁に寮に襲撃を受けていたためか、基本的に物に対する執着は希薄。
様々な研究に身を貸している為、口座には手付かずのお金がいくらでも放り込んであるとの事。
0930事件後に8兆円の負債を背負わされたが、第三次世界大戦での功績で帳消しになった。

【性格】

10歳の時に自身の能力がきっかけで起こしてしまった事件により、
人を傷つけないよう他者に感情を向けない生き方を選んだ。
その後多数の暗部の研究所をたらい回しにされ、凄惨な研究を手がける暗部の研究者たちからも恐怖され続けた。
こうした経験から自身の怪物性・特異性を自覚させられ、常に周囲を拒絶するようになり、粗暴な性格に育った。
その一方で、自身がレベル6になれば周囲の人間を傷つけずに済むのではないかと考えたりと、本来の人格がうかがえる描写がある。
作者曰く、深層心理では恋人ではなく家族を欲しているらしい。

善悪の価値観は上条当麻の影響を強く受けている。
自分を倒し事件を解決した上条のことを『善人』として憧れを抱くが、
同時に罪を犯した自分は上条のようにはなれないという思いから、自身を『悪党』と自称するようになる。
そして『悪党の美学』と称し、「表社会に生きる人間が裏社会の人間に傷つけられることを良しとせず、
暗部の人間は同じ悪党である自分が対処する」という考え方を抱くようになった。
ただし、打ち止めが関わる場合は、彼女の安全を最優先に行動する。

エイワスは彼を「過去に大きな過ちを犯し、その罪に苦悩しながらも正しい道を歩もうとする者」とし、
彼が「悪」を自称するのは「善」を希求することへの裏返しと評し、そこが善悪を重視しない上条との差と述べている。

その後上条とロシアで再戦したことで善悪のこだわりを捨て、純粋に守りたいものを守るために戦うようになり、
以前のような嗜虐的、狂気的な側面は全くと言っていいほど見られなくなった。
一般人に無用な被害が出ないよう配慮する姿勢も保ち続けている。
ただし戦闘自体は忌避していないため、「全力で能力を使っても敵を殺してしまう心配がない」と判断した場合は、
ホレグレス=ミレーツのように常軌を逸した手段で敵を無力化することもある。

打ち止めのことは「守るべきもの」として認識しているが、
結標には「ロリコン」「ペドフィリア理事長」呼ばわりされている。
打ち止めと同年齢程度の少女と話すときには声色が高くなるらしいが、ハワイ諸島でレイヴィニアに指摘されるまで自覚していなかった。

『絶対能力進化計画』や妹達関連はかなりのトラウマと化しており、
番外個体戦や垣根帝督との再戦ではこの点を直接突かれ、精神的なダメージを受けた。
このトラウマはある程度は克服したもののまだ完全には抜け切っていないようで、
ミサカネットワーク総体には、妹達を「善性の象徴として偶像化している」と評され、
続けて「意識して克服できるようなものでもない」と告げられた。

新約以降でも上条を神聖視する思いは変わっていないようで、去鳴からは「上条当麻のとびきり面倒臭いファン」と評された。
実際にクリファパズル545コロンゾンの攻撃で即死した上条のことを「幻想殺しとかいう弱っちーいの」と小馬鹿にした際、
瞬時に核地雷を踏んだと直感するほどのスイッチが入ったらしい。
表向きの態度や言動は荒々しいものの、上条と共に事件に立ち向かった際には打ちひしがれた上条の背中を押したこともあり、
美琴食蜂とはまた違った形で上条を支えていると言える。

旧約二十二巻あとがきによれば、一方通行には過去の罪を償って苦難の道を歩む「聖者」の側面があり、
善悪のこだわりを捨てた後は特にこの点が強調されて描かれている。

【能力・スキル】

※能力の詳細は「一方通行(アクセラレータ)【能力名】」を参照

「最強」の名に恥じない能力を有し、同時に非常に頭脳明晰である。
学園都市全域という範囲の風の動きの演算を、カオス理論を考慮しながら粒子レベルの細かさでこなし、
電子顕微鏡レベルの精密な作業やスーパーコンピュータ並みの高度な計算もやってのけるほど。
脳を破損した後は約一万人の能力者の脳波ネットワークを借用して計算力を補っているが、
それでも本来の頭脳の半分にも満たないようで、別格に優秀であったことがうかがい知れる。
語学にも堪能で、作中では英語・ロシア語を流暢に話しており、ロシア語についてはその流暢さをネイティブスピーカーに困惑されている。

