【種別】
魔術結社

【元ネタ】
Wikipedia - 黄金の夜明け団
読み方は「Stella Matutina」(ステラ・マテューティナ)?
1888年の創設から現代に至るまで、魔術やオカルトの話になると必ずと言っていいほど取り上げられる
近代西洋最大の魔術結社。

【初出】
一巻

【解説】
19世紀末、イギリスに登場した『黄金』と呼ばれる天才集団。
ヘルメス学や薔薇十字などの幾つもの遺伝子を統合し、
近代西洋魔術の雛型となった世界最大の魔術結社である。
主な拠点はイシス=ウラニア聖堂の別館やブライスロード36番地など。
創始者は好んで仏教を取り入れていた節もあったらしい。

あまりにも強大な魔術師達が集いすぎたが故に、たった数年で実質的な活動を終え、
その後の内紛で自己崩壊した。
内紛の後も名称を変更して活動を続けたが、結局分裂は避けられず、独自の魔術結社を幾つも設立して
『黄金』という組織は空中分解していった。

その絶大な存在から、1度崩壊した後も『黄金』を取り戻そうと試みた者達は何人もいた。
しかしながらいずれの者もかつての『黄金』の栄光を取り戻すどころか資料や人材すら集めきれず、
当時の面影すら残らない形で名前だけが現在まで受け継がれている。

崩壊した結社は断片化した後、独自に発展と進歩を遂げ、無秩序に分化しながら今日まで(ミナ曰く「だらだら」)存続し、
明け色の陽射し宵闇の出口暗闇を拭う夜明けなど、数多くの「黄金系」と呼ばれる結社が存在する。

中心教義はカバラ。これにエジプト・ギリシャ神話にタロットやエノクその他諸々を組み合わせ、
共通する神の記号や光の象徴を抽出し、本質に迫る術式群を揃えている。
『黄金』の集団で行う魔術は舞台演劇の形式に近く、
多くの者が役割を決めてそれに準じた装束や象徴武器で身を固め、規則的かつ流れるような動作でこなしていく。
複雑精緻な数式の様な儀式魔術こそが、彼らの真髄である。

メンバー一人一人が独立した伝説を持つ傑物ばかりで、
人の身でありながら、魔神の力を自らの術式に組み込んでしまえる程の魔術の技量を誇る者もいる。
といってもあくまで魔術師のため、単純な知識や力の総量は魔神と比べるべくもない。
魔神娘々曰く、どちらがどちらを喰うか、出し抜き出し抜かれ騙し騙されの関係らしい。

構成メンバーの顔ぶれは多種多様。
大地主、薬剤師、検察官、女優、天才作家など表の世界でも活躍する者から、
古文書の翻訳に走ったり怪しい仕手戦を提案する者、果ては無職や世捨て人と、人種の標本セットの様な有様だったらしい。
近代魔術の基礎を作った彼らは総じて我が強く、それでいてなお子供の部分を忘れない、
天才特有のカリスマ性を持つ変人の集まりだったようだ。
メンバーの我の強さは筋金入りであり、「人の行いが世界に遠慮するなどありえない」と言い切るほど。
たとえ自身の判断一つで世界が滅びかねない状況であっても迷わず自分の個人的感情を優先し、
それで世界がどうなろうと一向に構わない、という極大の『個の意志』が集っていた。

インデックス上条と初めて出会った際、
自分を追っている可能性がある組織の一つとして挙げている。
また、御使堕しの際には土御門元春が「大慌てするカバラ業界」の例としても挙げ、
フィアンマが天才集団の例として『黄金』の名を出す等、業界に対する影響度は計り知れない物がある。

新約21巻で最盛期と同じ姿で全員(アラン以外)が登場。
これはアレイスター討伐のためにコロンゾンが仕込んだ防衛機構であり、
彼(彼女)らの正体は、ミナと同じくタロットカードによって再現された姿である。
「再現された」メイザースは逆にコロンゾンを支配し退去させることで自由を得る事を目論んでいたが、
その前に地脈・龍脈からの魔力供給をアレイスターに遮断され、
全員タロットカードに戻っていった。

【作中に登場した所属メンバー】(50音順)




最終更新:2022年04月07日 17:17