しかし後述の事件で前頭葉を損傷し、後遺症で言語能力・歩行能力・計算能力を全て喪失した
曰く「常人なら二度と自分の足で歩けないほど」の大怪我だったが、
カエル顔の医者の治療を受け、彼の用意した演算補助デバイスミサカネットワークから演算能力を補助してもらうことで、
歩行時にを必要とするものの、問題なく日常生活を送れる程度にまで回復した。

だがバッテリーで動く機器を使用する関係上、行動全てに時間制限が課せられ、
日常生活のみなら約48時間、能力を全開で使うとわずか15分しか持たない。
(後に学園都市暗部に所属して以降は30分に延長。詳細は演算補助デバイス参照)
演算補助がない場合、能力を行使することは勿論、考えることも歩くことも言葉を理解することも出来ない。
なお、自意識や単純な五感は演算補助がなくとも働く。

計算能力を失ったことで、少なくとも入院中の時点では能力自体も弱体化していた模様。
9月14日時点では「元の半分あるか分っかンねェ」ほどの能力しか使えていなかったが、
これ以降弱体化についての言及がされていないため、退院後も弱体化したままなのかは不明。

上条と出会う以前は、常時発動の「反射」によって向かってくる敵は勝手に自滅するため、
「攻撃を避ける」という考えすら持っておらず、まして痛みなど未知の感覚だった。
能力頼りの生活のせいで素の身体能力は低く、
足運びや重心の動かし方などといった戦闘技術など身につける必要がなかった。
そのため能力を無効化できる上条との戦闘では「路地裏の不良の喧嘩」程度の動きで翻弄された上、
(第三位の雷撃を受けて)瀕死状態だった上条の一撃でも大ダメージを被っている。
上条に言わせれば「あらゆる敵からあらゆる攻撃を反射してきた奴が喧嘩のやり方を知っている訳がない」ということらしい。

その後は能力に頼れなくなったこともあり、
暗部に身を置いてからは射撃技術を学び、
木原数多との戦いから学習して能力を過信しなくなり、相手を倒すことに重点を置いた効率的な戦い方をするようになった。
身体能力も向上し、上条の拳を受けても逆に睨み返せるほどに打たれ強くなった。

能力の使用に制限を受けたとはいえ、学園都市第一位としての頭脳は未だ健在。
美琴と異なり、エイワスやレイヴィニアとの接触、第三次世界大戦の最中の魔術の行使を経験しているため、
科学サイドの純正な能力者でありながら学園都市とは基軸の違う技術の存在を肯定している数少ない人物。

【作中での行動】

自らの力から他人を守るため誰にも感情を向けない道を選ぶ内、争いが起きない為の方法として辿り着いた結論は、
「戦おうという意志さえ奪うほどの絶対的な力」を手にすることだった。
そこで唯一の絶対能力進化の被験者候補として実験を受ける。
第1次実験時、ミサカ1号と交戦して、その能力でもって一蹴。その場を去ろうとする。
しかし、研究者に実験続行を命じられたミサカ1号は一方通行を背後から銃撃。
自動的に反射された銃弾はミサカへ直撃し、一方通行本人には殺意どころか戦意すら無かったにもかかわらず、結果的にミサカを殺害してしまう。
元々常軌を逸した実験だと理解はしていたが、クローンを殺害することをこの時まで知らなかった。
この頃より「クローンはヒトではなく、ただの大量生産できる人形であり、ヒトの模造品である」
と認識するようになったと思われる。
こうして「妹達はヒトではなく実験動物」だと自分に言い聞かせることで、
罪悪感などの後ろめたさを無意識のうちに忘れようとしていた。
以降も計画を遂行し、屋外状況における実験に段階を移す。
第9982次実験の終了直後には、ミサカ9982号の死を目の当たりにして激昂した御坂美琴の攻撃を受けるが、
超電磁砲を反射する等して圧倒してみせた。

その後も計画を遂行し続けていたが、8月21日の10032次実験中に、
計画を止めるため割り込んできた上条当麻と交戦。
今までと同じく「名声目的の雑魚」を追い払うために力を存分に見せつけるが、
幻想殺しに『反射』を破られ取り乱し、劣勢に追い込まれる。
風のベクトルを操作し、学園都市中の空気を圧縮し高電離気体を作ることを思いつき実践。上条に重傷を負わせた。
しかし美琴と、皮肉にも妹達によって高電離気体を無効化された。
その後満身創痍にもかかわらず、なお立ち上がる上条に驚嘆しつつも、直接触れて殺害するために急接近するが、
それが仇となってなし崩しのカウンターを喰らい敗北。
そうして自身が今までやってきた過ちに気付くこととなった。
殺害した妹達の合計人数は10031人。計画は無期凍結となる。(後に解体)

8月31日に打ち止めと邂逅。
今まで誰かを傷つける事しかできなかった彼でも「何かを変えられるかもしれない」と考え、彼女を救うため奔走する。
その末に打ち止めの命と「妹達」の暴走を食い止めるも、
『反射』を切って全力で能力を行使していた隙に天井亜雄に銃で頭を撃たれてしまう。
この一件にて前頭葉を損傷し、後遺症として言語機能と計算能力の一切を失い、
カエル顔の医者の治療を受けながら入院生活を送ることとなった。

9月1日の夜には魔術師の少女エステル=ローゼンタールと病院内で遭遇。
DAなる組織に打ち止めが狙われている事を知り、エステルと共に事態解決に乗り出す。
なお、この際黄泉川愛穂と初めて対面している。

9月14日の事件では実験が再開される危険を察し、彼女のために脳味噌シェイク状態で出撃し、
残骸ごと結標淡希を撃破。
入院中の「超電磁砲」第四十三話では、『実験』に一方通行を引き入れたエージェントに大覇星祭の選手宣誓に勧誘された。
が、当の一方通行は『実験』絡みの話だと早とちりし、エージェントを病院送りにした上で話を聞かずにその場を立ち去った。
直接描写はなかったが、大覇星祭では出歩いていた模様。
なお、木原幻生が美琴を使って絶対能力進化を実行しようとした際、
外装代脳ミサカネットワークがハックされたため、
一方通行も巻き添えで行動不能(言語能力・計算能力を喪失)に陥っている。

一ヶ月の療養の末、9月30日に退院。
同日夕方、アレイスターの命令で打ち止め奪取に現れた木原数多と交戦し敗北。
何とかその場を脱出し、追撃の猟犬部隊を能力無しの心理戦で殲滅するも、
その一部を警備員に目撃され、指名手配を受ける。
その後再び数多と対峙、押し負けるも演算能力を失った頭で『噴射する黒翼』を発現。
その力で数多をプラズマにするほどの速さで吹き飛ばした。
謎の男に突きつけられた約八兆円の負債の返済を兼ね、打ち止めがいる学園都市を守るため暗部で活動することになった。

SS巻以降は『グループ』に属し、『電話の男』からの指示を受け学園都市暗部の仕事を行う。
この頃から戦法は能力一辺倒でなく拳銃を取り入れ、立ち回りが柔軟なものに変化した。
暗部堕ちに伴い、書類上は長点上機学園に転校・所属している。
10月3日にはスキルアウトの拠点を襲撃し、駒場利徳が目の前で自殺した。
駒場の遺志を汲み取り、彼のターゲットだった能力者を「サービス残業」と称して粛清した。

10月9日には反旗を翻した『ブロック』や『スクール』の目的を阻止するために動き、第二位の超能力者・垣根帝督と激戦を交わす。
10月17日には『グループ』として統括理事会の指示を受け、暴走した元迎電部隊を撃破。
しかし彼らも自分たちと同じく『ドラゴン』を追っており、暴走は『ドラゴン』の情報開示要求にすぎなかったことを知る。

後に『グループ』も『ドラゴン』の追跡を開始するが、それを嫌う統括理事潮岸から妨害を受ける。
政治的な圧力に対抗すべく統括理事親船最中を味方につけ、潮岸を撃破。
そこで
「ヒューズ=カザキリは『ドラゴン』を形成するための製造ラインである」
「『ドラゴン』はどこにでもいる」
ことを聞き出した直後、『ドラゴン』の正体であるエイワスが突然出現。
興味を抱いたエイワスは一方通行に攻撃を許したものの、『黒い翼』を用いても手も足も出ずに敗北した。
その後、エイワスの顕現には打ち止めへ異常な負荷がかかることと
禁書目録』という言葉をエイワスに聞かされ、
打ち止めの治療法を求めてエリザリーナ独立国同盟へと向かった。

エリザリーナ独立国同盟では、番外個体との戦闘や上条との再戦などの紆余曲折を経た後、打ち止めを治療すべく魔術を行使。
さらには、ベツレヘムの星から放たれようとするユーラシア大陸を呑み込む程の天使の力を目の当たりにした一方通行は、
彼を引き留めようとする打ち止めとの会話で、子供のような笑みを浮かべ、「俺もずっと一緒に居たかった」と伝えた。
直後、噴出するような『黒い翼』は氷が割れるような激しい音を立てて、純白の『白い翼』へと変貌。
頭に輪のようなものが浮かぶなど、外見の色彩だけでなく内面の本質も切り替わり、
はるか上空へと舞い上がった一方通行は『守るための戦い』を実感しながら、『天使の力』と激突。
地上への大規模攻撃を防ぎ、数多くの人々を救う結果となった。
地の文には「この現実世界に特異な力を吐き出す源となっていた、精神の変異」とあり、
このとき一方通行の『自分だけの現実』が変化したと考えられる。

ベツレヘムの星からの攻撃を防いだ後は学園都市暗部のヘリに回収されたが、
機内で第三次製造計画の凍結、クローンの製造・殺害を許さない態度を示し、
人質を盾に使って協力を強いるような、自分と同じ境遇にある暗部の人間を解放するように宣言。
「凱旋」と称し、手始めとして打ち止めと番外個体を救出する。

第三次世界大戦以来、番外個体が増えてからさらに日常生活が騒がしくなった。
新約以降は、上条または浜面と行動を共にすることが増えた。

新約三巻で、グレムリンの計画を止めるべくバードウェイ他とハワイ諸島に向かい、
因縁深い美琴番外個体との3人で戦場を駆け回った。
美琴と対面するのは三巻以来これが初。
妹達の件については「お前も加害者」と美琴に言い放つも、美琴本人もこれを認めていた。

新約六巻では、未元物質によって復活した垣根帝督に襲撃されるが、現れた麦野沈利と協力して戦闘。
苦戦するものの「垣根帝督」の自壊により勝利した。
その後打ち止めの体を借りたミサカネットワーク総体に「戦いという楽な方に流れるな」と釘を刺される。

新約七巻ではフレメアを救うために地下に降りようとする上条当麻の前に千人規模の『ヒーロー』を蹴散らしながら登場。
上条に迫る『ヒーロー』たちの追撃を阻む役を買って出た。

新約十巻ではS5から投下され上条と激突。
「自分と自分の身内に危害が及ぶ可能性があるなら、『とりあえず』殺しておく」という信条の元、
オティヌスの首を狙ってイエリングの地で上条と衝突する。
顎に上条の一撃をまともに受けながらも怯まないなど内面・外面共に成長を見せ、
『白い翼』を顕現させて応戦するも、幻想殺しで『反射』を無効化されてから石で殴られ気絶した。
しかし、この敗北は一方通行の策略であり、虎の子である超能力者の第一位が撃破されておけば、
損耗を恐れた学園都市上層部が投入を躊躇するであろうという考えから行ったもので、
その後現れたミサカネットワーク総体には、「『敗北する事で何かを与える』という、
最強しか知らず、勝つ事しかできなかった一方通行もちょっとは成長した」と評されている。
また、総体曰く一方通行と上条の違いは『妹達』、そしてミサカネットワークというシステムを、
善性の象徴として偶像化しているか、本当にただの人間として見ているか、という所。
それらは似ているようで全く違うし、意識して克服できるようなものでもないらしい。

新約十九巻では書庫争奪戦にいち早く参加。
学園都市の主にしてこの街の悲劇全ての元凶、学園都市統括理事長アレイスターと遂に対峙する。
清算をつけるべく少女の姿の彼を手にかけようとするが、
『恐怖』を忘れている彼に復讐をしても意味がないとして、イギリスでの決戦が終わるまでは共闘し、
その上でアレイスターに『恐怖』を思い出させることを宣言した。

イギリスでの決戦の途上、魔術についての知識を補完するため、
アレイスターに倒され伸びていたクリファパズル545と契約し、以降行動を共にするようになる。
ウェストミンスター寺院にてメイザースに遭遇した後はアレイスター・上条と行動を共にした。
その後、コロンゾンを撃破する為にクリファパズル545を連れて行動。
途中ネフテュスの妨害を受けながらもクイーンブリタニア号に到着し、一方通行自身を経由してクリファパズルをミサカネットワークに接続させる。
結果、生命の樹(セフィロト)とも邪悪の樹(クリフォト)とも異なる『人造の樹(クロノオト)』を生み出し、
その莫大な圧でもってコロンゾンから実体を奪うことに成功した。
事件終息後、死の際のアレイスターと対話し、リリスの身柄と学園都市統括理事長の全権限を相続し、事実上の第二代統括理事長に就任した

新約二十二巻リバースでは浜面達と同じパブにいたところに上条と遭遇。
事態を把握し、浜面達と共に上条の背中を押した上で『神浄討魔』との戦闘にも協力した。
ウィンザー城でのエリザードとの戦闘では統括理事長の権限を活用し、生物兵器『フラワーレジスタンス』を呼び出して攻撃に利用している。
最終的には「外交デビュー」と称してエリザードを右手で殴り抜き、気絶させて事態を収拾させた。
事件解決後はクリファパズルを伴って学園都市に帰還。
アレイスターから受け取った、学園都市の全コードリストが入ったスマートフォンを片手に統括理事会の会議に乱入し、
自らが次代の学園都市統括理事長であることを宣言した。

創約一巻では、手に入れた統括理事長の権限を使って大暴れ……は一切することがなかった。
新約一巻で不発だった暗部の解体を確実に果たし学園都市を守るために、自首をした。
その後は拘置所に身柄を移送されたが、獄中から統括理事長としての命令を下し続けており、
12月25日には暗部一掃作戦『オペレーションネーム・ハンドカフス』の実行を指示した。

『超電磁砲』の妹達編、『一方通行』、『未元物質』等度々外伝でも出番がある。
なお、直接登場しないときでも暗闇の五月計画や交戦した屍喰部隊など、作中への影響は枚挙に暇がない。

【口調】

言葉遣いは粗暴。小さいア行とンがカタカナ表記で、名前や蔑称以外での二人称は基本的に「オマエ」。
また「良い」が「イイ」と表記されるなど、特定の単語はカタカナ表記される。
例)「く、は、面白ェ。何なンだよその右手は!」
   「オマエ、ナニサマ?」
また、下ネタも多い。
例)「あはぎゃはっ!無様なローアングルのサービスをさらしてくれてアリガトウ!!」
   「ンだァその逃げ腰は。愉快にケツ振りやがって誘ってンのかァ!?」
ただし、ロシア編以降は下ネタを全く言わなくなり、冷静な話し方をするようになった。

ア行のカタカナ化は下記の例のように「伸ばす音」などの「小さいア行」に適用される。
例)「一番面倒なのはオマエだろォがよ」
この場合「オマエだろゥがよ」にはならない。

八巻で結標に対して
「悪りィが、こっから先は一方通行だ」
「侵入は禁止ってなァ!大人しく尻尾ォ巻きつつ泣いて無様に元の居場所へ引き返しやがれェ!!」
と、上条の「その幻想をぶち殺す」のような能力になぞらえた台詞を放った。
これは決め台詞でなく本編で言ったのはこの一回限りであるが、
『一方通行』十一巻にて再び「フルコース」の二人に対して告げた。

【余談】

新約六巻のあとがきによれば、初期の一方通行の方向性は、
「まだ見ぬ領域の力を求めて戦闘を重ねる」という点でトールと似通っており、
仮に一方通行が道を踏み外さずに順当に成長していたなら、彼もまたトールのような性格になっていたらしい。

とあるシリーズをよく知らない者が一方通行を「ロリコン」扱いするネタがあり、
ネタとしての扱いやすさから原作ファンもこのネタに便乗することがある。
しかし一方通行は前述した通り家族のように打ち止めに接することが多く、本来のキャラクター性とは反することに留意。
またこのネタを不快に思う人もいるため注意。

最終更新:2023年11月06日 11:25